【風呂酒日和37-2】 深川(ふかがわ)
【風呂酒日和(フロサケびより)】
どこかで銭湯を見つけると、つい寄り道したくなる。
銭湯から出ると、つい一杯飲みたくなる。
そんな私がふらりと立ち寄った、心と体とお腹を満たす、銭湯と居酒屋をまとめたマガジン。
今日はGoogleマップ殿を全力で頼ってみることにする。
というのも、そこに写っていた写真がものすごく綺麗で美味しそうだったのだ。
文化湯を出て、てくてくと目的地を目指す。
あった。
ふむ。予想を反する建て構え。
なかなかパンチの効いたフォントの「深川」の文字と、オレンジ色の立て看板が目立つ。
こ、ここか…。
ちょっと小洒落た、まではいかなくとも小料理屋っぽいところを想像していたが、なんだか薄暗くてなかなか入るには勇気がいる。
しかし入口はガラス張りの自動ドアだったため、中が見えた。
お客さんはいないがカウンターにおばちゃんが1人座ってテレビを見ている。
彼女が女将?ママ?なんだろうか。
うん、でも今日は逆にちょうどよいかも!
こんな感じだ!と自分を言い聞かせ入場。
というのも文化湯をすっかり満喫しきった私はもうそのとろんと仕上がった気持ちのまま銭湯を出てきてしまったのだ。
さぁこれから一杯引っかけに行くぞとお化粧をそれなりに直すべきところをなかなかにサボっている。
でもここなら誰もいないし、暗めだし、空気的にもいいかも…そんなずるい(?)気持ちも働いたのだ。
扉を開け、1人ですと告げるとおばちゃんがどうぞ〜と言って、椅子から立ち上がった。
好きに座ってよさそうだったので、奥の方のテーブル席に座る。
うん、いいねいいね。
この空気感。何と言えば伝わるだろうか。
地方の旅館に泊まりに来て、早めの夕食は済ませたんだけどなんとなく小腹が空いて、浴衣のまま温泉街に出て、ふらっと入ってみた田舎のスナックっぽい飲み屋、みたいな空気。伝わらないか。
あるよね?そういうの。ない?
染み付いたカラオケボックスのようなタバコの匂い。
下手するとこのまま寝てしまいそうな照度の暖色の照明。
おそらく開店したてだろうに閉店間近のような空気(失礼)。とてもよい。
今日の私のこのテンションにちょうどよいロケーションである。
席につき、ノールックで瓶ビールを頼むと、奥の方から、ガタイのいいおじさん(お兄さん?)が「あら。」と小声で言いながらのっそりと出てきて厨房に入った。
おじさんといっても先ほどののおばちゃんよりはだいぶ若い。
息子…だろうか。
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