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青山(せいざん)になる街

私には好きな言葉がある。
そんなことを聞かれることはあまりないが「座右の銘は?」なんて聞かれるタイミングがもしあったら、これを答えようと思っている。

それは「人間到る処青山有り」という言葉だ。

人間到る処青山有り
【読み方】
じんかんいたるところせいざんあり
【別表記】
人間到る所青山あり、人間至る所青山あり、人間いたるところ青山あり、人間至る所に青山あり、人間到処有青山
【意味】
人はどこにだって骨を埋める地があるものだ。故郷ばかりが死に場所ではないのだから、志を持って郷里を出て、おおいに活躍すべきであるということ。月性という江戸末期の僧が著した詩に由来する言葉。


人間(じんかん)とは世間、世の中を指し、青山(せいざん)とは骨を埋める場所、すなわち墓のことを指す。
志を持って故郷を出るか、大いに活躍するかは置いておいて、"どこでも死ねるし、骨を埋められる"というところが気に入っていて、自分の死んだ場所がいい場所だったと思えればそれで良いのだという意味でもあるのではないかと勝手に解釈している。

地元にいた頃、私はどこかずっと「よそ者」の気持ちだった。
父親が北海道出身、母親が東京出身だが、自分は生まれたところも育ったところもずっと北海道の片田舎で、私の「地元」はそこでしかなかった。
けれど、その土地にいる人はそれを許してはくれなかった。
強い言葉であなたはここの土地の人ではないと言われたことはなかったが、言葉の端々からいつも自分が"そこの人"ではないのだと言われているように感じていた。

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