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夏の夕暮れのさんぽ道。行動範囲3kmの空の下で。

夏の日の夕暮れ
私は静寂を身にまといながら
いつもの道を散歩します。

春の早朝散歩もいいけれど
夏はちょっと涼しい夕暮れ時間の散歩です。

夕方から夜に変わる時間がたまらなく好きです。

風に揺れる木々が織りなす
涼やかな陰影を感じながら

目指すのは田んぼです。

「歩こう、歩こう」

成長した姿を見るのが
何よりも待ち遠しくて

私の足取りは軽く
心は期待に満ち溢れていました。

そよそよ、そよそよ

田んぼまでのあぜ道には
雑草が静かに揺れていて

夏をとじこめたような
草木の香りが漂います。

エアコンよりも、扇風機よりも
ずっと前から存在している風。

悠久の時を流れる風はやさしくて
とびっきりの冷房みたいです。

あぜ道を歩いていくと
風のヴェールが
さらに静寂で包み込みます。

車の音も
人の声も
虫の声さえもしない。

聞こえてくるのは風の歌声だけ。

そしてたどり着いた場所。

風の呼ぶ声が、私の髪をなびかせ
頬をくすぐり、耳元でささやきます。

「わぁ・・これを見せたかったんだね」美しさに息を呑みます。

それは、夏の暑さを忘れさせるほどの、風の贈り物でした。

私の視界には、あたり一面に若草色の海が広がっていました。


夏の田んぼ。
若草色の海みたいです。

風のくしが、
私の髪をとかし、心をすいて、稲穂をそよがせます。

風の音色に、
若草色の海は、柔らかく揺れ動く。

まるで森のピアノが奏でられるかのように
静かに、でも力強く。

稲穂たちは一つの生命体として息を合わせ、
風に抵抗しつつも、ウインドサーフィンを楽しむかのように踊っています。

若草色の波は
まるでショートヘアーグラスが
水の世界から飛び出してきたみたいです。

風が紡ぐ言葉は、私に涼しさと
稲穂の香りを運んできます。

それは穏やかで、どこか懐かしい香りでした。

風と、稲穂と、そして私。
全てがつながっているような、感覚に包まれます。

自然の息吹を感じるかのような、ライフストリーム。

私をそっと通り抜けていく
風の音色が好き。

茜色と
群青色と
若草色が混ざり合う

夕暮れの時間がたまらなく好き。

この感覚、この風景、この時間をずっと大切に感じていたい。

"たしかに受け取ったよ。"

それは夏の日の夕暮れに
私に届いた、風の贈り物です。


最後までお読みいただきありがとうございます!
感想すごく嬉しいです。コメントはお気軽に。

あなたにも、やさしい風が届きますように。

春の散歩はこちらです。

次回は、秋の散歩です。

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