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うつくしいくにのはなしⅡ − forget-me-not
うつくしいくにのはなしⅡ
- forget-me-not 展
2019年3月18日 から3月23日
@GALERIE SOL▶
ああ、明日にでもあそこへゆこう
なぜならいまの僕には、
昼も夜も、あの湖の水の
岸にくだける柔らかな音が聞こえるからだ。
車道を走っていようと
汚れた歩道に立っていようと いつも
W. B. イエーツ「イニスフリーの島へ」*1
真冬のさなかに 彼は消
哀れなるものたち/ヨルゴス・ランティモス監督
ヨルゴス・ランティモス監督の「哀れなるものたち」を見る。久しぶりの夜の新宿の若者の多さに驚くばかり。劇場も若者たちでほぼ満席。遅れて入っても山盛りのポップコーンを諦めない…笑
注目を集めているランティモス監督だが、作品を見るのは今回が初めてだ。英題は「poor things」だから、本当は特定の「哀れなる者たち」についての話ではなく、「哀れなるものたち」≒「残念なこと」くらいの意味ではないのか。
ポトフ 美食家と料理人/トラン・アン・ユン監督
第76回カンヌ国際映画祭で最優秀監督賞を受賞したトラン・アン・ユン監督の「ポトフ 美食家と料理人」を見る。英題は「The Taste of Things」。
トラン・アン・ユン(1962年生まれ)は、幼少の頃にベトナム戦争を逃れフランスに移住した。現在はパリ在住の監督だが、1993年の長編デビュー作「青いパパイヤの香り」が大ヒットし、カンヌ映画祭カメラ・ドール(新人監督賞)を取る。当時自分は留学
Perfect Days / ヴィム・ヴェンダース監督
ヴィム・ヴェンダース監督の「Perfect Days」を見る。世間の評判の高さに比して、残念ながら自分はこの映画にはあまり共感が持てなかった。そもそも映画内でも明確に示されるが、平山(役所広司)が作業服の背中に背負う「THE TOKYO TOILET」とは、渋谷区内の公共トイレの刷新プロジェクトのことで、この映画製作は、というよりはヴィム・ヴェンダース監督自体がそのプロジェクトのPRのために召集さ
もっとみる理想郷/ロドリゴ・ソロゴイェン監督
スペイン生まれのロドリゴ・ソロゴイェン監督の映画「理想郷」を見る。この映画はある村で実際に起きた「事件」をもとに描かれている。
映画のプロローグとして、この物語の舞台、スペインのガリシア州の伝統行事である「ア・ラパ・ダス・ベスタス(野獣の毛刈り)」を、ソロゴイェン監督は長回しで捉える。村の男たちは、力づくで野生の馬をねじ伏せ地面に抑えつけ、たてがみを刈り焼印を押す。
*
フランス人夫婦アント
枯れ葉/アキ・カウリスマキ監督
新年ひとつ目の映画にはアキ・カウリスマキ監督の「枯れ葉」を選んだ。いつも通りというのか、笑いの少ない中高年ラブコメディなのだが、枯れ葉の季節にカウリスマキ監督の優しさが心に滲みる映画でもある。
工事現場で住込みで働くホラッパ(ユッシ・バタネン)は、同僚に「金曜だしカラオケに行かないか」と誘われる。気乗りがしないホラッパはカラオケ・バーでは酒を飲むばかりだが、同じように女友だちと来ていたアンサ(ア
私の大嫌いな弟へ/アルノー・デプレシャン監督
アルノー・デプレシャン監督の「私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスター」を見る。
デプレシャン監督の作品は、自分は「キングス&クイーン」(2004)「ジミーとジョルジュ 心の欠片を探して」(2013)「あの頃エッフェル塔の下で」(2015)と見てきている。
コロナ禍で映画館のキャパが制限されたせいなのか、ここしばらくは日本での劇場公開がなかったが、今回久しぶりにデプレシャン作品を堪能した。
さて