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hideonakane 映画日記

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中根秀夫の映画日記。美術家です。ふだんFBに書いているものをまとめ直して公開します。基本的に映画館でしか映画は見ません。
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記事一覧

風が吹くとき/レイモンド・ブリッグズ原作

レイモンド・ブリッグズ(1934〜2022)は、「スノーマン」の作者と言えば分かりやすいだろうか…

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3週間前
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マリウポリの20日間/ミスティスラフ・チェルノフ監督

ミスティスラフ・チェルノフ監督の「マリウポリの20日間」を見る。 マリウポリは、ウクライナ…

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3週間前
2

リッチランド/アイリーン・ルスティック監督

アイリーン・ルスティック監督の「リッチランド」を見る。ハンフォード・サイトに核燃料生産拠…

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1か月前
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壁は語る/カルロス・サウラ監督

先週の「情熱の王国」(2021年)に続き、カルロス・サウラ監督(1932〜2023年)の遺作となった…

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1か月前
1

情熱の王国/カルロス・サウラ監督

スペインのカルロス・サウラ監督の「情熱の王国」を見る。今回初めてサウラ監督の作品に触れる…

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1か月前
1

アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家/ヴィム・ヴェンダース監督

ヴィム・ヴェンダース監督の「アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家」を見る。 自分は美術家…

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2か月前
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Ryuichi Sakamoto | Opus / 空音央監督

「Ryuichi Sakamoto | Opus」を見る。2年にわたる闘病生活を続けていた坂本龍一(1952〜2023年)が行なった2022年9月のスタジオ録音を静かに追ったドキュメンタリー。基本的に20曲のピアノ演奏以外の要素は映画には映っていない。坂本の息遣いが収められた稀有なドキュメンタリー。監督は空音央。 自分は比較的最近になってから意識して坂本の音楽を聴くようになったのだが、非常に大きな問題を抱え込みながら(それは時に政治的なもであったりもするが)、個人の深い部分

人間の境界/アグニエシュカ・ホランド監督

アグニエシュカ・ホランド監督の「人間の境界」を見る。名匠と言われるホランド監督は1948年ポ…

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2か月前
4

バティモン5 望まれざる者/ラジ・リ監督

ラジ・リ監督の「バティモン5 望まれざる者」を見る。 2019年の「映画メモ」を読み返してみ…

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3か月前

青春/王兵監督

ワン・ビン(王兵)監督の『青春』を見る。映画の舞台となる浙江省湖州市織里(ジィリー)は、…

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3か月前
3

オッペンハイマー/クリストファー・ノーラン監督

クリストファー・ノーラン監督といえば、前作「TENET テネット」でもまさにそうなのだが、難解…

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3か月前
7

悪は存在しない/濱口竜介監督

濱口竜介監督の「悪は存在しない」を見る。 冬枯れの木々を見上げ、その枝の先に見える空をフ…

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4か月前
10

ノスタルジア/アンドレイ・タルコフスキー監督

以前「ソビエト時代のタルコフスキー」という特集上映で、アンドレイ・タルコフスキー監督の『…

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4か月前
5

ヴェルクマイスター・ハーモニー/タル・ベーラ監督

もう10年以上も前のことだが、タル・ベーラが最後の監督作と公言する「ニーチェの馬」(2011年製作)の衝撃が忘れられない。ハンガリーの寒村を舞台とした映画だが、場所性からも時間性からも逸脱した密度の濃いモノクロの長回し映像が、観者の時間軸に雪崩れ込んでくる…唯一無二の映画作品である。 今回の4K修復版「ヴェルクマイスター・ハーモニー」もまごうことなき傑作であった。「伝説」とも言われる、上映時間7時間18分の「サタンタンゴ」(1994年/自分は輸入版のDVDで見た)と比べれば