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hideonakane 映画日記

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中根秀夫の映画日記。美術家です。ふだんFBに書いているものをまとめ直して公開します。基本的に映画館でしか映画は見ません。
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記事一覧

至福のレストラン/三つ星トロワグロ/フレデリック・ワイズマン監督

巨匠フレデリック・ワイズマン監督(1930年生まれ)の「至福のレストラン/三つ星トロワグロ」…

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3日前
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夜の外側 イタリアを震撼させた55日間/マルコ・ベロッキオ監督

マルコ・ベロッキオ監督(1939年生まれ)の「夜の外側 イタリアを震撼させた55日間」を見る。 …

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10日前
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風が吹くとき/レイモンド・ブリッグズ原作

レイモンド・ブリッグズ(1934〜2022)は、「スノーマン」の作者と言えば分かりやすいだろうか…

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1か月前
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マリウポリの20日間/ミスティスラフ・チェルノフ監督

ミスティスラフ・チェルノフ監督の「マリウポリの20日間」を見る。 マリウポリは、ウクライナ…

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1か月前
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リッチランド/アイリーン・ルスティック監督

アイリーン・ルスティック監督の「リッチランド」を見る。ハンフォード・サイトに核燃料生産拠…

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1か月前
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壁は語る/カルロス・サウラ監督

先週の「情熱の王国」(2021年)に続き、カルロス・サウラ監督(1932〜2023年)の遺作となった…

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1か月前
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情熱の王国/カルロス・サウラ監督

スペインのカルロス・サウラ監督の「情熱の王国」を見る。今回初めてサウラ監督の作品に触れるのだが、1932年に生まれ、昨年2023年に91歳で亡くなっている。「ミツバチのささやき」のビクトル・エリセ監督(1940年生まれ)より一世代上になろうか。サウラ監督もまたフランコ政権に強く反発したひとりである。 メキシコのとある劇場で、演出家のマヌエル(マヌエル・ガルシア=ルルフォ)が、若者が演じるミュージカルの主演と共同演出とをサラ(アナ・デ・ラ・レゲラ)に求める場面から始まる。とも

アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家/ヴィム・ヴェンダース監督

ヴィム・ヴェンダース監督の「アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家」を見る。 自分は美術家…

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2か月前
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Ryuichi Sakamoto | Opus / 空音央監督

「Ryuichi Sakamoto | Opus」を見る。2年にわたる闘病生活を続けていた坂本龍一(1952〜2023年…

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2か月前
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人間の境界/アグニエシュカ・ホランド監督

アグニエシュカ・ホランド監督の「人間の境界」を見る。名匠と言われるホランド監督は1948年ポ…

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3か月前
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バティモン5 望まれざる者/ラジ・リ監督

ラジ・リ監督の「バティモン5 望まれざる者」を見る。 2019年の「映画メモ」を読み返してみ…

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3か月前

青春/王兵監督

ワン・ビン(王兵)監督の『青春』を見る。映画の舞台となる浙江省湖州市織里(ジィリー)は、…

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3か月前
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オッペンハイマー/クリストファー・ノーラン監督

クリストファー・ノーラン監督といえば、前作「TENET テネット」でもまさにそうなのだが、難解…

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4か月前
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悪は存在しない/濱口竜介監督

濱口竜介監督の「悪は存在しない」を見る。 冬枯れの木々を見上げ、その枝の先に見える空をフレームで切り取りながら、カメラは移動してゆく。長い長いカットで、どこまでもどこまでも、その空が続いているように見える。カメラが空を見上げる少女の横顔を捉える。ニット帽を被り青いダウンジャケットを着た少女はまた林の中を歩き始める。 * 薪を割り、水を汲む。自然豊かな町で暮らす口数の少ない男は、匠さん(大美賀均)と呼ばれている。男には花(西川玲)という名の娘がいる。学童保育の迎えの時間に