【リアルタイムで図解】「身につけた図解を使って、会議や打ち合わせのその場で作成したい」〜質問に答える 3
リアルタイムで図解を使えるようになりたい
社内の会議や、顧客との打ち合わせでのやりとりの内容を、その場で図解にして、ホワイトボードや手元のコピー用紙などに描きたい.。特に込み入ったやりとりや、焦点がぼやけてしまった会議の場でささっと図解し、意見を集約し、整理できれば、参加者からも感心され、評価もあがる。
図解をひととおり身につけると、そう考える人は少なくありません。
ところがいざ実際に図解しようとすると、なかなか思うようにいきません。資料に使う図解であればどういう表現したら良いのか考えたり、試しに作ってみて手を入れたりする時間がありますが、その場で作ろうとする場合は時間がなく、形を思いついても、本当にこの表現でいいのか自信が持てずに使うことなく終わってしまう。
このようにせっかく図解を身につけたのだから、打合せや会議などのやりとりの内容を、その場で図解したいが、資料作成のときのように考える時間がないという声を聞きます。
それに対する私の答えはこうです。
(なお、ここでは「グラフィックレコーディング」のように、その場で作成することを目的とした表現手法ではなく、資料に使われるような「図解」をその場で作る方法に関して説明します)。
不完全と思っても図解を使ってみる
手順をフロー図にするといった基本的なパターンならその場で作成できるかもしれませんが、少し複雑な内容になると、これで良いと満足する図解がすぐに思いつかないことの方が多いでしょう。その場でバラバラの材料から、満足いくような図解を完成させるのは簡単ではないと感じるかもしれません。
しかし、そこで諦めないでください。
その場の状況が許されるならば、70〜80パーセントできたと思ったら完成度に不安があっても使ってみましょう。
そのときには
「不十分かもしれないけれど、ためしにまとめてみます」
「違っているところや足りないところがあれば補足してください」
と付け加えるとよいでしょう。
参加者が智恵を出し合い、図解を完成させていく
そうして作った図解を見た人たちから
「この項目はこっちに移動させた方がよいですね」
「このあたりの材料が、もう少し欲しい」
「たしかにこう言ったけれど、こうしてみると順番を変えた方がいいね」
このような意見が出れば成功です。
図解にすることで、議論が集約したり、方向性が確認できれば、話を前に進ませることができ、充分に効果を上げたと言ってよいでしょう。
『その場で作る図解は完璧なものができなかったとしても、自分がたたき台を作って、その場の一緒に完成させていく』。
そう考えて使ってみればよいのです。
つまり、図解は分析のためのツールと一般的に考えられがちですが、その場で作って使う図解はコミュニケーションを促進するためのツールなのです。
経験を重ねることで、リアルタイムの図解は磨かれる
十分に自信がなくても図解してみる。こうした経験を繰り返すことは、自身にとって大きな意味があります。
ひとつの担当業務で関わる案件や話題は、毎回毎回、まったく異なる構造と関係を持つわけではなく、たいていは一定の数のパターンが繰り返し使われています。
だから、その場で思いつく図解を使ってみるということを積み重ねていけば、やがて「あ、個々の要素は違うけど、パターンは以前のあれと同じだ」と思いつくようになります。
そうなれば、その場で、より完成度の高い図解が作ることができるようになり、周りの人から「よく、すぐにその場で、これだけの表現ができるね」と感心されるようになります。
その日を夢見て、まずは図解を使うことができる機会があれば、思い切ってどんどん使ってみましょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?