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【ラノベ】a ラストティア

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【ラノベ】a ラストティア ~荒野の楽園編~ 第一章	満ちた世界と天変地異

【ラノベ】a ラストティア ~荒野の楽園編~ 第一章 満ちた世界と天変地異

ほんのり柔らかい暖かさを含んだ冷たい風が、薄く白い服がめくれ出たおなかに触れる。
―また同じ夢の続きを見ていた。
 自分が物語の主人公で、その物語は剣や魔法が使える世界で、たくさんの冒険者達がダンジョンや洞窟に踏み入れお宝探しをしながら生活をしている中で、魔王軍と戦う戦士なんかもいて・・・。その中でも自分が伝説の勇者として仲間と共に魔王を討ち滅ぼす。
 でもその物語はいっこうに完結する気配も見せず

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『aラストティア』~荒野の楽園編~ 第三章グオーレ王国 04俊足な盗賊

『aラストティア』~荒野の楽園編~ 第三章グオーレ王国 04俊足な盗賊

  第三章グオーレ王国 04俊足な盗賊

村を出発してから3日目の昼頃の時間。
昼食の時間も兼ねて休憩を取っていた優理とカレン。食事の時にはかならずイリィがロイヤリティのある白ベースに花柄のポットとティーカップセットを構えてカレンの横に姿勢良く立っている。
イリィのサイズ感だと人間にとって普通の大きさのポットとカップが半分くらいの大きさに感じられる。
カレンにとってティータイムは一人の時間らしく、

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『aラストティア』~荒野の楽園編~ 第三章グオーレ王国 03自然の監獄

『aラストティア』~荒野の楽園編~ 第三章グオーレ王国 03自然の監獄

03 自然の監獄

 グオーレ王国に向かう道中で優理とカレンはテントの親子のような貧しい人達に何度か出会い、その度に自然の恵みを自然の楽園から取ってきて配っていた。
久々のきちんとした食事が得られて笑顔になる者も居れば、感動して泣いてしまう者もいた。かと思えばあの男のように拒むまでは無いが、皮肉を口にする者や怒る者もいた。
やっていることは同じでも捉え方や捉える人によって全然違うのは仕方が無いこと

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『aラストティア』~荒野の楽園編~ 第二章セピア世界 09豊穣神の種と豊穣神の花

『aラストティア』~荒野の楽園編~ 第二章セピア世界 09豊穣神の種と豊穣神の花

第二章セピア世界 09豊穣神の種と豊穣神の花

 カレンと優理は自然の楽園を後にして、ヒロキチ村長の待つ村へと戻っていた。
 二人の姿を見るなり、村長は待ってましたといわんばかりに立ち上がり駆け寄る。
「いやはや、待ちくたびれましたよお二人さん。待ちすぎて皮膚がこんなになってしまいましたよ。」
 冗談めして言う村長だったが、彼が放つ言葉は全て嫌みに聞こえてくるのはなぜだろうか。
興奮して落ち着かな

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