内田百閒「阿房列車」シリーズの『雷九州阿房列車』を毎年梅雨時に必ず読む。何も用事はないけれど三たび熊本の八代を訪れる百閒。ちょうど昭和28年西日本水害を引き起こした豪雨をすり抜けるように阿蘇、別府、門司を旅していく。可笑しく読みながら、この週末も九州の被害が拡がらないことを願う。
「なんにも用事はないけれど、 汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う」 内田百閒「阿房列車」の出だし 年を重ねてこのところ こんな心境になった ただぼおーと、 ぼんやりと旅したい 阿房に近づいたか いや、百閒のユーモアが好きなのだ
おどろいた JR東海道線の駅名 昔、大阪駅というものはなく「梅田駅」 京都駅が「七條駅」 横浜駅が「平沼駅」 清水駅が「江尻駅」 もちろんJRではなくて 「国鉄」と呼ばれた時代のこと 昔というのも昭和30年当時から見た さらに「昔」の話だけれど 内田百閒『第三阿房列車』より
しかしながら物事がなんでも面白い必要もない。 内田百閒『第三阿房列車』 菅田庵の狐 松江阿房列車より これだから面白い! 百鬼園様 謹んで申し上げます ご本人が面白いと思うことと 他人さまが面白いと思うことは イコールではありませんよ ――らいとらいたあ