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墓暴き・盗掘

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  • キリプリヲアンソロジー「激怒編」

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    垂乳根の母特別編

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服飾に装いきった婿たちが並んで歩く

 二十代にサボっていたことの一つとしてファッションがある。サボっていた理由として、そんなに興味がなかったことや、服飾にかまけている金銭的余裕がなかったことが挙げられる。兎にも角にも、金がなかった。金が無いなら無いで工夫するという、帝国主義も真っ青になるほどの努力をするべきであったのだろうが、如何せん興味もないので露ほども何かをすることはなかった。  二十代の僕の装いは酷いもので、とりあへずバンドのTシャツ、主にローリング・ストーンズとソニック・ユースのTシャツを着ていれば万事

    • 儀間真常と踊るにわ

       頭の中では常に儀間真常が鎮座している。なぜ鎮座しているのか。それは他の人より少しばかり知っているにほかならない。例えば、あなたが今春のアニメについて知っているとして、何から観ようか何々は面白そうだと思うことがあるだろう。それと同じように、僕の頭の中では儀間真常がずんと鎮座している。  つか、儀間真常ってなんすかと思うかもしれない。それに関しては大いなる同意をぶつけなければならないと思う。なぜか。儀間真常はかなりマイナーな人物であるからだ。  あなたは「歴史上、偉大な人物は誰

      • 街路樹を殴る中学生 in tha 夕暮れ

         影響を受けやすい質をしており、良いなと思うものがあればすぐさまに同化願望が湧き上がり、その境地に至ろうと真似をする。だが、体外は失敗や碌でもない物に変貌し中途半端に終わる。生活は此れの繰り返しである。  話は変わるが、中学の思い出といえば骨折に限る。これは部活動や勉学、課外活動などに粉骨砕身取り組んだという意の骨折りではなく、身体的に骨折したのだ。それも街路樹を殴って。実に若くて蒼い初期衝動的な行動だと思う。  野暮とわかっていながら付言するが、公共物を破壊するというのは立

        • 頭の中で踊るH.O.K.K.E.

           頭の中では常にH.O.K.K.E.が泳いでいる。無惨にも腹を割かれ水分を抜き取られた乾物の姿でも、元気に海原を駆け巡っていたであろう生身の姿でも、どちらの姿でも泳いでいるし、代る代る泳いでいる場合もある。本日は乾物のH.O.K.K.E.が縦横無尽に泳いでいた。  酒を飲みに店に入った際、品書きにあるH.O.K.K.E.の文字を目にすると心が踊る。すかさず頼んでは塩味豊富で肉厚な身を頬張り酒を流し込む。これだけで脳内はHAPPYに満ち溢れ、小躍りすることができる。踊りで揺らし

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          ソーシャルゲームはエロいイラストを見ることが出来ないと続けることはできない

           あれだけ好きだったソーシャルゲームに一時も向かい合わない時間が増えてしまつた。ローンチしてから3年以上、片時も離さずに続けていたはずなのに今や起動すらしなくなったし、誤って起動したら無慈悲無感情にスワイプを行い停止させる。そして二秒後には起動したことすら忘れ、ソーシャルゲームの存在を記憶の彼方へと飛ばす。これの繰り返しだ。  なぜこんなことになってしまつたのか。単純に飽きがやってきたのだろうと断定することは簡単なのだが、そう単純なものでも無いと思う。ソーシャルゲームを辞めた

          ソーシャルゲームはエロいイラストを見ることが出来ないと続けることはできない

          時間と進化とプレーンサワー、春巻き添え

           書いていた文章が消えた。機器の不調だった。  懇切丁寧に思い入れを真摯に込め書き上げた、というわけではない。なので消えようが消えまいがあまり気にする必要はないのだが、やはりあの二時間の労力が水泡に帰した事実は受け入れがたい。返してくれ僕の二時間を。  と書いたところで、結局は時間なのだなと思った。時間という概念に縛られて生きている。文章が消えて無くなった喪失感よりも、時間が無駄になってしまったという喪失感のほうが大きい。その感覚が右の文章となって表れている。自分が考えたもの

          時間と進化とプレーンサワー、春巻き添え

          汚泥重ねた路で藁を齧って

           期待が頭の中を駆け巡っている。其れもそのはずで、今歩いている路の先が見えてしまっている状態なのだから、なにか変化がほしい選択が欲しいと常に考え望んでいる時に期待は頭を揉みくちゃにする。  もう路の先が見えていしまっている。少し前までは路というのはなにか曲がった感じとか、二手・三叉に別れた感じとか、色々な様相を見繕っていた。先が見えたと思っていたら、靄や霧がかかって先の路が不明瞭になり行き先を閉ざすなんて言うのは日常茶飯事であった。そこを歩くのはものすごく辛いものであった。行

          汚泥重ねた路で藁を齧って

          『「トランプ信者」潜入一年: 私の目の前で民主主義が死んだ』を読んだ

           まさかドナルド・トランプについて今年一番関心を寄せるとは思いもしなかった。それほどに、この『「トランプ信者」潜入一年: 私の目の前で民主主義が死んだ』(著:横田増生)がとてつもなく面白い本だった。  ドナルド・トランプについて考えた際どういうイメージが頭の中を駆け巡るか。「顔を真っ赤にして怒っている老人」「嘘の情報を撒き散らしアメリカを分断に導いたデマゴーグ」「強さを取り戻すと息巻いておきながら自身に危険が及ぶと真っ先に逃げ出す卑怯者」など、数々のマイナスなイメージが思い浮

          『「トランプ信者」潜入一年: 私の目の前で民主主義が死んだ』を読んだ

          豚トロに共感しないでよね。

           あまり共感されないのだが、酔って虚空を見つめた瞬間に幻覚を見ることがある。それは酒の飲み過ぎではないかと問われることがあるのだが、思い出して欲しい。あなたは酒を飲みすぎて幻覚を見ることがあったのかと。無いのであれば、あなたは酒の飲み過ぎについて言及する資格はないということだ。  最近、豚トロが食べたいなと思った。豚トロが食べたいと思うタイミングってなんですか、本当に存在しますか、嘘ばっかりついていませんか、あなたは手首を切るなどの自傷行為に耽って自己を愛するふりをしてやいま

          豚トロに共感しないでよね。

          読んだ本を整理する 3月編

           3月編とか書いてすぐに飽いて嫌になり辞めると思うのだが、読んだ本の内容をじわじわと忘れつつある。それがなんとなく嫌な気持ちになってきたので、備忘録がてら感嘆な感想とともに整理しようかと思う。 ① 『ウィトゲンシュタインの愛人』(著:デイヴィッド・マークソン)  よくわからない内容だった。終末世界でひとり生き残った女が、芸術家・作家・思想家のトリビアを入り混ぜつつ、自身の日常や過去のことを手繰り寄せ書き連ねていくというもの。取り留めもない・身も蓋もない文章の羅列が連連と続

          読んだ本を整理する 3月編

          文章は反射神経で出来ている

           文章は反射神経で書いているとはよく言ったもので、実際、机に座るまでは何について書こうとか全く考えない。今だって”反射神経”という単語を目にしただけでこの文章を書き始めたのだから、文章は反射神経と自己主張しても差し支えはないだろう。  しかし、本当にそれは合っているのだろうかと疑問に思う。書き始めると此れも書こう在れも書こうと思いつき拵えているのだが、其れには文法とか語彙とか前後のつながりだとかの方法を駆使したうえで文章として思いついているのではなく、何となくとした抽象的なも

          文章は反射神経で出来ている

          喧伝すべきは自身の潔白

           免許更新だった。長い事、無事故・無違反でいることができた為、判定は優良。ゴールド免許が交付された。  優良。これは読んで字の如く『優れていて良すぎる』ということ。つまり、僕は組織から、公安委員会から、果ては警察庁から『優れていて良すぎる人物である』と認められたのだ。  喧伝しようと思った。喧しく伝達しようと思った。自身の優れている部分を誇示し、誰これ構わずに優位性を取りたがるのは人間の性。僕もそれに逆らうことはせず欲望に身を任せて優位性を取りまくろう。具体的には、飲酒の席な

          喧伝すべきは自身の潔白

          鮎と一筋の赤い線

           川を渡ろうかと思っていた。対岸を眺めやるとなんかいい感じの景色が見えるはずと信じているからだ。  渡るためには川がどういう状態なのかを知らなければならない。色鮮やかな婚姻色を纏ったオイカワがヒラヒラと泳いでいるような小川なのか、それとも灰色を纏りどっしりと水中を泳ぐノゴイがいるような滑らかな止水域なのか。なんにせよ、穏やかな様子であると渡りやすい気がするのでそちらのほうがいい。  苔がこびりついた岩で手や足を滑らせないよう気を使いながら、えいやこらやと掛け声を漏らしよじ登っ

          鮎と一筋の赤い線

          自由自在な熟語、一球入魂

           一球入魂という言葉がある。  その言葉を初めて見かけたのは学生時代だった。教科全日程の終わりを知らせる鐘、放課後に沸き立つ学生たち、それを尻目に部活室へ向かう僕。なんとなく楽しいと思っていた運動にのめり込み時間が過ぎ気がつけば空は段々と朱を帯びてゆく。その朱を背景とし他の部活動が掲げている横断幕にはこう書いてあった。一球入魂と。  それが一球入魂という熟語に出会った初めての記憶であった。  して、この熟語だが、賢明なことに意味が存在する。大体の意は「一つの球に魂を入れて解き

          自由自在な熟語、一球入魂

          酔の大敵、現実的解決策

           中途半端な酔は人生において大敵である。酒の酔には段階というものが設定されており、とある社団法人の資料によると、初期が爽快期、次にほろ酔い期、そして酩酊期と続き、そのまま泥酔期に突入する。最終的には昏倒期に至り荼毘に付す、という酔の九相図といった段階が表記されている。  僕は酒を飲む時、大体は酩酊と泥酔を行ったり来たりする。此れにはきちんと理由が存在しており、酒という謂わば現実から逃げるための手段をわざわざ抑える必要なんかないと考えているからだ。現実が辛い辛いと言い逃避に走ろ

          酔の大敵、現実的解決策

          入社式Romance

           労働に対して誠実なふりをしながら不誠実でい続けた人間であるが故に入社式には縁遠い生活を送ってきた。  大学卒業間近、僕は猛烈に焦っていた。なぜか。苛烈な就職活動の結果、なにも実を結ぶこともなかったからだ。出版社に入りたい書籍を作りたいという気持ちはどこの会社の琴線に触れること無く敢え無く撃沈。結局、しょうむない地元の編集者に席を置けることになった。入社したら、先輩社員は少なく、唯一いた先輩社員はあと一週間で辞めるという最悪な状況であった。  そんな最悪な環境でも定期的に金を

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