どうせなら20歳の頃に戻りたい。本来ならば希望の門出になるべきだった。オリンピックを観戦しに行き、海外デビューをしたかった。自分がイケている者として多くの人と接したかった。しかし、外からの圧力で粉々にされた。その後の就職の失敗にも悪い意味でつながった。一生一度のタイミングはある。
高校のオーケストラ部の皆とまた音楽が弾きたい。 あのコンサート前の緊張感。弾き終わった後の達成感。会場の独特な匂いと乾いた感じ。冷たいけど止まらない手汗。友達と騒いでリハをしたり。指揮者に怒られながら一音一音を綺麗に修正したり。今となっては戻ってこない幸せの時間だった。