12/13-2 りょうもすでに16歳になっている。自分も15歳の頃から一人でやって来た。りょうにやれないはずがない。自分がそばにいると、りょうは甘えて、さまざまな問題の後始末を自分に押し付けてくる。もう堪忍してほしい――。それが妹の偽らざる思いだったようだ。
10/19-1 「警察は困る。仕事にも影響するし。それだけは堪忍してくれ」 「じゃあ、サインと判を押してくれれば警察には行かない」 男はしばらく逡巡したが、「せめて、居所だけでも教えてくれないか」と懇願してきた。 妹は首を振り、男の申し出を突っぱねた。