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詩を書くことが好きで読んでいただけたら光栄です。詩が好きです。群馬に住んでいます。司馬…

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詩を書くことが好きで読んでいただけたら光栄です。詩が好きです。群馬に住んでいます。司馬遼太郎や村上春樹をよく読みます。子供がいないので、子育てをされている方を尊敬し、かつあこがれています。小説や詩、随筆を書かれる方も尊敬しています。

最近の記事

いくらあっても

望みはいくらあっても 重くはならないが 重くもならないのに われわれはその望みの 幾つかをどこかに置いて 忘れてしまう たとえ価値あるものでもだ 一瞬、思っているだけで 叶ってしまう ささやかな望みだってあるし 一生 後生大事に持っていても ついぞ手の届かない 叶わない望みだってある

    • 水滴(歌詞)

      悲しいのは涙の流れる音 でも本当に悲しいのは その声がかみさまに届かないこと 窓につく流れる水滴を見ていた 絶望した時は一時停止したと思え 再生ボタンを押せばまた 元に戻る 再生ボタンを押しても まだ絶望ならば寝込めばいい 希望はきっとくる 希望はきっとくる それでも来ないと思うのなら もしかしたらリモコンが壊れているだけかもよ うれしいのは笑いがこぼれる音 でも本当にうれしいのは 希望と笑いが世界に伝わること 窓を開け放ち見ればいい 絶望した時はシャッターを 押し

      • 形のまま

        悲しみを掌で握りしめると その形のまま残る 怒りもだ 怒りも掌で握りしめ続けると その形が残り続ける 握りしめているのは 感情という粘土だ だがその粘土で 歓喜や祝福を注ぐための 手のひらの形をした器も出来るのだ

        • まるで鏡

          われは われに似た人間を愛さない 何故なら それはまるで鏡のようであるからだ 他者ならば多く語り合う こともあるだろう だが自分 特に鏡に写り込んだ自分と 話すことは苦痛である 同じことばを 同時に話し 唾を飛ばし嘲笑い 最後には互いに鏡を叩き割るからだ

        いくらあっても

          いいことあったね

          春は花があふれ 住む場所に われもわれもと 着飾ざり 化粧する きっと花たちは 住んでいた天国から溢れて 来たのだろう 毎年毎年 笑いとしあわせに満ちた 天国をみんなにお裾分けしようと 地上に繰り出して来たに 違いない いいことあるよと がまんすれば いいことあったねと

          いいことあったね

          誇りと帽子

          誇りとは よれよれの帽子のことである それを被ることが自分にとって 誇りでも 他者は用意にその帽子を嘲笑い 時に踏みにじる 誇りとは それに怒るのではなく またその帽子を拾い 人が居なくなったのを見計らい 再び被ることである いくらよれよれでも 自らの誇りの置き場を きちんと忘れないことでもある

          誇りと帽子

          置き場に

          もう会えないという 事実こそが 彼らを こころの奥底の 愛の置き場に仲間入りさせる

          置き場に

          導く

          こころは それを疑うことでも ひとを正しい道に導く 最初からこころが 自らを命じることなんて まれだから

          数えられる

          愛から贈られた ものの 数の多さを 指で 数えることが できないところに われの落ち度がある その幾つかの落ち度だけは数えられるのに

          数えられる

          方向を

          同じ方向を見るという大切さ しかし 同じ方向を見るという困難さ ある者は喜びに目を向け ある者は悲しみに目を向ける ひとの視点の数だけ 方向は数多ある こうしてただ佇むだけですら 現在に目を向けている者もいるし 過去を見つめている者もいる そして未来に目を向けている者すらいる またひとの数ではなく それを見つめるのが たった独りの場合もあるのだ

          方向を

          シモーヌと老婆

          ああ、時は一羽一羽 ここから飛び去る 何羽の鳥が去って行ったことか 美しい鳥を飼っていたんだな わたし お前さん お前さんの元には まだ沢山鳥がおりますよ ただお前さんが 頭上に眼を向けないだけのことだけでさぁ

          シモーヌと老婆

          たんぽぽも

          幸福は たんぽぽの綿毛のように飛んでいく ひとに分けてあげることができる 相手が土であれば しあわせは花もつけるだろう だが硬いアスファルトであったならば 幸福は死んでしまう しかし それでもアスファルトの切れ目に咲く たんぽぽもあるのである

          たんぽぽも

          少年と道化師

          ねぇ人と人が 寄り添って 重なり合って生きることは出来る? こんな争いの絶えない世の中で 色々な人々が 出来るとも かみさまは 虹を作るのに わざわざ色を重ねた 色々な色をね それでも虹はちゃんと この世界にかかっているじゃないか 人間だって出来るよきっと

          少年と道化師

          失敗は

          失敗って奴だけが 本当のわたしを知っている だから やたら失敗を邪険にできないんだよ 泣き顔も悔しがる顔も 絶望する顔も またそこから立ち直り 笑いだす顔も 全部知ってるんだよ 失敗は

          失敗は

          この足の

          この足の短さよ ひとを追い抜けぬではないか この足の短さよ 老いに追い付かれるではないか この足の短さよ いつしか走ることをやめ 歩いていることを すっかり 親しくなった老いと共に

          この足の

          輝く

          後悔とは 日常の宝石だ 失われてから輝く