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詩を書くことが好きで読んでいただけたら光栄です。詩が好きです。群馬に住んでいます。司馬…

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詩を書くことが好きで読んでいただけたら光栄です。詩が好きです。群馬に住んでいます。司馬遼太郎や村上春樹をよく読みます。子供がいないので、子育てをされている方を尊敬し、かつあこがれています。小説や詩、随筆を書かれる方も尊敬しています。

最近の記事

利き手

わたしは愛して欲しいと 言われました それはペンを渡されるように 何か書いてくれと 愛の言葉を しかしわたしはミミズが のたくったような字しか書けませんでした 緊張していたのです そして 愛など期待していなかったのです 彼女がわたしに渡したペンは わたしの利き手じゃない方に渡されたのです それが愛という存在そのものなのです

    • 枝先の蕾に

      わたしは目的があるのに 彷徨ってしまう それは目的のある人間のすることではない でも確固たる目的でもないから 彷徨ってしまうのかもしれません ある人にはわたしの歩みは 日課の散歩に見えます 陽の当たる場所を歩む しかし ただ打ちのめされ 彷徨しているだけの日もあります 同じ春の日にです そんな日は 枝先の蕾にすら気づきません 蕾が花に変わっていく音を聴こえたのならいいのに…

      • 何と愚かな

        もうこれ以上書けない それぐらい追い込まれている だが週末はやって来る 何が何でも書かねばならぬ カラカラに乾いた雑巾に 水を浸すように 誰かの言葉や世界に身をあずける すると卑怯かもしれないが 雑巾は潤いを再び持ち わたしは また長い廊下を拭くことができる だが本当に自分のしていることが 価値があるのかは わからない 掃除なんてしなくて良いほどの旧い家だ 書くということは いつ消えてしまうかもしれない命を 水気に使い ひたすら廊下を拭くことだ そしてそれは 主

        • 偽物の愛すらも

          わたしは 愛を受け入れてくれる ひとを探していたはずなのですが 必要としているのは 本当に必要としているのは わたしの泣き言を 受け入れてくれる人なのです でも誰も泣き言なんて 聞きたくはありません だから わたしは愛を手に入れられないのです 永遠に 偽物の愛ですらも…

        利き手

          ないから

          詩人は 恋を愛だといい 愛を恋だという だが本質的に その言葉を贈られる 女の心を何一つ理解していないのだ 詩のことしか頭にないから

          ないから

          舐める

          本に書かれた 「希望」という字を 舐めてみた 希望の味がするかどうか だがその希望の字には 毒が混じっていた わたしを殺さないほどの わずかな甘い毒が また舐めるように また舐めるように そうやって希望という字は 汚く霞んで行くのだ

          舐める

          字は誰でも間違う その間違いは読めば分かる 直してもらうこともできる だがわたしの生き方の間違いは 読んでもわからない どこにも読者がいない場合もあるからだ 特に独りでいるつもりだと その時 誰からも間違いを指摘されないまま人生は 粛々と進んで行くのだ

          ずぶ濡れ

          誰かの希望の火に 冷や水をぶっかけて 消して歩く人間がいるとして 一番濡れているのは 希望の火が一瞬消えた者ではなく 常に冷や水を携えて歩く 者こそが 常にずぶ濡れなのである

          ずぶ濡れ

          禁制

          この世で決して 触れてはならぬもの 三つ かみ 女性 そしてその事情

          毎日

          幸福も不幸も 毎日訪れるはず どちらを愛することをできても わたしは 毎日を 愛することはできない

          賢者

          賢者とは人よりも 地獄のことをよく知っている者が なるべきである だが 地獄のすみずみまで知っている者は ただの悪人だ

          あらゆる

          あらゆる者を敵にするとき あらゆる悪魔が姿を表し あらゆる者に感謝をする時 あらゆる神が姿を表す 今まで神と名乗ったことのない者までもが 祝福に駆けつける

          あらゆる

          明々と

          苦悩を振り返ることは 許されない 時がある 恐らくこの先も苦悩は続くからだ 飽き飽きした苦悩 だが老いの訪れに気づくとき あの明々とした 初恋を振り返ることだけは許される

          明々と

          寂しいもん入れ

          寂しいもん入れの 仲間らの語らいのように ポケットに寂しいもん 詰め込む 乾電池、飴、ミトン、落花生 みんな詰め込んだら 街を徘徊しよう これだけ孤独も詰まったら 十分なはずだ これからドンキ、デニーズコース行くべ 訛りを失くすことを条件に都会に集まった 我らが寂しいもの探しのついで 街灯があんなに連なるなんて 田舎ではねぇな 天国街一番町 みな偽学生だから明日のことは気にしない 学食にいって定価五百円の カツカレーを喰うだけさね ああねー 誰かこの乾電池にはま

          寂しいもん入れ

          青春は

          青春は確かに燃え尽きた しかし わたしは燃え尽きたのに まだ生きている 本来ならば青春が終わったと同時に いのちを負えなければならないのに それなのに それなのに 青春は終わっても 残りかすとなっても 人生は意味を持ち続けるし 火を放ち続ける 今のこのいのちは 何の為に輝いているのだろう?

          うまく回って

          人生がメリーゴーランドのように うまく回っているのならば そこから振り落とされた者の 痛みにだって気づくはず うまく回っていない時に限って 振り落とされた者の 痛みも その存在すらも気づく余裕はない

          うまく回って