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詩を書くことが好きで読んでいただけたら光栄です。詩が好きです。群馬に住んでいます。司馬…

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詩を書くことが好きで読んでいただけたら光栄です。詩が好きです。群馬に住んでいます。司馬遼太郎や村上春樹をよく読みます。子供がいないので、子育てをされている方を尊敬し、かつあこがれています。小説や詩、随筆を書かれる方も尊敬しています。

最近の記事

欠点を置き去りにして 歩いて行きたくない 何故ならその欠点は 脱げたわたしの片方の 靴だから 靴無しで 人生は歩けない

    • 生きにくさ

      わたしの生きにくさって いったいなんだろう 何をしても何処にいても 誰といても 生きにくい それを象徴するかのような出来事がある ある会議室で数十人と集い 座っていると 一匹の蝿が わたしに たかる そっと手で追い払っても また肩にとまり 肩を払っても身体にとまる これだけの人がいるというのに… これはつまりわたしが不潔だということに違いない 汚ならしいにおいを蝿はちゃんと嗅ぎとって わたしに狙いを定めてやって来ているのだ その時の絶望ときたら 払っても 払っ

      • 次の日の

        燃えるような言葉を吐いた 次の日のわたしを見て欲しい 燃え尽きて灰になっているなら メッセージはちゃんと あなたに伝わったということだ そしてまだ言葉が くすぶっているようだったら それはあなたに恋をしているという証拠だ

        • あの海で

          何かの策略のように あの女と海に出た リングを外したまま 出会い頭に見た海の青さで 車はエンストした 待って! イグニッションをまわすおれを女はとめて ドアを開けた 海の訴えに耳を貸すつもりだ きっと まるで透明な呪術師がいるかのように 繰り返される言葉 ざぼんちゃぷちゃぷ 餃子定食ウーロンハイ付き めっちゃ魅了された女と俺は なす術もなく 浜を歩いた 漁師独りもいない ごらんなさいあの青さを 振り返ると車は両手を広げて 飛び立つようだ ああリング 持ってくればよ

          畳み掛けて

          畳重ねるように やって来る 失望 その失望を広げては子細に 眺める どう使えるか たまにベランダに干し 寒い夜など 失望の布団にくるまって寝る夜もあるし 使い物にならない失望は 外にいる猫のために 敷布にしてやる だから 明日また失望が畳み掛けるようにして やって来たとしても 大丈夫

          畳み掛けて

          告白

          わたしはかみに言う ひとを愛したことはないと かみは言う すると 君は 人生の 朝も昼も夕方も夜も知らないということだな と わたしはひとを こころから愛していたことがあったと 泣きながら告白した

          水の底

          すべての物事は沈んでいる そして見えない 淀んだ水の底にある 美しい感情も 泥水に手を突っ込まないと 手に出来ない だから自分でも醜いと思う真似をした後で その醜くさの中から 何か美しい物が手に入ってないか まさぐり、 手のひらを何度も確認するのだ

          水の底

          裏道

          自分の立ち振舞いに気をつけるように 自分の立場にも気を使う わたしはこの世界の大通りではなく 裏道だ 病や貧困がひしめく だが狭くとも汚くとも 大通りに出ることができる 身なりを気にさえしなければ…

          育つ

          自分の傷は 自分で舐めて初めてその味を知り 自分の弱点はひとに笑われて初めて 育つ

          いつも

          わたしの プライドには いつも 驕りと虚栄心という 二匹の蝿が付きまとって たかっている

          いつも

          夢に生きる者共の

          窓の鍵をしめてから 蛾の存在に気づいた パタパタと鏡のような 夜の窓ガラスにぶつかるかと思うと 今度は電灯に向かって飛んだ 殺虫剤でころすまでもない そう思い電灯を消して 布団にもぐった ずっと独りだった部屋 今夜は蛾の貴婦人がいる わたしの呼吸を聞いているのか 蛾はどこかにとまっているのか 音もしない ずっと独りでいた部屋にある 異物感 何かがいるという どうか真夜中に騒いで 起こさないでくれと願いながら 夢の中に落ちていく 落ちていく 誰も蛾の死は望んで

          夢に生きる者共の

          ガラス玉の代弁

          国民広場の中央で ガラス玉の代弁をする 何処までも真っ青な空映しやがって 金魚売りも汗っかきで 灰色の広場を囲む大理石に 頬を当てたまま 歩き回る浪人と えいとしょえいとしょ 転がるに任せたガラス玉は 噴水に浮かべると 金魚売りは 金魚を噴水のある池に一斉に放つ おーとよおーとよ ガラス玉は輝き金魚の群れのなか 真っ赤、あと黒々した 魚群の中で 光りまわる 誰かが万歳と声をあげた 金魚売りとおれは 風が吹くのを待って 夏が終わんねぇーなと愚痴り そこでずっと バ

          ガラス玉の代弁

          台座

          皆で分かち合う 幸福もいい だが わたしは孤独な状態という 台座に置かれた 幸福をとても大切にしている あれだけ忌み嫌った孤独が しあわせを置く役割を演じているから 孤独に支えられなければ しあわせなんて陳腐なものだ

          名前をつけるから

          美しいものには 名前をつけてはいけない 希望だって名前をつけるから陳腐になる 花だって星だって もしかしたら 絶望だって 名前をつけられる前は とても美しい感情だったかもしれないのに…

          名前をつけるから

          どうかしてるんです

          あの時は不安だったのです せっかく出会った宝箱のような 出会いですらも 鍵を借りて 中を開いたら そこにも不安の塊が びっしり入っているようで わたしは再び箱を閉じたのです ある人はいいました あの輝きを不安ととらえるなんて どうかしてる と そうです そうなんです どうかしてるんです わたし… 宝箱は失われました それでも安心してるんです どうかしてるんです わたし…

          どうかしてるんです

          誰かを

          詩は誰かを目覚めさせる 仕事 毎朝毎朝 新しい気づきに そして詩は誰かを眠らせる仕事 毎晩毎晩 慰めのハンカチと共に だからわたしはいつも眠れないし 休む暇もない 誰かに慰めを求める間もないし またそんなつもりもない

          誰かを