「僕は、とんでもないものを託されたようです」 「どうしたの?」 困り顔のアッシュを、心配そうにマリカが見る。 「僕の中で色々な機能がアンロックされて…」 ムウの遺産は、扱いを間違えば世界を滅ぼす。愛が、解除の鍵? 「とりあえず、観測ドローン起動。ピサロ軍の動きを探って」
ベスビオ山に行くのは初めて。ポータルは使えない。 「アッシュは力を温存なさい。あたしが全力で送り届ける」 全速で魔法の箒を飛ばすマリカ。しっかり掴まるアッシュ。 「たぶん、マリカさんの力も必要です」 「シバルタ1回分くらいは残しとくわ」 空を駆ける二人。間に合うか?
【告知】 #おてんば商人の大後悔時代 、もし楽しみにしていらっしゃる方がいましたらありがとうございます。 #ドラクエ3 HD-2D版の発売日も発表されましたし、11/14までに頑張ってお話を完結させることを目指します。 遊び始めたら、執筆が止まるので(笑)
「あら?」 十分に寝た後、マリカは夢渡りでエルフの里へ合流しようとするも。 気が付くと、ムウ大陸の夢見の塔にいた。ここの主とは、顔馴染み。 「マリカよ。お主にこの鍵を渡す時が来た」 老人が差し出したのは、虹色に輝く鍵。 「扉の先、西の大陸でアッシュと仲間が待っておるぞ」
「シバルタ!」 マリカがとっさに呪文を唱えると、ツタが伸びて敵を縛る。 さらに、石畳を突き破っていばらの壁が魔物を遮る。 「大丈夫かい、逃げるよ」 おばばは、茫然自失のシャルロッテを助け起こす。 「娘を頼みます」 幻なのに、彼女の両親は後を託して魔物に向かっていった。
フリウリ村の夜が明ける。夢の時間も、まもなく終わり。 「旅立つのかい?」 「うん」 母娘の会話を、見守るシャルロッテ。 「また、現実で会いましょう」 しばしの別れを告げるアッシュ。 彼の旅立ちを妨げていた呪いは、なりを潜めた。 皆が寝不足になったのは、言うまでもない。
「マリカしゃんは、アッシュ姫に尽くすと誓った騎士でち」 「茶化さないの!」 悪ノリするシャルロッテ。はにかむマリカ。 すると、自称ドンキホーテが意気揚々と。 「ならば若人よ、もっと先へ。プルス・ウルトラじゃ!」 「イスパニアの国是だそうです」 世はまさに、大航海時代。
甲板から聞こえる、下卑た声。 「俺達は、女王陛下にお許しを頂いた私掠船よ。大人しく積荷をよこしな」 このままでは、密航がバレる。 「シャルロッテ」 「なんでちか?」 「あたしはマリカ。一緒にオバケになって、悪い奴らをとっちめてみない?」
彼女の話によれば。 この村の住人は、寝ている間に魂が身体から抜け出し、遠くの土地で豊作を守る戦いに加わるらしい。 「僕はアッシュ。勇者オレガノの息子として、旅立ちを期待されてたけど」 「あたしが助けを呼んでくるから。悪夢に負けないで」 つないだ手の温もりを、僕は忘れない。
休みなにする?とりあえずマリカしよ!あとお香たくわ!