【SS】夏の少女

ひとり、炎天下を歩いていた。

地上には夏がのさばっていた。
熱気のために風景は歪んで見えた。

木々は枝を垂れ、葉は焦げ臭かった。

猫が倒れていた。死んでいた。
犬が倒れていた。死んでいた。

人が倒れていた。やはり死んでいた。

まだ生きているだけ幸運なのだろうか。
それを喜ぶ気持ちにはなれないけれど・・・・

正気を失っていたのかもしれない。
あるいは蜃気楼だったのだろうか。

向こうから

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ThanQ 💛
21

【SS】誰も止めない

犬が歩いていたので蹴飛ばしてやった。
けが人がいたので傷口をひろげてやった。

いい女がいたので辱めてやった。
いやな男がいたので痛めつけてやった。

平等だったので差別してやった。
平和だったので戦争を始めてやった。

どんなことでもできるのだった。
やりたいようにやれるのだった。

でも、さすがに不安になってきた。
なぜ、誰も止めようとしないのだろう。

やがて、天使が現われた。
誘惑して堕落

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Crick or Treat 💛
22

【南丹市 美山】 茅葺屋根の縁側で ...

森と歴史が織りなす里山文化の薫る『南丹』

おおきに、MAKOTOどすー!

お誘いいただいて 美山へ プチTabi させてもらいました。

暦の上では “秋” ではありましたが残暑厳しくも
南丹探求チーム(笑)の  お誘いとあらば 喜んで便乗。

目次
1. 重要文化財 お訪ね
2. 茅葺の里 ふらり
3. 甘いもん
4. おまとめ

1.重要文化財 お訪ね

重要文化財の石田家住宅は 日本最古

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ありがとうございます!
17

【SS】交換屋

楽な商売は少ないだろうが、交換屋も楽じゃない。
交換できそうもないものを交換するのが仕事だ。

今日もまた、どんどん難しい注文が入ってくる。

「古女房を新しいのと換えてくれ」
「カモシカのような脚にしたいのだけれど」
「家の方角が悪いから、直してよ」

こんな注文は、まだいい方だ。
といあえず不可能ではないのだから。

とにかく非常識な注文が多すぎる。

「やばくて、指紋を取り換えないと。あっ、

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あんたもスキね 💛
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【童話】笛吹きの森

ある山の麓に森があって 

滅多にないことだが 
お山の方角から風が吹くと 
美しい笛の音が聞こえる。

それゆえ村の者は、その森を 
「笛吹きの森」と呼ぶ。

笛の音が聞こえたからといって 
べつになにか恐ろしいことや 
めでたいことが起こるわけでもないが 

そのままなにもしないというのも 
なんとなく申し訳ないような気がして 
村の者は、皆きょろきょろして 

棒を見つければ 
それで石ころ

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Have a nice one 💛
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【南丹市園部】『ギャラリー&カフェ “道の途中”』

森と歴史が織りなす里山文化の薫る『南丹』

おおきに、MAKOTOどすー!南丹ウロウロ。

稲が色づく 農道を抜けて 車のエンジンを止める。
何食べよかな〜? と、車を降りるなり すぐ 食いしん坊 登場。

初めてこの地に来たのは 某TVのレポーターとして。お仕事で来たカフェへ、こんなにも足を運ぶことになるとは!「縁は異なもの」とは よう言うたもんどす。

目次
1. ふわっと
2.お店のこと
3

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次回作もお楽しみに!
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【SS】僕の彼女

僕が彼女と一緒に帰宅すると
家にはすでに彼女がいた。

家にいる彼女を見つめる。
どう考えても僕の彼女だ。

すぐ横にいる彼女を見つめる。
まぎれもなく僕の彼女だ。

「この女は誰?」
やはり彼女は問い詰める。

嘘をついてもしかたない。
「僕の彼女だよ」

「この女は誰?」
やはり彼女も問い詰める。

嘘をついてもしかたない。
「僕の彼女だよ」

彼女と彼女が見つめ合う。
とりあえず僕は家に入る

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ThanQ 💛
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【SS】糸電話

「もしもし、きこえますか?」
「もしもし、きこえますよ」

幼い兄弟が糸電話で遊んでいる。

「いま、なにしてますか?」
「でんわでおしゃべりしてます」

「それはえらいですね」
「どういたしまして」

たわいない会話である。

「そちらはどこにいますか?」
「こちらはここにいます」

「こちらもここにいますよ」
「それはえらいですね」

「奥さん。旦那には内緒だぜ」

「なんですか、これは?」

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ありがと 💛
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【SS】門番

それはそれは立派な門であった。

絵にも描けないほど立派だった。
つい入ってみたくなるのだった。

「いらっしゃいませ」
高過ぎず低過ぎず、じつに感じの良い声だった。

「お待ちしておりました」

おそらく門番とでも呼ぶのだろう。
その男に家まで案内された。

意外に狭い庭である。
家も小さかった。

玄関を抜け、居間らしき部屋に入る。
そこで主人と対面した。

「つい入ってしまいました」
「そう

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あんたもスキね 💛
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【SS】ミミムシ

子どもというのはおかしなことを言う。
「あっ、ミミムシ! ミミムシ見つけた!」

娘に抱きつかれ、耳を引っ張られた。

休日の昼下がり、居間で読書中のことだった。
せっかく物語に夢中になっていたのに。

鋭い痛みが両耳の付け根に走った。

「ほら。とっても大きなミミムシ」
幼い手のひらに耳が載っていた。

なるほど。耳の虫か。
なかなか面白い発想だ。

言われてみれば、虫のように見えなくもない。

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Good job 💛
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