「人魚でも喰いにいかねえか」
わたしが洋モクを燻らせていると、悪友の板東がにやけ面で宣った。
唐模様の裏地を使った着流しを粋に着こなすこいつは、兎に角食にうるさいもので、わたしはしょっちゅう相伴にあずかるものであった。
先週は「虎でも喰いにいかねえか」と誘われ、羽柴秀吉よろしく胆の吸い物でも喰わせる気かと思や、なんのことはない。素焼きの皿に、七輪で焦げ目をつけた厚揚げをのせてきた。
斜め切
「イイね! ナイス! スキだ!!」
ポルノ撮影時には対象に恋する気持ちが必要だ。
「良い湯気だ!」「食べたいよ!」
艶めかしくテラテラした痴態にシャッターを切り続ける。
――――――
「ではプレビューは後日!」
「バッチリ修正かけておきますから!」
『よくあんなメシを出せるな!』 これはいつもの幻聴だ。
あの人気芸人プロデュースのギラギラした創作和食は俺とメディアの力でポルノスターにな