キャロル・キング

水樹奈々のポップな感性あふれる歌唱の数々は一音一音を大切にしてきた彼女らしいレベルの高い出来上がりになっていた…★劇評★【ミュージカル=ビューティフル(水樹奈々出演回)(2020)】

 作詞家の夫と共に職業作曲家として数多くのヒットナンバーを生み出した半生の前半分と、独り立ちした後にシンガー・ソングライターとして自らの心情を歌いつづった半生の後ろ半分。そのどちらもがキャロル・キングという存在を作っているのだが彼女の歌はとにかく他のアーティストにカバーされることで知られている。それは曲の上質さや歌いやすさもあるだろうが、なにより彼女の歌う届かぬ思いや幸せへの疑い、心が引きちぎられ

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初演より深くなった情緒感で多彩な感情がより観客に伝わりやすくなった…★劇評★【ミュージカル=ビューティフル(平原綾香出演回)(2020)】

 キャロル・キングの歌は切ない。アーティストに歌わせるために作った曲も、シンガー・ソングライターとして歌う曲も、届かぬ思いや幸せへの疑い、心が引きちぎられるような痛み、無償の愛など様々な感情が音楽に散りばめられており、私たちの心を複雑な色合いに染めていく。彼女自身の人生もまた、華やかな成功の陰で家族関係では大きな挫折も体験し、ずっと朗らかでいたわけじゃなかった。もちろん楽曲を生み出す過程では喜びと

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123. ニラとスイセンの話

ミュージカル好き救急医の独白 vol.123
- The Monologue of a Musical-Loving Emergency Physician -

はじめに

11月12日は「いいニラの日」であったようです. なんで12日なのかは...まぁいいですね. 細かなことは. ニラといえばレバニラ炒め, 美味しいですよね. しかし, このニラ, 注意しなければならないことがあります.

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❤️救急医の思いよ届け!引き続きよろしくお願いします!
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「慈雨」 〜 Calling you 〜

雨の日が苦手と言う私に、その人は飛び切りチャーミングでパワフルな”おまじない”をくれた。

「此処はパリ!」

そう声に出して言うだけで、窓の外は景色のパーツそのままに、パートカラーの映画のようにニュアンスだけをハラリと変える。
冷たくくぐもった鉛色の街がしっとり落ち着いた艶を見せ、霧雨のスクリーンはソフトフォーカスの画面、路地の向こうには先の読めない出来事が手招きしているようだ。

寒さが厳しく

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