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7インチ盤専門店雑記521「レコード整理」

ここ10日間ほどで100枚ほどのレコードが旅立って行きました。嬉しいような寂しいような、何とも複雑な気分です。普段はお客様がいらっしゃらない時に在庫補充しているのですが、さすがにそんなことは言ってられなくなり、お客様がいらっしゃっても、手が空いていれば、スピーカー前の隅っこでゴソゴソやっている始末です。イベントが終了した翌日の定休日に、3時間ほどかけてしっかり整理したのですが、その時に「あれが見当たらないな」というものが多々ありまして、未整理ボックスが隠れていることにようやく気がついてしまったところです。…トホホ。

随分前に常連さんからキャロ・キングの「イッツ・トゥ・レイト」の7インチ盤を探していると相談され、ありったけのブツをお見せしたところ、「ここならあるかもと思って相談したけど、毎度予想の斜め上」などと言われたことを思い出しました。ゴッソリ出てきて自分がビックリしているんですけど…。まあ好きな曲の盤ではありますね。

…ニアミントなどというメモが入っている盤まで出てきました。非売品ボックスには大昔に買った極上の一枚が入っておりますし、売りボックスからは切らさないようにはしている盤です。一体何枚あるんだか…。整理しろというヤツですね。これ、カンパニー・スリーブの状態まで含め、本当にピンキリです。3000円から700円くらいの差はありますね。

ゴッソリ出てきた記念に一枚100円ボックスに入れておきました。ビックリしますね、これが廉価盤のハコから出てくると。…ジョン・レノンとかも入れてありますけどね。この手のドッキリでウケてくれるのは上級者だけでしょうけど。まあ若いお客様には少々の高額盤でも7インチは300円、LPは500円~1000円程度でお譲りしたりします。7インチ盤専門店的な遊びの領域です。…さすがに札幌からいらっしゃるお客様にはサービスしますよ。…昔やっていた文化センターの講座の受講生の方なんですが、転勤になっても忘れないでいてくれるもので。ありがたや、ありがたや…。

ビリー・ジョエルの「The River Of Dreams」のシングルも出てきました。1993年のアナログレコードの価値、分かる人には分かるという部分ですが、玉数の少なさはご理解いただけるでしょう。国内盤はなし、ビックリするほどいい音で鳴るわけです。個人的にはカンパニー・スリーブしかないので愛着の湧きようもないのですが、ビリー・ジョエル好きはマスト・アイテムでしょう。

もう一つ、シン・リジーの「Whisky In The Jar」もありますね。コチラは1972年盤でして、オリジナル・リリースのUK盤です。この曲の7インチ・シングル、どういうわけか1973年の盤が玉数豊富でして、見かけるたびに年次チェックするクセがついてしまいました。売れ出すまでに少しタイムラグがあったようですね。まずアイルランドで1位、イギリスでは6位まで行った最初のヒットです。トラッド・ソングですが、シン・リジーを語る上ではやはりマスト・アイテムでしょう。

普通どうでもいい細かいことでしょうが、レコード・マニアみたいな人種にとっては、そこに書いてある小さな4ケタの数字が1972か1973かで価値が全然違うものだったりします。そこが分かるとレコ屋稼業も一気に面白くなってきます。


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