オプチューン

人生に乾杯 32(4泊5日入院記、その3ー命を紡ぐ)

田部井医師は素晴らしい人格者だと気づく場面が、入院中にあった。 田部井先生がアレイを貼り付けてくれたその翌日夜のこと。日記から引用させていただく。 「この夜8時ごろ、突然回診にやって来る。あのニコニコした顔で『ちょっと教育的なことにお手伝いいただければ』と、何やら企んでいる風。9階…

人生に乾杯 31(4泊5日入院記、その2ーしゃっくりのつぼ)

新しい抗がん剤Folfoxは、大腸がん、他臓器(肺など)に転移した大腸がんへのファーストチョイス(と加藤医師)。入院時にはCVポート増設に合わせて、1回目の点滴もやった。「点滴時と後の様子を見たい」という理由での入院で、幸いにも入院予定が延びなかった。 が、このFolfoxに含まれるOxaliplatin…

人生に乾杯 30(4泊5日入院記、その1ー家族愛再発見)

前号でお知らせの通り、4月20日から24日まで三田病院に入院した。前日19日のPCR検査を終えて一度自宅に戻り、翌日入院という段取りになった今回は、肺にある腫瘍(大腸がん転移)の処置に移るための準備で、消化器センターでCVポートを付ける手術がメインだった。 頭に付けているOptuneをどうするか。…

人生に乾杯 29(ブログを付け続けるのは難しい)

ブログを付けることは難しい。付け続けることはもっと難しい。このブログも、前回3月29日からひと月近く経ってしまった。 どうしたら続くかと考え、一橋大学名誉教授の野口悠紀雄さんの本「書くことについて」を買い込み勉強してみるが、IT音痴の自分にはなかなか理解できない。なにせ元官僚、学生時…

花のかげ~第4章 瓦解(1)

一.また入院  九月に入ると、五日に私の姉夫婦が娘と孫を連れてやってきた。母にとっては初めてのひ孫に会えることになった。ひ孫は生まれてもう三か月を過ぎており、母はひ孫を抱いては涙したという。残念ながら私はこの日仕事だったために会えていない。だが母からすればやっと娘に会えただけでな…

花のかげ~第3章 彷徨(7)

七.抗がん剤の問題点  八月は私にも余裕があったため、母の通院には私も帯同できた。八月十二日の通院の際は、今川医師も母を見てそれほど問題点は感じていないようだった。ただ抗がん剤のスケジュールについて話されると、 「二年間もやるんですか」 と母はあからさまにうんざりしたような表情を見…

人生に乾杯 28(治療は次のフェーズへ)

「さすがシンガポール、これは日本よりも詳しいかも」とは主治医の田部井医師の言葉。2月3日に「遺伝子のxxxが陽性だから薬が効く体質」と言われたが、「xxx」が聞き取れずしばらく気になっていたところ、3月17日の診察で聞き直した結果、冒頭のように言われたのだ。「いや〜、シンガポールじゃなくて…

人生に乾杯 25(「運が悪い」?)

少し前、ある腫瘍専門医が自身のがん体験記を記していた。ご本人は「なぜ自分が?」とか「自分は運が悪かった」と思ったと言う。記事もこの言葉を見出しに取っていた。偽らざる心境だと思う。 本文を読みながら、新聞記者をしていた頃のある場面がパッと思い浮かんだ。20年以上前、内勤の整理記者を経…

人生に乾杯 23(田部井先生のこと)

脳腫瘍の主治医は田部井勇助先生。国際医療福祉大学三田病院の脳神経外科医だ。1月6日は今年始めの診察。無事に診断を終え、病棟2階の外来化学療法室という専用室でアバスチン(分子標的薬)の点滴を待っていると、同じ病棟1階にオフィスを持つ田部井先生が駆け込んできた。三田病院は大きいのだ。 ソ…

人生に乾杯 22(腫瘍持ちxコロナx発信力)

医者の山井大輔から数か月ぶりに電話をもらった。週末の夕方6時ごろで、すでに酔っ払っていた。「今日は半ドンだったんだよ」。この会話から、「ドン」がオランダ語のDay(「デイ」)から来ていること(本当はDagが正しい)、返す自分は「全(半)舷」という言葉が記者時代にあったこと、意味は似てい…