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家族

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2020年12月の記事一覧

おでこコンプレックス

おでこコンプレックス

私のおでこは狭い。子どもの頃から前髪はずっと下ろしている。一度だけ前髪を伸ばして横に流したことがあった。おでこが狭すぎて横に流した髪が眉毛にかかり、結局おでこを見せることは出来なかった。

私はいつも前髪を下ろしているから、たまに人からおでこ見せて!と頼まれることがある。前髪を上げてみる。予想以上に私のおでこが狭いからか?よく笑われる。爆笑されることもある。

結婚した相手はおでこが広い男性だった

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雑煮の味は母の味

雑煮の味は母の味

元旦の朝は雑煮を食べる。多分私は1歳以降、毎年元旦の朝雑煮を食べてきた。実家の雑煮は白味噌と淡色味噌を合わせた味付けだった。白菜、椎茸、豆腐、里芋、そして餅が入っていた。朝、家族全員が揃って「あけましておめでとうございます」と挨拶する。柔らかく煮込まれた餅が白菜や椎茸にくっついていた。母の雑煮が大好きだった。

大人になり、同じ徳島県でも家庭によって雑煮の味付けや具材がそれぞれ違うことを知った。す

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哲次おっちゃんと亀甲鮨

哲次おっちゃんと亀甲鮨

哲次おっちゃんは私の父親の弟だ。おっちゃんは私が小さい頃から娘のように可愛がってくれた。私が50歳を過ぎ、子どもが巣立ち、自由に1人で出かけることが出来るようになった頃から、おっちゃんと2人で時々食事に行くようになった。

おっちゃんと行く店はいつも亀甲鮨という美味しいお寿司屋さんだ。おっちゃんが亀甲鮨に通い始めたエピソードがある。ある日おっちゃんは山ろくといううどん屋に来たが駐車場がいっぱいだっ

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大掃除と祖父の思い出

大掃除と祖父の思い出

年末の大掃除が近づくと思い出す情景がある。着物を着た祖父の姿だ。祖父はきれい好きで、よく箒(ほうき)で掃き掃除をしていた。私が庭を箒で掃いていると「それでは駄目だ」といつも箒を取り上げられた。どこが駄目なのかよく分からないまま、祖父が庭を掃いている姿をじっと見ていた。

客間と呼ばれる祖父が大切にしていた部屋があった。祖父から客間を雑巾がけするように頼まれた。雑巾を絞り畳を拭いた。以前祖父に畳の目

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LINEスタンプ製作にハマってます!

LINEスタンプ製作にハマってます!

最近身近な人達がオリジナルLINEスタンプを送ってきた。自分で撮影した写真をアレンジして面白いLINEスタンプを作っている。ずっと情弱な私にはLINEスタンプなんて無理!って思い込んでいた。凄く上手にLINEスタンプを作っている同僚にどんなアプリを使って製作してるのか教えて貰った。早速アプリをダウンロードした。

まずは家族スタンプを作ろうと思い、写真を選んだ。選んだ写真をスタンプにする作業は簡単

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今はなき遊園地達とブラジリアンパーク鷲羽山ハイランド

今はなき遊園地達とブラジリアンパーク鷲羽山ハイランド

私が初めて遊園地に行ったのは7歳くらいだっただろうか。その遊園地の名前は吉野川遊園地だった。母方の祖父が連れて行ってくれた記憶がある。当時の吉野川遊園地は盛況で、たくさんの子供達の歓声が響き渡っていた。その日はゲストに漫才師のかしまし娘が来ており、舞台の上で漫才をしていた。大勢の観客が笑っていた。

今は恐い絶叫系の乗り物が大好きだが、7歳の私は物凄い轟音を立てて走るジェット
コースターに恐れをな

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大晦日の過ごし方

大晦日の過ごし方

子どもの頃の大晦日の過ごし方。裏庭での蕎麦作り。いっきゃくの上に大きなまな板が置かれ、祖母がそば粉とたっぷりの山芋を入れた蕎麦生地を長い麺棒で薄くなるまで伸ばす。薄く広がった蕎麦の生地を折りたたみ大きな包丁で細く切る。このように出来上がった蕎麦は夜の年越し蕎麦になったり、お正月の挨拶に来てくれる大勢の親戚のみんなに振る舞われた。母がたくさんの煮しめを作り、夕飯は蕎麦と煮しめを食べる。蕎麦アレルギー

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東京の映画館とナイトクローラー

東京の映画館とナイトクローラー

5年前リフレッシュ休暇を貰って東京へ遊びに行った。長女と次男と夜行バスに乗り徳島を出発した。東京に住む長男、神奈川で住む姉と合流しディズニーランドや大江戸温泉で遊んだり、美術館を巡ったり楽しく遊んだ。もちろん東京の映画館で映画を観た。大好きなジェイク・ギレンホールの新作映画「ナイトクローラー」を姉、長男、長女、次男と一緒に観た。そんなに広くはない映画館の最後列に5人並んで観た。凄い作品だった。あの

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ノリゴンが泣きすぎた夜

ノリゴンが泣きすぎた夜

私の名前は典子(のりこ)。幼い頃わがままでよく泣くのでノリゴンと呼ばれてい
た。

駄々をこねる子どもを表す方言「ゴンタ」と「ノリコ」を融合させた言葉が「ノリゴ
ン」だ。

その日の夜ノリゴンは兄や姉と喧嘩して泣いていた。居間の大きな柱に両手をあて
て、自分の顔を手にこすりつけながら大きな声で泣いていた。いくら泣いても誰も相
手にしてくれなかった。優しい母も夕飯の片付けで忙しそうにしていた。ノリゴ

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最高に楽しかったエイプリルフールの思い出

最高に楽しかったエイプリルフールの思い出

生涯で一番楽しかったエイプリルフール。あの日私は何歳だったんだろうか。小学5
年生くらいだったような気がする。その日は兄が帰省していた。4月1日朝から兄と
私は隙あらば嘘をつき、相手をどれだけ騙せるか競い合っていた。たまには嘘みたいな本当のことも言ってフェイントをかけたり、相手が油断しているのを見計らって嘘をぶつけたり…

とにかく飽きもせずに深夜零時を過ぎるまで兄と私は嘘をつき続けた。

あの生

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