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多感電車

1人で電車に乗ると、気づいたら号泣していることがある。
それかこのまま天に召されるのではないかと思うくらい爆睡している。
私は電車でケータイを長時間見れなくなってしまった。
ちょっと酔いやすくなった。
イヤホンもほとんどしない。もったいないと思ってしまうから。

電車はいろいろなことをいつも私に思い出させる。

部活の遠征でいつも降りていた駅。
前日の雨でグラウンドが使えなくて中止だろう、と部員みんなでうきうきしていたが、
なぜか乾きがよく次の日には復活していて夏空の下で、
砂まみれになったこと。
長い長い帰り道を2列になって歩いたこと。
最後の大会で勝てそうだった試合に負けたこと。
しばらく通り過ぎるだけで震えたこともあった。

大学の通学に1時間半乗っていた路線。
睡眠時間2〜3時間、チャリ爆走の末に乗った電車ではぐっすり眠れた。
帰り道は立ちながら寝ていた。
座っていた母親くらいの年齢であろう女性が席を譲ってくれた。
いつもふらふらだった。

どの電車に乗っていても、たまにダンスをやっていたことのことを思い出す。
踊っていたときよりも、メンバー名前で話す自分が浮かび上がる。
もっと、いろんなことを伝えたかったはずなのに、
私は泣きそうになりながら、涙をこらえて想いを正直に話していた。
踊りと向き合う私はどんな私よりも正直だった。
そんなことを遠い昔のように思い、今の道を選ばなかったら、のことを考えるまでがセットだ。
私は最高に過去の栄光にまだ浸っているのかもしれない。

それと、
元カレに会うために誰にも内緒で電車に乗ったこと。
待ち合わせの駅に着くと、彼は車で待っていた。
早くーーとラインがきていたのに、私は走らなかった。
いつも彼に会うのは自信がなかった。
夜にしか見たことのない彼のことを、確かに彼だと認識できる自信がなかった。
車の中で話すなんでもない会話が好きだった。
運転している彼の横顔が好きだった。
途中で、手を繋いでくれるのは危ないからやめてといつも言った。
本当は私も繋ぎ返したかった。

涙を拭いたり(私はTシャツの袖で目を拭くのが癖)
パッと目が覚めたりして現実に戻ると、
みんなスマホと目を合わせていて、誰とも目が合わない。
私にとっては、都合が良いのかもしれない。
窓ガラスに映った自分を見て、伸びた前髪をサイドに分けた。
誰も見てないから、多少ダサくても大丈夫。

それでは。
見つけてくださり、読んでいただき、
ありがとうございました。

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