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摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~元摂食障害当事者からのメッセージ~209


「いずれにしても今の自分の心に響く『言葉』、素直に受け入れられる『言葉』で表現したり、考えたりすることも意識してみよう」

摂食障害の克服のためには、例えば買い物や食べ方などの行動を変えていくことももちろん必要だと思うけど、それ以上に『食べること』や『痩せること』をどう捉えるか、自分の中でどう位置付けるか、という考え方の問題も大切になるような気がする。なぜなら、同じ物を同じ量食べるとしても、それを『カロリーのかたまり』『太る原因』としか考えることが出来ないのか、あるいは『食べたい物を食べたいだけ食べることが出来て幸せ』と感じることが出来るのかでは、自分の心の満たされ方、満足度が違ってくる。

そう考えると、なかなか変えられない買い物や食べ方などの行動を無理に変えようとするのではなく、その行動に対する『意味付け』や『思い』、『見方』や『捉え方』を変えることで、ほんの少しでも自分を満たすことを考えることが出来れば、苦しみや辛さから解放されることにはならないだろうか……

それは『痩せること』にも言えること。細ければ細いほどきれい、体重が少なければ少ないほどいい、としか考えることが出来なければ、痩せてれば痩せてるほどいい、ということになるけれども、私のように、痩せてるは痩せてるけれど、何だか干からびてるみたいで、日常生活を送るのに精一杯の体力しかなかったら、ちっとも幸せではない。逆に、今よりは多少太ったとしても、皺っぽくなくて、肌にハリがあって、日常生活でヘトヘトにならない程度の体力があった方が、きれいで、キラキラ輝いていて、そして今よりはずっと幸せを感じられるのかもしれない。

「それは確かにそう、その通りかもしれない。でも、今まで何度も思ったことだけど、そうは言ってもそれを実現するのがなかなか難しいことで、大変なことなんだよねぇ。食べ物を『カロリーのかたまり』『太る原因』としか考えることが出来ないからこそ、摂食障害な訳で、『食べたい物を食べたいだけ食べることが出来て幸せ』と感じることが出来るのなら、それはきっと摂食障害とは言わないのだと思う」

でも、でも私は、ほんの少しでもいいから、そうやって考えることが出来るようになりたいし、今の自分の心に響く『言葉』を探して、出会うことで、その『言葉』を信じて『言葉の力』を借りてでも過食嘔吐をやめたいし、きっといつかはやめることが出来ると信じていたい。でなければ、いつまでたっても摂食障害の『その先』に辿り着くことは出来ないから。


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