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ぷぷぷぷらいど

あの子も、あの子も経験者。

なのに私は。大した経験も積まず、今ここに。

過去や経験を比較しても悔しくなるだけなのに、
邪魔なプライド君が、私だけにある秀でた所を、
探している。無意味なのに。虚しいだけなのに。

2年も洋裁を習っていたあの子や、
最近まで美大に通っていたあの子や、
古着屋さんで長年バイトをしていたあの子まで。

実践的な経験や、芸術センス、服の魅せ方を
学んできた子があまりにもに多くて唖然とする。

とんだハイレベル。蛙でした。ごめんなさい。

私には私にしか無い武器がある。
今までの学びや経験だって、きっと大切。
回り道して良かったんだ。大丈夫、大丈夫。

何万回と言い聞かせてきたはずなのに。

少し歪んだ目の前の製図を見ては、
スラスラ解答できない自分を俯瞰しては、
圧倒的にお洒落な子達とすれ違っては、

大切な宝物達が、ただのガラクタに崩れ落ちる。

「あなた綺麗な線引くわね。私より綺麗だわ〜」
実習のおばあちゃん先生が、ニッコリ微笑む。

「凄い研究してたのね。ずっと大切にしてね」
素材論の先生が、心に響く言葉を投げかける。

「はがちゃん作った服着るの楽しみにしてるよ」
大好きな相棒が、そっと抱きしめてくれた。

そうだよ。大丈夫。
だって、まだ1週間しか経っていないんだよ。
悔しがるには、比較するには、早すぎるって。

硬くて邪魔な「プライド」なんかじゃなくて、
柔らかな自尊心を包んだ「ぷらいど」を持とう。

褒め言葉達を抱きしめて、ぷらいどの栄養に。
私のぷらいどを突き進むんだ。

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