おはようもおやすみも

あれ、4回生ってこんなもん？
私の知ってる4回生は、これじゃない。
だけど。

大学生活4年目、授業もサークルも引退して。

世界を放浪したり、地元で穏やかに暮らしたり、
あ、住み込みでバイトなんかも良いなぁ。

4回生って、課題や講義からも解放されて、
やっと自由の身！になれると思っていた。

けれど、今の私は。

せっせと山を登って週4で部活に行き、
終わりの見えない卒論に追われ、
お昼はカレー、夜はみんなで鍋。そんな毎日。

1回生から何も変わらないみんなとの時間。
夜中まで恋バナして、鍋の〆を頬張って。

もし明日地球が滅びるとしたら、私は鍋が
良いかも、なんて思ってしまう。

最後の夏、最後の冬、なんて言われても実感が湧かなかった。
けれど、友達がポツリポツリと引っ越す度に、
やっぱり私達は離れ離れになるのだと思い知る。

出来ることなら、おはようも、おやすみも、
ちゃんと直接言いたいのに。
ずっと言ってたのに。

今日は雨だねとか、ちょっと寒いねとか、
そんな季節や温度すら、もう共有出来ないのね。

「同じ空で繋がっている」なんて言葉は大嫌い。

あなたの顔が見えないのなら、空なんて何の意味も無いでしょう。
すぐに鍋を囲めないなんて、そんなのダメだよ。

ねぇ、みんな。

卒業して、働いても、進学しても、留学しても、
今日までのこと、4年間のこと、大事にしようね。
いつまでも、そのままのあなたでいて。

ちゃんとずっと心の中で思ってるよ。
おはよう。おやすみ。また明日。