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灰になってゆこう
あぁ、本当に自分の未熟さに嫌気がさす。
理想と現実のギャップが、私を突き刺して、
いつも背伸びばかりしている気がする。
それでも。
再来週、ついに大好きな人のライブがある。
彼の紡ぐ言葉と音楽が好きで好きでたまらなく、
毎日欠かさず聴いている。
「いつかあなたの曲に合わせて服を作ります」
1年前、生まれて初めて書いたファンレターに、
精一杯の目標を綴った。
“鯨の子”から着想を得たオーガンジードレス。
「highになってゆこう」と「灰になってゆこう」なんて素敵な日本語を紡ぐんだろう。
彼の言葉への思慮深さが見事に浮き出ている。
この曲に合わせて、様々な青色と、灰色の糸で、
私を丸ごと包み込んでくれるワンピースを。
そのはずだったんだけど。
作れば作るほど、理想の形から遠ざかる。
理想ばかり、夢ばかり大きくなって、肝心の現実
との乖離に、気づけていなかったなんて。
灰になってゆこう。
私達はいつだって、こういうものだと頷いて。
だから、履き潰した踵のように今は笑って。
そうだね。
今の私の身の丈にあった服を作らなきゃね。
高望みし過ぎず、こういうものだと頷きながら、
笑い合って、楽しんで作らないとね。
だけどいつか。
美しい君の音楽にぴったりな理想通りの服、
ちゃんと0から作って見せるんだから。
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シャツワンピのリメイクに
泣く泣くデザイン変更。
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