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ぐん税ニュースレター vol.42 page03 -FP通信-

日経平均株価が沸いてます。2月22日に史上最高値の39,098円で大引けとなっています。
新NISA勢はきっと、株なんてチョロイな、と思ってることでしょう。笑 
新年の大発会からたった2ヶ月弱で5800円以上も上がってるのですから。

今号では特に記事にする予定はなかったのですが、歴史的瞬間ということで少し書いてみようと思います。

以前にもバブル崩壊後の最高値ということで記事にしましたが、基本的な市場の動向というのは、この時と大きく変わっていないと思います。

この時はバブル「崩壊後」の最高値でしたが、今回は史上最高値、つまりバブル絶頂期の時の株価を更新したということです。その時の株価が1989年12月の38,915円です。(ちなみに史上最安値はリーマンショック後の2008年10月の7,054円)
バブル期の日本経済がどんなものだったのかは、もはや語るまでもないと思いますが今の日本がそんな羽振りが良いようには到底思えませんよね。むしろデフレ真っ只中で実質賃金が減る一方です。ですが植田日銀総裁は今の日本を「インフレ基調」と評価しています。

植田総裁はマイナス金利をはやく解除したいのでしょうね。今の日本をインフレ基調としたり景気回復基調にあるとするのはデータの見方によるところもあります。基本的に政府は自分達の都合のよいデータの取り方と解釈しかしません。実際、今年も昨年以上の賃上げの実現が期待されていますが、昨年の賃上げの時点で疲弊してしまっている(無理やり賃上げしている)中小企業も多いです。日本の99.7%が中小企業なわけですが、日経平均株価を構成するのは大企業です。海外にも市場を持つ大企業は今の円安のメリットを最大限に享受することができます。何もしなくても為替差益で利益がでるので軒並み好業績をおさめています。さらに円安効果で海外の投資勢からすれば日本株バーゲンセール状態ですから、そりゃ日経平均株価は上がるって話です。つまり日経平均株価=日本の景況と短絡的には判断できないのではないか、という話です。大企業のようにどこの中小企業も同じように賃上げできるのかというと疑問です。

ちょっとやさぐれたような言い草になってしまいましたが、現実的な話をすると日銀はマイナス金利を解除したとしても早期に利上げまでは出来ないのではないか、という織り込みが市場のコンセンサスなのではないかと思います。(=日本企業にとって追い風が続く)
そして今回の日経平均株価最高値更新の火付け役になったのが米国株です。米国株が堅調だと日本株もそれに釣られて買われる傾向があります。そして今の米国株の躍進を牽引しているのは主にハイテク株であり、さらにそのなかでも半導体です。21日に今もっとも注目されている半導体企業エヌビディアの決算がありました。これが市場予想を上回る好決算だったために平均株価がグンと伸びています。エヌビディアは時価総額がグーグルやアマゾンを抜いたことでも話題になっています。一生一緒にエヌビディアですね(古い)。

日経平均株価は39,098円で大引けとなりましたが、その後先物では約39,460円とさらに買い上げられています。その背景で笑えないくらい円安が進んでいる事実もお忘れなく。ほぼ同時点で1ドル=約150.6円ですが、これが単純に米ドル高と思いきや、実は世界的にドル高は既に一服してます。他の主要国通貨は対ドルで持ち直してるんですよね。ですので対米ドル以上に英国ポンド、ユーロ、はたまた豪ドルやニュージーランドドルでも歴史的円安記録更新中です。英国ポンドにいたっては1ポンド=約190.8円と、200円近い数値になっていますし、豪ドルでさえ1豪ドル=約99円で、ほぼ100円です。もはやちょっと前の米ドルですね。
いま日本ではこうした円安を活かしてインバウンド向けの高価格帯商材や外国人価格など取り入れる動きがありますが、これってもはや、やってることが途上国と同じなんですよね。
日本経済を評価するうえでは日経平均株価だけでなく大局的に色々なデータを見るようにしましょう。

(余談)
日経平均が最高値だったのが1989年。バブルと言えばジュリアナ東京ですが、オープンしたのは1991年で最盛期が1992年。実はこの時点の株価は既に1.5万円ほどまでに下落しており、ボーナスも半分ぐらいになってしまっていたらしいです。バブル絶頂期=ジュリアナ東京というのは現実としてはちょっと違うようですね。

ファイナンシャルプランナー 原


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