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ぐん税ニュースレター vol.37 page04 -マーケティングコンシェルジュ-

今回は前回の続きで、ターゲティングについて解説したいと思います。

前回の記事


セグメントとターゲット

まずマーケティングではターゲットに似た言葉でセグメントという言葉がありますが、この違いはわかりますか?
マーケティング界隈は横文字使いたがりなので、いつものように直訳で確認しましょう。ターゲット=標的、セグメント=区分ですね。ということは順番的には区分をしてから標的を定める必要があるわけです。これはデジタルに限らずマーケティングにおいて基本的な考えになります。
わかりやすい例ですと、年齢であれば20代、30代、40代といったセグメントが考えられます。同じように地域であれば、東京、埼玉、群馬、あるいは関東、関西、といったセグメントができます。性別もセグメントです。これらのセグメントから「群馬県にいる30代の男性」と絞り込むのがターゲットとなります。これは簡単な例でしたが、セグメントが曖昧だとターゲットも不正確になってしまうため、注意しましょう。

セグメントとターゲットはデジタルに限らず大切な考え方ではありますが、デジタルマーケティングにおいてより効果を発揮することができるといえます。
上記の例の「群馬県にいる30代の男性」をターゲットにするとします。ここで折り込みチラシを使って、このターゲット層を狙うのは難しいです。正確にはこのターゲット層に広告を届けることはできますが、それ以外の層にも一律で広告が届くので、ロスが多いということです。新聞や本の広告、ラジオCMといった他のアナログ媒体でも同様です。
いくら優れたセグメントをしても、実施においてターゲット層に対する選別ということが困難なのです。もちろん新聞や本の購読者層、ラジオやテレビの視聴者層、といった媒体特有の支持者層はありますが、ターゲティングという点において、デジタルによる機械学習に比べれば精度は劣ると思います。

ユーザー属性のデータ

ウェブ広告ではユーザーのウェブサイト閲覧状況やアカウント登録状況などからユーザー属性を特定しています。このデータを集めるのがクッキー(Cookie)です。クッキーは聞いたことがあるかもしれません。このクッキーによる情報収集が個人情報保護の問題もあり、Googleをはじめ各社対策を進めています(クッキーで個人を特定できるわけではありません)。以前にもお伝えしたGoogleアナリティクスのUA(ユニバーサルアナリティクス)からGA4の移行もこの対策のためです。サービスを提供する各社はルールに則ってデジタルデータを集めています。最近、ウェブサイトを訪問した際にクッキー利用の承諾を得るポップアップが表示されるのも、個人情報の規制のためです。

セグメント例

ウェブ広告やSNS広告は簡単に言うと、こうしたユーザー属性とこちらが設定したターゲットがマッチした時に配信されるようになっています。データをもとに配信され、かつクリックした時だけ料金が発生する仕組みなので、配信効率が良いということです。(課金方法は設定にもよります)
媒体の種類によっても異なりますが、今回はGoogle広告のセグメントの例をいくつか見てみましょう。他のウェブ広告やSNS広告においても考え方は同じです。
※使用している画像は現在使用していないアカウントの管理画面です。

こちらはユーザー属性です。年齢層、性別のほか世帯収入、子供の有無まで設定できます。

続いてエリア設定です。都道府県単位だけでなく、市町村でも設定ができます。また除外設定も可能です。隣県にも配信したいが、特定の場所は外したい、といった時に活用できます。

配信期間はもちろんですが、一日の中で広告を配信する時間帯まで設定ができます。普段仕事をしている人向けの広告であれば、夕方~夜、曜日は土日にする、など細かい調整ができます。

Googleの方で用意されたセグメントもあるので、この中からターゲティングすることもできます。例えばこの中から「ユーザーの興味や関心、習慣」を選択すると、スポーツ、ニュース、フードなどのカテゴリが表示されます。

ここで「フード、ダイニング」を選ぶと、さらに詳しいセグメントを選ぶことができます。ここで「フード、ダイニング」のチェックボックスにチェックを入れれば、下層のカテゴリは全て選択されます。

そしてSEO対策でも解説したキーワードを設定することができます。これらセグメントから設定したターゲットのなかから「○○○ △△△」と検索した人に配信、となるわけです。
これらは一例ですが、これだけ見てもアナログ媒体では行き届かなかったターゲティングが可能であることが想像できると思います。

予算設定

またアナログ媒体と大きく違う点が前回も説明した予算設定です。チラシでは印刷代や折り込み料金を予め見積もることができますが、ウェブ広告では予算を先に決めて配信を設定していきます。例えば月10万円という予算設定をすれば、その料金内で広告が配信されます。この時、設定したターゲットに対して予算が最適に配分されるように機械学習しながら自動配信されます。この学習のためには一定のデータ量が必要ですので、予算が少なすぎると学習が進まないことがある点にご注意ください。
そしてこの最適な予算を設定するのは中々難しい面もありますので、最初からいくらと決めるよりは使える広告費とパフォーマンスを見ながら設定していくのがベターかと思います。前回、広告配信の入札についても説明しましたが、この入札戦略(予算の中で、いくらまで出すか)も機械学習を進めながら最適化していくことになります。

Googleでは自動で機械学習が進み最適化される部分もありますが、実際に設定を進めるうえではノウハウやテクニックも必要で、手動で設定しなくてはいけない部分も多々あります。中々自分で全てはできなくても、外注を活用する際にこうした理解があるだけでも自分達の要件を伝えやすくなると思いますので、参考にしていただければと思います。

当法人グループでは、こうしたウェブ広告も含めた集客やマーケティングのコンサルも承っておりますので、お気軽にご相談ください。

マーケティング 原


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