マガジンのカバー画像

Paperback Writer

7
まとまった文章たち
運営しているクリエイター

記事一覧

書くことについて

書くことについて

書くことについて書く。書くには、何かたいそうな目的が必要だと僕たちは教えられてきた。目的というより、問題解決という言葉の方がいいかもしれない。作文、感想文、手紙、論文。それらは誰かのために書かれ、何か問題を解決するために書かれる。

でもこうして書いている文章は、誰のためでもない。徹頭徹尾自分のためである。自分のために書く。それだけを考えた場合、あまりハードルを上げなくて済む。文章の質のハードルで

もっとみる
まだ飛びこまない

まだ飛びこまない

 衝動的に、ペンギンの完全さに触れたいと思うことがある。名古屋港水族館にはたいていの水族館と同様にペンギンコーナーがある。彼らは氷上に所狭しと並び、それぞれの生活を送っている。トコトコ歩くもの、じっとたたずむもの、水面に飛び込んでは氷上に上がってくるもの。水槽の前には階段状になった座席が設けられていて、家族連れやカップル、老夫婦などの人々で賑わっている。ひんやりとした館内で、このエリアだけは人いき

もっとみる
トレンチシステムの価値は

トレンチシステムの価値は

今夏リバプールはbrightonからMac allisterを買ったが、私もAppleからMacbook airを買った。キーボードを打つのがめちゃくちゃ楽しくて、何か書きたい!と思いリバプールについて書くことにした。

あと4日で23-24シーズンのプレミアリーグが開幕する。新シーズンのポイントは、やはりトレンチシステムが全ての出発点ということだろう。何だよトレンチシステムって。「リバプールFC

もっとみる
書評『子どもの貧困』

書評『子どもの貧困』

 日本の子ども(20歳未満の非婚者)の約7人に1人は貧困状態にある。この著書は2008年のものだが、14年経ったいまでも状況は大きく変わっていない。

 ここでいう貧困とは、「相対的貧困」のことである。衣食住に困るような状態である「絶対的貧困」とは区別される。「相対的貧困」とはある社会の「通常」の生活レベルに達していない状態のことを言う。

 著者は「通常」の基準を、OECDが用いる基準や「相対的

もっとみる
書評『シルバー民主主義』(中公新書)

書評『シルバー民主主義』(中公新書)

 シルバー民主主義とは、高齢者優遇の政策が行われることを言う。少子化、人口減、投票率の停滞などが顕著な日本において、シルバー民主主義を防ぐ術はないようにみえる。

 本書は、高齢者の「目先の利益」を過度に重視するあまり、持続性を失っている社会保障制度の抜本的な改革に目を向ける。現行の社会保障制度は、国債や税収、社会保険料など勤労世代の負担で成り立っている。年金も賦課方式であるため、勤労世代から高齢

もっとみる

私はもう十分に大人よ!だから私を見て!

新世紀エヴァンゲリオン第22話「せめて、人間らしく」で惣流・アスカ・ラングレーが溺愛する加持リョウジに放った言葉。

なぜこのセリフをタイトルにしたかというと、このアスカが今の私の気持ちを代弁してくれているように思うからであります。

ちょっと待って誤解しないで!
アスカみたいに承認欲求がドバドバで止まらない!っていうわけじゃないんです。
俺の話を聞け!5分だけでもいい!

実は私ね、余暇に使って

もっとみる