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フィリピンについて思うこと〜オンライン英会話5年でフィリピンに詳しくなった話①〜

フィリピンと私

オンライン英会話を続けてもう5年になる。
誰もが知っている、というような大きな会社のオンライン英会話は、とってもリーズナブルなのが魅力的。毎日1レッスン予約できて、月額6000円程度。1レッスンあたりに換算すると200円程度と破格。(最近円安で値上げしたけど)

しかし良くも悪くも、ネイティブ(英語を母国語とする人たち)のレッスンは追加料金があり、私はそんなに重要性を感じないので、受けていない。

そして、スタンダードレッスン=ネイティブや日本人講師を除いた国の講師によるレッスン は、フィリピンの先生が非常に多い。ほとんど。

ゆえにフィリピンに詳しくなってしまった。

フィリピンは英語教育が盛んで、日本からの留学なども比較的安価にできるとのこと。特にセブ島は観光地なので、英語が堪能な人が多く、英会話の教師も多い。

フィリピンに詳しい理由としては、親戚にフィリピン出身の人がいたりもするからなんだけど。(私の先祖がフィリピン出身というわけではないが)

親戚がいるから、フィリピンを大切に思う気持ちがあるのかもしれない。何かと差別を受けやすい東南アジアの一国であるからこそ。

セルビアやインドネシア・台湾・アフリカなどの国の先生のレッスンも受けたが、なんだかフィリピンの先生は明るい人が多い。
一般化できるものじゃないけど、私にとってはなんかフランクに話せる雰囲気の人が多い。

私の英語力

ちなみに私の英語力は、TOEICで言うところの、「やっと履歴書に表記できる」程度のスコアである。

結婚してしばらく経って、時間を持て余したので、TOEICの勉強をした。その時、「英語は根性」というような話を英語話者の友人から聞き、TOEIC用の単語帳一冊はまるまる覚えた。

英会話を始めてみると、「英語ができているか」といった問題よりも「私は何を伝えたいのか」という問題に悩まされた
何か、軸となる仕事や趣味などがあって、英語はそれを活かすためのツールなのだと。

英会話講師への「逆インタビュー」

それでもしつこく英会話を続けていたら、フィリピンと日本の文化や法律・慣習などの違いに面白さを見出してきた。
これも私のできることの一つかな、と思い、noteでフィリピン紹介の記事を書いてみることにした。

今回の記事を書くにあたり、いつもは英語で質問を投げかけてくる講師たちに「逆インタビュー」をした。インタビュワーとインタビュイーの役割をスイッチしたのだ。
英語で質問されていて思ったのが、「質問されてそれに答えるのは楽しい」ということだ。だから、今回、逆に質問された先生たちはとてもイキイキと、若干エキサイトしているぐらい喜んで答えてくれた。

思ったよりたくさん話題があったので、複数の記事にしようと思う。




◯驚いたフィリピンの文化・法律・出来事など


・離婚禁止(宗教上の理由)

・妊娠中絶禁止(同じ理由)

・故にシングルマザーがかなり多い

女性の権利の確立はまだまだ発展途上と言わざるを得ない。

脅迫による結婚、家庭内暴力、浮気などによる結婚破棄(annulment of marrige)という制度はあるようだが、裁判になってものすごく時間がかかり、証拠集め等がとても負担になるらしい。

ある先生は、「日本はパッとサインしたものを市役所に提出すれば結婚が認められるなんて羨ましい!私もそうしたい!」と言う。結婚のセレモニーや慣習などもかなりややこしいようだ。

・一般的に女性の産休・育休は合わせて二ヶ月程度

日本と比べると短い。
やはり親(祖父母)に頼む人もいるし、Nanny と呼ばれるシッターのシステムがあるようである。
0歳児からの保育園というのはなく、保育園は3歳かららしい。
ちなみに幼稚園は「お勉強をするところ」で、
4歳やそこらで算数や英語やサイエンスの授業があるらしい。

・家族の絆が強い

子供だけでなく、おじさんやおばさんまでも経済的に支えている家庭も結構あると聞く。長男は兄弟の面倒も見るように言われ、親がリタイヤすればその面倒も、さらにおじやおばまでもとなれば、大変な負担だ。
やはり年金制度や公的扶助は日本ほど発展していないのが実情のようである。
しかし家族間での絆が強いことで、高齢になっても孤独感を感じて自棄的になる人は少なく済んでいるのかもしれないと思う。

・[バヤンニハン]という助け合いのキーワードがある(特にコロナ禍)

これは以前日本のニュースで見たのだが、コロナ禍で「バヤンニハン」というキーワードでフードバンクなどが実施されていたらしい。「助け合い」というような意味で、そういうスピリットが国民的にあるようだ。

・フィリピンの電力事情

 石炭火力が一番多く、その次は水力など。原発政策は今進めているところのようだ。
島が多いことで送電線を多く必要とするなどの理由で、平均月収と比べると電気代は割高らしい。(平均月収が日本円で5万円程度なのに対し平均の電気料金が5千円程度)

・英語教育が盛んで、現代っ子はタガログ語がむしろ不得意な子もいる。

特にGenZ(Z世代=11歳から26歳)の人たちが顕著
企業の面接は英語でされるので、親たちは英語を教えたがるが、タガログ語も生活で使うので、そのバランスが難しいようだ。セブにはセブアノという方言もあり、家庭内ではセブアノ・タガログ・英語がミックスしたコミュニケーションをしているという先生もいた。

・コロナ禍、ロックダウンは厳しいものだった

例えば小学校は2年ぐらい休みだったそうだ。
私立の学校はオンライン授業。公立の学校はプリントが配布され、親が見るというシステムだった様子。1クラス60人というから、コロナの拡散を考えると、やむを得ないのかもしれない。

・台風の被害が大きかった時の話

2021年のクリスマスシーズン、スーパータイフーンRai(フィリピン名オデット)がフィリピンを襲った。セブ島は大きな被害を受けたため、セブ島の先生が多い、私が受けている英会話の授業は一気に人材不足となった。
セブ島のある先生は、停電して1ヶ月ほど復旧に時間がかかったという。
水道の復旧は2-3週間。
その先生は車のバッテリーとモバイル通信でオンライン英会話を試みたが、安定せず苦労したらしい。この台風だけでなくフィリピンは台風被害が少なくなく、英会話会社からの補償や寄付の広告もあったりなかったりで不公平と彼女は言っていた。

・生活費、特に外食費など

マクドナルドなどの一般的なセットが日本円で200円ぐらいというから、驚きである。(ちなみにフィリピンのマックにはパスタとのセットがあるらしい)
カフェテリアは主食が120円ぐらい、ご飯だけで20円ぐらい。
レストランはセットで400円ぐらいで食べられて、ジュースだけで100円ぐらい。
やはり物価は日本に比べれば安いけど、この先どうなるかわからない。

・バスタブはステータス

一般的な家庭のシャワーはお湯が出なくてバスタブもないらしい。
バスタブがあってお湯が出るのは裕福な家で、ステータスの一つのようだ。

・みんな意外と泳げない

海に囲まれている割に、一部の私立の学校を除いて、水泳の授業などがほぼなく、泳げない人もかなり多いらしい。

・日本より幸せ?

宗教上の理由もあるし、家族の絆が強いなどの理由もあってか、やはり自殺率は日本よりも低いそうだ。
「日本の都心は自殺が原因で電車がよく止まる」と言ったら、とても驚かれる。
でも、フィリピンだけが陽気な国民性とかいう訳ではなく、ただ単純に日本の自殺率が世界的に見てとても高いのだ。韓国もらしいけど。
確固たる宗教というものについても考えさせられるし、困っている人がいても自己責任、という考え方が日本のそういう結果を生んでいるのかも知れない。


明るさに引っ張られる

もちろん治安の問題もあるし、日本と比べて生活しやすいとは言い難いけれど、明るく笑顔の多い先生たちに私はどうしても惹かれる。明るくて悪いことなんてそうそうないと思う。
明るい人と話していると、なんだか明るい方に引っ張られていく。
私が「これはつまらない」「これはめんどくさい」とネガティブなことを並べると、「物事の良い面を見ましょう」と言ってくれる。

だから5年も英会話が続けられたのかも知れない。

次回(いつになるかわからないけど)はフィリピンの政治と犯罪について、ドゥテルテ人気とメディアバイアスについて書いていきたいと思っている。


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