K-1後の世界 〜Road to Reintegration〜 江幡塁 最強説は幻想だったのか?
『天心、強かったね・・・』
としか、言いようのない内容であった。
もちろん、大晦日の那須川天心-江幡 塁 戦のことだ。
天心優位だろうとは思っていたが、江幡の、打ち終わり・離れ際などの隙を逃さない、『際』での強さを警戒し、スピードを生かして手堅く進める天心の判定勝ち、と予想していた。
それが、天心があそこまで無慈悲に圧倒するとは・・・
スピードの違いが際立ってしまい、リズムの刻み方が、四分音符と十六分音符くらい違うように感じられ、江幡の動きが非常にスローに見えてしまっていた。
江幡の攻撃はかなり早い段階で見切られてしまっており、開始20秒ほどの時点で、もうミドルキックをスウェーでかわされている。
江幡は元々、一発一発力を込めて打つタイプなので、大振りになりがちなところもあり、出鼻をカウンター気味にジャブで抑え込まれたり、コンパクトなパンチを打ち込まれたりしていた。
前蹴りののち、コーナーに追い詰められてからの左ストレートでかなり効かされ、その後のスーパーマンパンチ気味の左ストレート→右フックで最初のダウン。
もう、この時点で勝負の趨勢は決していた。江幡のダメージは甚大だった。
前蹴りの際、吹き飛ばされたマウスピースのことについてとやかく言う向きもあるが、両者の間には、そんなことは問題にならないレベルでの差があった。
天心は試合前に
『リスペクトを込めてぶっ倒しにいく。
皆さんの、
江幡選手は強い、という幻想を、
申し訳ないが打ち砕く』
という旨の発言をしていた。
結果だけからすると、残念ながら、そうなってしまったようにも思える。
しかし、日本キックボクシング界における江幡の存在は、決して幻想などではない。
江幡は弱くなんてない。
天心が強過ぎたのだ。
確かに、
ベジータはフリーザより弱いかもしれないけど、クリリンよりはるかに強いよねっ!? ねっ!?(錯乱気味)
天心には非常に期待しているし、天心を軸にキックボクシング界が回っていけば、やがて旧K-1のような、真の意味での統一を果たす団体が出てくるかもしれない、と思っている。
天心の衝撃的な強さでの勝利は喜ばしいはずだが、試合後、なぜか言いようのない寂しさもこみ上げてきて、自分でも困惑した。
なんなのだろう、この感情。
そう思ったのだ。
ぼんやりとこの試合のことについて耽り、ハタと気付いた。
この試合、最初から、自分は両者ともに敗けて欲しくなかったのだ。
現在の鎖国しているK-1の勢力に風穴をあけるためには、絶対的な存在である天心が必要だ。K-1系と、非K-1系で分けて考えた場合、非K-1系が集結するためには、天心という錦の御旗が不可欠だからだ。
天心が居るからこそ、非K-1系もやっていけている側面がある。
K-1?
いやいや、最強は天心でしょ?
天心擁する俺らが、正統派でしょ?
という言い分が成り立つからだ。
K-1に開国せざるを得ない状況を作り出すためには、天心を中心として、非K-1系が一致団結するしかない。それにも関わらず、非K-1系の大物の江幡が、天心と潰しあうしかないという、この不幸・・・
日本を近代化するために必要だったとはいえ、幕末から明治維新に際して起こった、佐幕派と尊皇派の争いを見るようでつらかった、と言うと、大げさだろうか。
昔の話とはいえ、日本人の、有為な人材同士が争う様を見るのはつらいものだ。
だが!!
日本キックボクシング界も、風雲急を告げている!
国内でゴタゴタ争っているうちに、ONEなどの黒船に蹂躙されかかっているではないか!!
日本キックボクシング界の再統一のためには、
天心、お前の存在が必要ぜよ!!
江幡の想い、ファンの想いも背負って、
これからも日本キック維新を頼むぜよ!!
#キックボクシング #ムエタイ #note #日記 #格闘技 #キック #ボクシング #K1 #KNOCKOUT #SHOOTBOXING #rise #RISE #ライズ #shootboxing #シュートボクシング #ノックアウト #エッセイ #人生 #ツイッター #Twitter #インスタグラム #インスタ #Instagram #ブラフマン #健太 #那須川天心 #武尊 #武居由樹 #小笠原瑛作 #江幡塁 #駿太 #佐藤嘉洋 #魔裟斗 #海人 #不可思 #皇治 #栗秋祥吾 #短編 #スポーツ #ノンフィクション #雑記 #オリジナル #ひとりごと #生き方 #ブログ #RIZIN #ライジン #新日本キック #三浦春馬
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?