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コーポレートガバナンスの解説

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コーポレートガバナンス関連のニュースや最新の動向を解説します
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記事一覧

ユーグレナのユニークな株式報酬制度とは?

ユーグレナのユニークな株式報酬制度とは?

ミドリムシを主に活用し食品や化粧品の販売、バイオ燃料の研究等を行っているバイオテクノロジー企業のユーグレナが新たに株式報酬制度の導入を発表しました。

ユーグレナ社はサステナブルな人事制度を目指し、新・報酬制度を導入します

会社側のリリースによると、一般従業員(正社員を対象)に対して、本人が希望する場合には報酬の一部を自社株式で受け取ることができるとのことです。

続きは、以下より解説を行ってお

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敵対的TOBが成立した大戸屋。取締役会が刷新される中で唯一取締役に残るのは?

敵対的TOBが成立した大戸屋。取締役会が刷新される中で唯一取締役に残るのは?

コロワイドが仕掛けていた大戸屋に対する敵対的TOBは、9月9日にコロワイドが大戸屋株の保有比率が46.77%に達したと発表し、TOBが成立しました。それに伴い、コロワイド側は大戸屋に対して全ての取締役を解任するための臨時株主総会の開催を求めていましたが、後に1名の取締役だけ解任対象から外すことを発表しました。

続きは、以下より解説を行っておりますので、ご一読ください。

ランサーズが指名・報酬委員会を設置。東証マザーズ上場企業の指名・報酬委員会の設置状況は?

ランサーズが指名・報酬委員会を設置。東証マザーズ上場企業の指名・報酬委員会の設置状況は?

クラウドソーシングサービス大手のランサーズが、9月14日に指名報酬委員会の設置を発表しました。

指名報酬委員会の設置に関するお知らせ

こちらの記事で解説したとおり、既に東証一部上場企業では過半数の企業が指名・報酬委員会を設置済みのため、同じく上場企業であるランサーズが指名・報酬委員会を設置すること自体は不自然ではありません。一方、マザーズ上場企業で、指名報酬委員会を設置している企業は少数に留ま

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<速報解説>独立社外取締役の選任状況と指名・報酬委員会の設置状況(2020年8月時点)

<速報解説>独立社外取締役の選任状況と指名・報酬委員会の設置状況(2020年8月時点)

2020年9月7日、東京証券取引所は、同年8月14日までに上場企業が提出したコーポレート・ガバナンス報告書に基づき、独立社外取締役の選任状況及び指名委員会・報酬委員会の設置状況に係る集計を行い、公表しました。

公表データをもとに、現在の独立社外取締役の選任や指名・報酬委員会等の設置状況等について解説します。

<要旨>
・独立社外取締役を取締役会の1/3以上選任している企業は、
 1部上場企業で

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解説記事を公開しました<社外取締役の在り方に関する実務指針>

解説記事を公開しました<社外取締役の在り方に関する実務指針>

2020年7月31日に、経済産業省が公表した「社外取締役の在り方に関する実務指針」解説記事を公開しました。

本指針(ガイドライン)の策定の経緯としては、2015年のコーポレートガバナンスコードの施行後、日本企業の社外取締役の人数および取締役会に占めるその割合は急速に増加している中、コーポレートガバナンス改革を「形式」から「実質」へと深化させるために、その中核となる社外取締役がより実質的な役割を果

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コロナ危機下の今、アクティビストはどう動くか

コロナ危機下の今、アクティビストはどう動くか

新型コロナウイルスの影響により、未曽有の経済危機に陥る可能性を指摘する声が高まっています。

今後、規模の大小を問わず、経営者はいざというときに備えて支出を減らし、なるべく手元の現預金を厚めに確保しておくマインドが強まるでしょう。

こうした中、以下の記事のような考えを持つ機関投資家も存在するため、経営者が手元の現預金を確保することに一定の理解を示す動きは強まるかもしれません。

配当より雇用維持

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ラストマンの退任

ラストマンの退任

昨日、東京電力ホールディングスは、本年6月をもって川村隆会長が退任することを発表しました。

取締役人事

川村氏は、リーマンショック後、当時日本の製造業では最大の赤字を出し、経営危機に瀕していた日立製作所をV字回復させました。その実績を買われ、2017年6月に東電の社外取締役兼取締役会長に就任しています。

率直に申し上げて、東電での川村氏の経営者としての実績には、現時点では目立ったものがありま

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女子アナを社外取締役に登用する必要性

女子アナを社外取締役に登用する必要性

昨日、SBIホールディングスが6月の株主総会で選任予定の役員人事を発表しました。

役員の異動に関するお知らせ

今回新たに選任が予定されている社外取締役候補者は以下の2名です。

伊藤博氏 〔現 マーシュジャパン株式会社 マネージングディレクター〕
竹内香苗氏 〔現 フリーアナウンサー〕

社外取締役に誰を起用するかは、それぞれの会社が取締役に何を期待するかを定めたうえで、条件を満たす候補

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指名委員会等設置会社に移行すれば不祥事は防げるのか

指名委員会等設置会社に移行すれば不祥事は防げるのか

昨日、関西電力が新たな経営体制に向けて社外取締役候補者を公表しました。同時に6月に予定している株主総会で、会社の機関設計を指名委員会等設置会社に移行することも併せて発表しています。

新生関電、険しい船出 指名委等設置会社へ移行
関西電力は28日、新たな経営体制に向けた社外取締役を発表した。企業トップや有識者ら8人を外部から招き、6月に指名委員会等設置会社へ移行する。

今回の経営刷新は、関西電力

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「チームとしての取締役会」の構成を考える

「チームとしての取締役会」の構成を考える

1週間ほど前の記事ですが、日経新聞に取締役会構成に関する以下の記事が掲載されました。

取締役の専門や経験ひと目で キリン・電通ら一覧表
取締役候補の専門知識や経験を一覧表にまとめた「スキルマトリックス」を株主総会の招集通知に掲載する企業が増えている。12月期決算企業ではキリンホールディングス(HD)や資生堂、電通グループ、クボタなどが2020年から載せた。財務や事業戦略など取締役に期待する能力を

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世界で通用する日本人社外取締役

世界で通用する日本人社外取締役

米国のテスラが4月23日、GPIFの前CIO(最高投資責任者)を務めていた水野弘道氏を社外取締役に招聘することを発表しました。

テスラの取締役に日本の元年金運用責任者…1年半続いた取締役会の混乱に終止符
テスラ(Tesla)は、日本の投資家、水野弘道氏が取締役会に加わることを4月23日の規制当局への提出書類で公表した。同社の取締役会は18カ月に及ぶ騒動に終止符を打てるかもしれない。水野氏は最近ま

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今国会で予定される会社法改正によるコーポレートガバナンスの強化促進

今国会で予定される会社法改正によるコーポレートガバナンスの強化促進

2019年10月4日から12月9日まで予定されている今国会では、会社法の改正に関する審議が予定されている。その中で、コーポレートガバナンスの強化促進に関しては、以下の点が挙げられる。

社外取締役の選任が法律上義務化上場企業は「社外取締役」の選任が義務付けられる。
2015年に適用が開始されたコーポレートガバナンス・コードにより、社外取締役(独立社外取締役)を2名以上選任することが求められており、

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