きょうからあなたもイノベーター イノベーションを起こし組織を変革するコツを知ろう!
「シン・イノベーション思考」とは、イノベーションを起こすことが苦手な人や、新規事業の企画に困っている人、イノベーションを起こしにくい職場環境に悩む人にとって、仕事で役立つスキルのことです。
「イノベーションって、簡単に起こせるものなの?」と感じるのも無理はありません。実際、多くの人がイノベーションの方法を学んでおらず、日常業務に追われるばかりです。
イノベーションを促すためには、個人の思考の転換と組織の環境整備が不可欠になります。
「シン・イノベーション思考」は経営学や社会学など多様な学問の知見を基にした、イノベーションを特別から標準にするための総合的アプローチです。実践することで、個人や組織が持続的にイノベーションを起こし、成果を大きく変えることができるようになるでしょう。
※本稿は、坪井秀次・著『シン・イノベーション思考 イノベーターを生み組織を変革するヒント68』(ごきげんビジネス出版)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
1.日本とイノベーションの現状
日本のイノベーションの現状はどうなっているでしょうか。
グローバル・イノベーション・ランキングによると、日本は2023年に13位で、過去の4位から転落しているのです。しかし、日本が再び上位に戻る可能性もあります。2025年には中国、アメリカ、インドが上位に来る予測があり、日本は4位を維持する見通しとなっています。
起業家マインドについて、日本は「知り合いにビジネスをはじめた人がいる」などの質問で最下位です。起業に対するチャンスや自分のスキルに対する自信が低く、イノベーションを起こす環境が整っていないことが浮き彫りになっています。
日本のユニコーン企業は2024年3月時点で7社、スタートアップへの投資額はアメリカと比較して圧倒的に少なく、イノベーションの力が不足している状態です。政府は投資額を10兆円に増やし、ユニコーン企業を100社目標にしていますが、さらなる上方修正が必要となるでしょう。
「戦後日本のイノベーション100選」では、医療や工業など多くの分野の革新が選ばれていますが、最近の日本はGAFAMのような大きなイノベーションを起こせていません。
日本ではイノベーションに関して、産業分野に特化したイメージをもたれる人もいることでしょう。
イノベーションはモノづくりやサービス以外にも、人事、総務、財務、文化、防災などにも適応可能で、先に触れてきたとおり、幅広い分野で起こせる特長をもっているのです。
イノベーションを起こすには、個人とチームの協力により実現し、組織の支援が不可欠となります。この思考を通じて日本が世界をリードする創造力を取り戻すことを目指していきましょう。
本書の特長は、イノベーションを起こすために個人編と組織編の視点で解説しているところです。個人はイノベーションを起こすための視点をもち、組織は改革の視点をもつ必要があります。
日本が世界をリードするためには、企業や行政だけでなく国民全体がイノベーションに取り組むことが重要です。イノベーションは特別ではなく、標準として普及すべきスキルといえます。
次項より、イノベーションが起こせない理由を「個人編」と「組織編」それぞれ見ていきましょう。
2.個人編:弱いつながりの強さを生かせていない
仕事だけでなく、外部との人的交流を広げることで情報漏洩につながると思い込んでいる人はいませんか?
もちろん、多くの職場には機密情報があり、外部と仕事をする場合は秘密保持契約が必要なときもあるでしょう。情報漏洩は交流関係の広さや深さの問題ではなく、機密情報を取り扱う個人の情報リテラシーの問題となります。
あなたにもこのような経験はありませんか? 知り合いの知り合いくらいに、その道の専門家がいて紹介してもらい、連絡を取ってみたら有益な情報が得られて問題を解決できたことが……。
もしも、あなたの交友関係が狭い状態にあると、知り合いのつながりを求めることができず、結果として問題解決もできない可能性があるのです。
◎解決のヒント
情報源との関係性について、1973年にスタンフォード大学の社会学者マーク・グラノヴェッター氏が論文で提唱したのが「弱いつながりの強さ理論」です。
人と人とのつながりの強さと弱さ、という関係性に着目し、弱いつながりの人脈のほうが遠くの幅広い情報を効率的に入手できることが明らかにされています。
理論をもとにイメージしてみると、頻繁に会う人とは情報交換を多くしていることから、情報に類似性が発生し、当然知っている情報が多くなるでしょう。一方で、たまに会う人とは情報交換が少ないことから、新しい情報を得られる可能性が高いことを示しています。
多くの日本人が弱いつながりの強さを生かした人的ネットワークの構築の重要性に気づいていないのが実情です。
「弱いつながりの強さ理論」をもとに、企業や行政などを問わず、弱い人間関係を構築し、専門家の知見を得て、相談できる関係を広げていきましょう。
イノベーションを起こすためには、多くの人と出会い、戦略的に人的ネットワークを構築し、専門的な知見を活用していくことが必要不可欠なのです。
3.組織編:職場のOJT研修はイノベーションを起こせない
皆さんの職場には、Off-JT(Off the Job Training)とOJT(On the Job Training)があるところが多いと思います。
新規採用の従業員研修や階層研修で集合し専門的な知識を高めるのがOff-JTです。
先輩方が現場で仕事のやり方やコツをその都度教えてくれるのがOJTになります。
「うちの会社にはOJTしかないよ」という方もいるでしょう。
即戦力を養成するところにはOJTが多く活用されています。先輩従業員と新規採用者が営業先を一緒にまわり、仕事の方法を伝授することもOJTなのです。
そもそもOJTは、現在行われている慣習を学ぶものであり、常識を破るようなイノベーションを学べません。なぜなら、過去の効果的なものを選び、OJTとして教えてくれているのですから……。過去の誰かの方法であり、未来の方法ではありませんよね。
◎解決のヒント
「守破離」という言葉を知っていますか? 日本の伝統文化の武道・茶道・華道などの修業のあり方を示したもので、きいたことがある方もいるでしょう。
●「守」 → 師や流派の教え、基本となる型を忠実に守る段階
●「破」 → 基本を極めたあと、他の師や流派のよいものを取り入れ、基本の型を破る段階
●「離」 → 師や流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる段階
最初の「守」では、OJTで学んだ基本を守る段階です。「破」では、知の探索を進めて自ら探すか、Off-JTとして研修を受けて型を破り開拓する段階となります。
さらに、独自の新しいものを生み出し、確立させる「離」は、業界でトップくらいの知識と経験、試行錯誤が必要となり、これまでの枠から離れるイノベーションの段階なのです。「守破離」をお手本に、修行だと思って仕事に向き合ってみてはいかがでしょうか。
そこには日本の伝統文化における修行の「道」が通じていて、OJTやOff-JTを超えた、イノベーションを起こすための修行の貴重な機会となることでしょう。
イノベーションを起こす気づきを見つけ、取り入れてみたいものがあれば積極的に導入してみてはいかがでしょうか。本書では、個人編として全24、組織編として全38のヒントを提供しています。さらに購入特典として、「シン・イノベーション思考をより強化する6つのヒント」をご用意していますので、そちらもぜひお楽しみにください。
関連書籍・雑誌
『シン・イノベーション思考 イノベーターを生み組織を変革するヒント68』
著・坪井秀次/ごきげんビジネス出版/発売:2024年07月26日
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