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『アンチエイジングは見られ方が9割 エステ講師が教える若さを保つ美容・健康習慣』第1章・無料全文公開

3月25日発売の書籍『アンチエイジングは見られ方が9割 エステ講師が教える若さを保つ美容・健康習慣』から、第1章「自分のからだを知ろう」を全文公開!

コロナ禍で健康意識が変わった

2020年から世界的に流行した、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)という未曾有のウイルスの出現により、これまでの生活は一変し、誰もが初めて経験する出来事が多く訪れました。

そのひとつが「STAY HOME」です。外出が困難な状況で仕事や学校に行けなくなり、多くの人にとって「おうち時間」が増えました。そして、外食を控えなくてはならない状況のなか、外食や飲み会などが多かった人にとって、「おうちごはん」をする機会が増えたのではないでしょうか。

コロナ禍以降「中食」という習慣も定着してきました。テイクアウトやデリバリーのお店が増えて食事の準備や後片付けの手間が省けるなど大変便利になり、選択肢の幅も広くなりました。こうした食習慣の変化もあり、健康を意識した人も多くいることでしょう。

また、運動不足で「コロナ太り」をしてしまった人が多くいる反面、外食や飲酒が減ったことで、自然と健康的に体重が落ちた「コロナ痩せ」の人もいます。

さて、あなたはどちらでしょうか?

どちらにしても、世界中の人たちがコロナという未曽有のウイルスの恐怖にさらされ、衛生面や免疫をつけるための食生活に、これまで以上に興味をもち、行動に移したのは間違いありません。

「食生活」と「衛生面」について2点あります。

まず食生活においては、貿易が滞ったことにより、輸入に頼っていた食品が手に入りにくくなるなどの影響から、これまでの食生活に不安を感じ、「少しでも自足自給を」と野菜づくりを試みる人が増えたともいわれています。

そして、病気に負けないからだをつくるために、免疫力を上げる食品に注目が集まりました。「菌活」や「腸活」などの言葉を、よく耳にするようになったと思います。ヨーグルト、味噌、ぬか漬け、納豆などの発酵食品に注目が集まりました。

からだにとり込まれた食べものは小腸から吸収されるため、腸の状態をよくすることで、からだを健康に保ちます。

栄養をバランスよくとり、病気に負けないからだづくりに注目が置かれて実践する人が多くなりました。

次に衛生面についてです。
新生児に念入りな消毒をする習慣が昔からありますが、コロナ禍のように日常生活でこれほど消毒をするのは誰もが初めてのことでしょう。

わたしが携わる美容(エステティック)業でも、その傾向を感じました。エステティック業において、コロナ禍で推奨されていたような衛生管理は、美容師法にもとづきおこなわれているのが当然です。

しかしコロナ禍で、消毒方法についての問い合わせが驚くほど相次ぎました。サロンにおいて消毒機器や消毒関連の製品は揃えられているはずが、実際には行き届いていないところが多かったのです。消毒機器はおろか、消毒液さえも常備しておらず、「何を使って消毒したらよいか?」といった問い合わせもありました。

当足り前の衛生管理がこれまでできていなかったサロンにおいても、コロナ禍によってきちんと遂行されるようになり、お客さまは安心して通っていただけるようになったと思います。

理化学研究所のスーパーコンピュータ「富岳」を用いた、唾液飛沫の飛散シミュレーション結果によると、飛沫量が一般的な会話では約1m、咳では約3m、くしゃみでは5mといわれています。

この唾液が感染症を蔓延させるわけです。

感染対策や衛生管理の危機感は、次第に薄れているように感じます。ですが、コロナ禍前に比べると、マスクなしで咳やくしゃみを人混みのなか平気でする人は少なくなり、感染症対策が世の中に定着したといえるのではないでしょうか。

「換気」についても、これまで世間一般的には意識が低かったと思われますが、定期的に換気をして空気の入れ替えをすることでウイルスの感染をおさえられる、といった認識も根付いたのです。

コロナ禍では多くの人が犠牲になり、後遺症に悩む人が多くいることは、本当に心が痛みます。

人類がこれまで以上に自分のからだと向き合い、健康でいられる幸せをかみしめられているならば、唯一コロナ禍の幸いといえると、わたしは思っています。

「若く見られたい」とは万人の願い

命あるものは生きている限り年齢を重ねていきます。

そして人間は、「いつまでも若くありたい」と思う生きものです。

「若い=健康」ともいえますから、「若くありたい」と思うのは当たり前のことであり、とてもよいことです。生きている以上、健康で人の手を借りず何ひとつ不自由でない生活ができ自由に行動できること、これは誰しもが望むことに間違いありません。

「若い=美しい」ともいえる点があります。もちろん、若ければ若いほどよい、ということではなく、年を重ねた美しさや年相応の美しさがあります。

以前、父から思いがけない発言をききました。

父は6人兄弟の4番目で、長兄と6歳離れています。当時、長兄は85歳、父は79歳でしたが、ずいぶん前から見た目は父のほうが兄のようでした。

5年ぶりに再会したときも、父が6歳年下の弟にはやはり見えず、「同級生くらいに見える」と家族で話していました。しかし父は「いや、自分のほうが若い」と、みんなが言うことを認めませんでした。

たしかに父は体力に自信があり、内臓年齢(血液検査など健康診断の結果から臓器の若さを予測したもの)が若く、健康診断で引っかかったことがありません。

「見た目」のことをあまり気にかけないタイプだったため、見た目についてこだわりをもって主張したことがとても意外であり、いくつになっても若く見られたいことは万人の願いであることを、あらためてそのとき感じたのでした。

人が若く見られるためには、健康であることが必須であり、さらにスキンケアなどのお手入れも大変重要なポイントとなります。

とくに50代くらいになってくると、いまからの気をつけ方や取り組み方でずいぶんと差が出る分岐点ともいえます。生活習慣を改善し、日々の習慣でいつまでも若々しくいられるようにしていきましょう。詳しくは第4章でお伝えしていきます。

実年齢と○○年齢

前節で、「若々しくありたい」は万人の願いであることを述べました。

では「若々しい」とは、いったいなんでしょうか。その答えについて見ていきましょう。

実年齢に比べて、見た目の年齢、内臓年齢、体内年齢(基礎代謝や身体組成による推定年齢)、などがその人の若々しさを左右します。

内臓年齢や体内年齢が若いとは、どういう状態でしょうか。簡単にいうと「病気になっていない状態」のことで、健康診断でいうところの正常値を保っていることです。正常値を少しオーバーしても、まだ疾病になっていない状態であれば改善の余地があります。

生活習慣病のなかには、一度発症してしまうと一生治療を続けていかなくてはならないケースがありますので、検査の数値が正常値でなく疾病が発症していなければ、心がけ次第で発症をおさえられるのです。

50代までで生活習慣病を発症しているか否かで、その後の健康状態に大きく差が出ます。数値が思わしくないところがある人は、ぜひとも1日でも早く改善すべく取り組みましょう。

いくら大金持ちでも、200年、300年と生きられるわけではありません。

時間は皆平等です。

ふだんからどのようなことに気をつけていれば、見た目年齢をマイナス5歳、10歳と、内臓年齢や体内年齢を若く保てるでしょうか。簡単にいうと、見た目年齢を左右するのは肌と筋肉内臓年齢には食生活、体内年齢には筋肉量が大きく影響します。

生きている限り「老化=エイジング」は続きます。むやみにお金を使っておこなうのではなく、日ごろの生活からアンチエイジングを取り入れ、美しく年齢を重ねようではありませんか。

現代では平均寿命が長くなるにつれ、高齢化が進んでいます。

寿命というのは、生を受けてから死に至るまでの時間のこと。それに対して近年注目されているのが健康寿命です。健康寿命とは、介護を受けず日常生活に制限のない状態をいいます。

健康寿命と平均寿命に関するデータを、ニュースなどで見たことがある人も多いのではないでしょうか。

男女差や地域差があるものの、健康寿命と平均寿命にはかなりのギャップがあり、男性では約8年、女性では約13年となっています。

つまり、健康で自由に生活できていたときから介護を受けなくては生活できない状態が死ぬまでに10年前後ある、ということです。

介護を受けず、自由に過ごせる時間を少しでも長く維持するためには、日ごろの食生活や運動量が大きく関係します。

毎日の生活のなかでそれらを習慣化することで、健康寿命をのばせるのです。これらについては第2章と6章で解説します。

ストレスと不調の関係

自分のからだがどのようにしてできあがったのか、中学生のときに習ったことを覚えているでしょうか?

精子と卵子が出会い受精卵となり、受精卵は3つのエリアに分かれ、内胚葉・中胚葉・外胚葉となります。その時点で内胚葉は内臓などをすでにつくり、中胚葉は筋肉などの組織、外胚葉は皮膚や神経などに分かれていくのです。

よって同じ起源である皮膚と神経が密接なつながりにあるのは、いうまでもありません。

ストレスが皮膚に大きな影響をおよぼすことに、ピンときた人も多いことでしょう。

ストレスによって、肌が荒れる、蕁麻疹、発疹、白髪・脱毛症になる、などはよくいわれていることです。外的治療も有効ですが、原因となったストレスを解消することがやはり何よりも効果的な治療になります。

ストレスはその人の弱い部分に影響をおよぼします。内臓に不調をもたらすケースも多く、ストレス性の胃炎や腸炎がその例であり、ストレスからの解放が重要です。

急な肌荒れや脱毛など、ふだんと違った症状が見られた場合は、できるだけ早く専門医にかかるようにしましょう。

症状があらわれているということは、かなりのストレスが蓄積している状態です。治療は開始が遅れれば遅れるほど回復に時間がかかるため、早いに越したことはありません。

わたしの友人の家族の話で、突然、原因不明のクローン病(指定難病の胃腸疾患)を患ってしまいました。

入院が必要な状態が続きましたが、2か月後に自宅療養できるまで回復したそうです。

仕事は当然続けられず、退職を余儀なくされました。仕事を辞めてから3年ほどかかったそうですが、なんと治療の必要がなくなるほどに回復したのです。

病気の原因は仕事のストレスでした。合わない仕事や職場を離れることで、難病からも解放された一例です。

対人関係のストレスは、どこにいってもつきものですが、どうしても対処できなかったり、精神的負担から逃れられなかったりする場合は、環境を変えるのがいちばんです。

他人を変えることはとてもむずかしく、人間であれば「合う」「合わない」があって当然のこと。

「逃げるは恥だが役に立つ」まさにこれはいい言葉です。ネガティブな意味ではなく、自分が本領発揮できる環境を探すといった意味で、人生において大切なことです。

とくに中高年になってくると、これまで築いてきたものに縛られがちで、自分自身や環境を変えるには大変な労力が必要となります。残りの人生、心地よい人間関係や環境を選んで快適に暮らしたいものですね。 

見た目年齢を若返らせるには左右対称がカギ

初対面の人に接するとき、その人に対して「何歳くらいかな?」と考えたことがありませんか?

うしろ姿や遠目の人を第一印象だけで年齢をあてようとするとき、あなたなら何を基準にして判断するでしょうか。服装、体型、姿勢、歩き方……などいろいろあると思います。

それでは、同じ洋服を着ている人たちであれば、何で判断しますか?

姿勢や歩き方、体型ではないでしょうか。歩き方や姿勢は誰しもクセがあり、いつも心がけることで若々しく印象を変えられます。

歩幅が小さいと筋肉や腱が伸び切らないため、残念な印象になるだけでなく、足腰がかたくなり腰やヒザに不調が出やすくなります。

ウォーキングトレーナーのデューク更家さんが美しいウォーキングを推奨しているように、美しい歩き方は体型をも変えることにつながるのです。筋肉の使い方で体調がよくなることも多くあります。

あなたは歩くときに、ヒザ裏が曲がったままになっていないでしょうか?

自分の歩き方のフォームを一度チェックしてみましょう。歩いている姿をスマホで撮影してもらったり、外出時にビルのガラスなどに映った自分の歩き姿を見てみるのでもOKです。

厚生労働省をはじめ製薬会社なども、ヒザ裏を伸ばしてウォーキングすることを推進しています。

ヒザを曲げたままのウォーキングは、腰痛・ヒザ痛・O脚などの原因になったり、骨格の歪みにもつながったりするといわれています。

うしろに残っている脚のヒザ裏が伸びた状態で地面を蹴り出すと、ヒップアップにもつながりますよ。前に踏み出す脚は無理のない程度に歩幅をやや広めにし、かかとから着地するとヒザが伸びやすくなります。

ヒザにトラブルを抱えている人は多いと思いますが、その多くはふだんの歩き方に原因があるのです。

年齢を重ねるにつれて、からだが左右対称の人はほとんどいなくなります。どこかウィークポイントがあれば、その部分をかばう歩き方や動きになりつつあり、その状態はさらに歪みをひどくさせます。バランスが崩れないように、なるべく左右対称にからだを使うことがとても重要なのです。

ウォーキングの際にどちらか片方の足に体重をかける時間が0.1秒でも多い場合、その積み重ねは年々左右の不均衡をもたらします。左右で少しでも異なる場合は、意識して体重をかける時間を揃えるように心がけましょう。これだけでも、どちらかが痛いとか、からだが傾いてくることの予防になります。

左右のみならず、前後の動きも重要なポイントです。

ふだんあまり意識しないで生活していると、前側の動きはしっかりとおこなえているものの、うしろ側への運動はほとんどおこなわれていません。

たいていの骨格筋肉は、2つで1つの動きをします。たとえば腕の曲げ伸ばしをしたとき、力こぶができますよね。このとき力こぶの部分の筋肉は縮み、反対側の筋肉は伸びることで腕の曲げ伸ばしができるわけです。どのような動きにも、2つの筋肉が相反する動きによってなされています。ですが、偏った動きしかしていないと、2つの筋肉の運動量に偏りが出てしまうため、どちらかに負担がかかったり、動きが悪くなったりすることでトラブルが起きます。

ぎっくり腰やヒザの痛み、四十肩・五十肩も、多くは一部分の筋肉に負担がかかりすぎていることが原因です。

うしろ側への動きは日常生活であまりおこなわれないので、意識する必要があります。腕をうしろ側へ伸ばす、腰を反らす、歩行のときにしっかりヒザを伸ばす、など使われにくくなっている筋肉を使うことが大切です。

姿勢がいいと品がよく、育ちがよく見えます。

姿勢のいい人を想像してみてください。たとえば皇室の方々は、とても姿勢がよく、美しい歩き方をされています。姿勢がいいと堂々としていて、それだけでも若々しく見えます。堂々とした歩き方や美しい歩き方は、その人の印象をとてもよく見せるのです。

逆に、老けて見える状態とは、姿勢の悪さです。年齢とともに徐々に肩が丸まりがちになり、猫背になります。肩が上がることによって首が埋まるようなかたちになると、若いときよりも首が短くなってしまうのです。

鎖骨の角度も変化します。美しい鎖骨の状態とは、地面に対して平行に近い状態です。肩が上がると、鎖骨は中心から外側に向かって斜め上がりになります。極めつけは、首のうしろ側の付け根の盛り上がりです。これができてしまうと、年齢が上に見えてしまいます。

鏡の前に立ち、自分の立ち姿を横からチェックしてみましょう。

家での姿見や、外出先では建物のガラスに映る歩き姿で確認できます。

背筋は伸びているでしょうか? 肩が丸まっていないでしょうか?

思った以上にうしろに肩を引かないと、姿勢がよく見えないものです。肩甲骨を背骨の中心に寄せるようにし、肩先を真下に引き下げ、胸を張ります。

意識しないとその姿勢がつらいようであれば、からだは確実に老けた状態になっています。この瞬間も肩の位置を意識してみましょう。日ごろ座っているときも、歩いているときも、いつも肩をうしろに引き真下に下げることで若く見えるようになります。

脚の筋肉が健康寿命をのばす

筋肉の役割は、骨と連動してからだを動かす、エネルギーを蓄える、熱を生み出すことのほかに、血液を送り出すポンプのような役割ももっています。

骨格筋いわゆるからだを支えている筋肉のうち、大きいものの代表は背中と大腿部の筋肉です。地球上には重力があるため、体液はからだに対して下がりがちになり、それが「むくみ」となります。

からだを動かしていると、筋肉の収縮により、リンパ液などの体液の流れが促されます。しかし立ちっぱなしや座りっぱなしだと体液の流れが滞り、ふくらはぎ周辺がむくみやすくなるわけです。

心臓から送り出された血液は、筋肉運動によっても流れが促され、とくに大腿部の筋肉は「第2の心臓」ともいわれるほど、血液の流れを促す働きをもっています。

よって大腿部の筋肉量をキープすることは、血液の流れをスムーズにしてくれる効果があるのです。

筋肉は使わなければ少なくなります。骨折や入院などで筋肉が使われないと、あっという間に筋力が落ちてしまうのです。しかし、うれしいことに、筋肉は何歳になっても「鍛える」「使う」ことによって増やせます。

コロナ禍による運動不足で筋肉や腱が弱くなり、脚に痛みが出てきた人も多いようです。

ウォーキングやストレッチをしたり、忙しい人は「ながら運動」をやったりと、少しずつでも筋肉を使い、筋肉アップを図りましょう。

ウォーキングといっても、その人のクセが出てしまっている歩き方だと逆効果になります。

くりかえしになりますが、人間は左右対象のようでありますが生活や運動により左右のバランスは均等な人のほうが少ないのです。どちらかに偏った使い方をしていると、偏りがより誇張されます。

脚に痛い部分があり、それをかばうような歩き方をしていると、さらに歪みは大きくなります。まずはウォーキングの際、左右それぞれに重心をかける時間を同じ秒数にしてみましょう。

年齢とともに筋力不足がQOLに影響を与え、日常生活に支障が出ることがあり、これを「サルコペニア」といいます。

とくにヒザの曲げ伸ばしにかかわる大腿筋やお尻の筋肉、上半身を支える体幹部の腹筋や背筋を、ふだんから意識して使うことがQOLの維持・向上に大切であると、厚生労働省からも推奨されているのです。

脚の筋力低下の目安として、椅子の前へ立ち、座る&立つのセットを10回おこない、タイムを計ってください。

50代以降で13秒以上かかるようであれば、筋力低下している可能性が高く、一度確認してみましょう。

弱いほうをしっかり動かす、左右・前後均等になるように使うことが、10年、20年後に若々しくいられるかどうかのカギとなります。

脂肪は悪者ではない

脂肪……からだにつく脂肪にしても、食べものとしての脂肪にしても、なんともイメージの悪い言葉としてとらえられるものです。

しかし食べものとしての脂肪は、3大栄養素のうちの1つとして、とても大切なものです。個人差はあるものの、体脂肪は一般的な平均でいうと、からだの約4~5分の1くらいを占めています。これほどの量があるということは、重要な役割があるわけです。

エネルギー源や貯蔵作用があるだけではなく、皮下脂肪は臓器を守るなどクッションのような保護作用があります。また、ホルモンや細胞を構成するからだにとって大切な構成要素でもあるのです。

とくに女性の場合、体脂肪率がホルモンバランスにかかわるため、適正量に満たない場合、月経に影響をおよぼします。

思春期にスポーツをしていると、「月経がくることがわずらわしい」「月経による体調不良が競技の妨げになる」などと考え、意図的に月経を止めたり、ダイエットで月経が止まったりしてしまうことが多く見られます。

18歳くらいまでに月経がくればよいとされていますが、通常は13歳前後ではじまるものなのに、18歳までない状態は不自然であり、生理がこない体質を無理につくることはオススメできません。

思春期に限らず月経が長期間に渡って止まった場合、ただ単に体重を増やし体脂肪率が増えたからといって、月経がスムーズにはじまるわけではありません。

実際にわたし自身も、高校時代に過激なダイエットにより体重が36㎏台になったことがあります。当然、月経も止まってしまいました。

1年近く放置したあとに婦人科を受診することになり、医師から「回復には止まっていた倍の時間がかかる」「ホルモン療法においては、ある程度の体力(運動能力ではなくホルモンの変動に対応するための適応力)が必要といわれていて、そのためには適正体重になるのを待ってからでないとホルモン療法もおこなえない」と言われました。

適正体重になってからホルモン療法をするわけですが、ホルモンは自分のからだからもともと分泌されるものなので、徐々に薬量を減らし、自分のからだから分泌されるサイクルを確立させなくてはなりません。

無理なダイエットはおこなわず、年齢に応じた適切な体脂肪量を確保することが大切です。

50代くらいになると、生活習慣病などの心配が多くなりますので、肥満にならないようにしなければなりませんが、体脂肪率の適正量は若いときよりも少し高めとなります。

男性の標準体脂肪率は10~20%程度で、年齢とともに代謝が低下するため、体脂肪率はやや高めになります。高くても25%以上にならないように注意しましょう。

女性の場合は20~30%程度で、35%を超えないように気をつけましょう。

おなかまわりの測定によって、メタボリックシンドローム(=メタボ)の診断ができます。

男性の場合は85㎝以上、女性は90㎝以上となります。

おなかまわりは皮下脂肪や内臓脂肪がつきやすく、内臓脂肪が多くなると生活習慣病にかかる可能性が高くなりますので、増えすぎないように注意しましょう。

逆に痩せすぎは、かえって生活活動能力(ADL)の低下や認知症のリスクが高くなるといわれています。

魔法の唾液

年齢とともに粉っぽいクッキーなどが食べにくくなったり、痰がからみやすくなったり、舌が割れてきたりした経験はありませんか?

唾液は年齢とともに減っていきます。唾液が出にくくなると、舌が割れてきたり、水分の少ない食事がとりにくかったりするなどの影響が出てきます。さらに、口内環境の崩れから、口臭の原因にもつながってしまうのです。

唾液に含まれる酵素は、アミラーゼというデンプンを分解するものです。唾液が減るということは消化能力も落ちるわけで、胃にも負担がかかりやすくなります。

余談になりますが、唾液の酵素の威力に驚かされたことがあります。

以前、友人とあんかけうどんを食べていたときのことです。食べおわるあたりになると、友人が食べていたあんかけの粘度がなくなり、サラサラになっていました。とろみの成分は片栗粉やコーンスターチなどのデンプンなので、食べているあいだに唾液が少量でも入ると、唾液のアミラーゼによりデンプンが分解されるため、とろみがなくなってしまいます。

粘度のあるソースなども同様です。

開封後にソースがサラサラになってしまったと、ある製造メーカーに問い合わせがあったそうです。この原因は、ソースの出てくるところを舐めたり、舐めた手で触ったりすると、アミラーゼによってソース全体がサラサラになってしまった、ということでした。

唾液の消化酵素の威力はすごいことがよくわかります。

唾液が減ることでいろいろな弊害がありますので、唾液の分泌を促したいものです。

その方法のひとつとして、ガムを噛むことです。ガムを噛むと、ガムの成分の刺激で唾液が出ます。

娘が小さいころの話で、わたしがガムを噛んでいるとき、「こんな小さい粒のどこからお汁が出てくるの?」ときかれたことがあります。唾液の説明をするも娘は信じられないようでした。

子どもは唾液がよく出て、赤ちゃんは唾液が多く出ることでからだのなかに悪いものを入れないようになっています。

また、緊張しているときに口のなかがカラカラになるのと反対に、リラックスしているとき、楽しい気分のとき、おいしいものを食べているとき、などには唾液の分泌が促されますので、リラックスすることも大切です。

唾液腺マッサージも取り入れ、耳下の耳下腺やエラの裏の顎下腺などをやさしくマッサージするなども効果的です。

唾液には老化防止ホルモンのパロチンが含まれています。

これは成長ホルモンの一種で、筋肉や内臓、骨や歯などの生育に効果があるため、唾液をしっかり出して若さを保ちましょう。

*   *   *

第1章はここまで!
続きを読みたい方は、各電子ストアにて3月25日より随時発売になります。ぜひお買い求めください。
下記リンクはAmazonストアでの商品ページになります。書籍の詳細と目次もこちらからご覧になれます。
書籍『アンチエイジングは見られ方が9割 エステ講師が教える若さを保つ美容・健康習慣』

■ペーパーバック版(紙)

■Kindle版(電子書籍)

■書籍情報

「加齢」が気になりはじめたら
見た目年齢を若く保とう!

人生の折り返し地点からの過ごし方が後半をどう生きるか大きく左右します。
本書は、40~50代からの世代に向け、若々しく健康に笑顔で過ごすために、美容と健康についてエステ講師の著者が解説。
健康的な美しさはジェンダーレスとなり、コロナ禍から健康への意識がより高まったいま、加齢が気になりはじめた世代が必要とする内容を詰め込んだ1冊です。

若々しく健康でいるためには?
人生後半戦をイキイキと過ごすには?
高齢化社会において注目されている健康寿命をのばすためには?
美容・健康を考えすぐできること、それが「アンチエイジング」です。
日々の食生活・ケア・運動など、地道な努力で若々しいからだづくりをしていきましょう。

「実年齢よりも若く見られたい」とは誰もが思うこと。食い止められない「老い」は、最先端の医療をもって治療できないこともたくさんあります。
しかし、年齢の重ね方は心がけや取り組み次第で差が出てくるのです。
「見た目が若い=健康」
誰しも不健康で病院通いや寝たきりになって長生きしたいとは思わないはずです。
いまから簡単に取り組めるアンチエイジングを実践して、健康寿命をのばし、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)を上げ、自分らしくイキイキと過ごしていきましょう。

【目次】

第1章 自分のからだを知ろう
第2章 食生活はあなたの履歴書
第3章 健康話のウソ・ホント
第4章 ミドルエイジからのスキンケア
第5章 爪と手でプロファイリング
第6章 いますぐできる若返りのための健康習慣

【購入特典】

エイジングセルフチェックシート

■著者プロフィール

上野嘉恵

エイジング&ビューティアドバイザー、エステ講師
小学校時代のあだ名は「子ブタ」。中学時代は肩こり・むくみが悩み。コンプレックスから高校時代では無謀なダイエットで摂食障害となり、体調を崩したことがきっかけで栄養学に興味をもつ。
「からだは食べたものでできている!」と医食同源を痛感し、栄養について学ぶ。さらにエステティックやネイルケアなど外面美容について学び、エステティックスクールおよびネイルスクールで講師として30年間活躍。延べ5千人以上の教育に携わった経験をもとに、正しい栄養と美容の知識・技術を日常に取り入れることを提案。
自身のO脚も姿勢の改善にて解消。民謡での体幹トレーニングとして高齢者の美と健康、職業訓練校やネイルサロンの運営にも携わる。

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