(連載41)40代半ば、バンド活動の暴走とヌンチャクへの道:ロサンゼルス在住アーティストの回顧録:2001年-2004年
前回は自分が、ガンになった話で、ちょっと暗かったですねー。まあ、長く生きてると、いろいろあるものですわ。 な〜んて、あまり人生について語るとボロがでるので、やめときます。
今回はいつもの「明るいルンちゃん」に戻ろうと思いますので、お付き合いくださいませ〜。
時は、2000年代前半。アタクシ、40代のど真ん中!
ともかく、2000年頭から始まったバンド活動の勢いがとまらず、
爆進中でありました!
自分がどこに向かっているのか?
自分はもとより、誰もわかりません。。。。
この爆進中の最中に、前回の連載40でお話したガン細胞摘出の手術が、2回もあったんですが、
この程度の手術は、アメリカだと入院なし!
終わったらすぐ家にもどされるので自分もゆっくり療養なんてムードではなく、すぐに復帰。ガンの事なんてすっかり忘れ、何事もなかったかのように、暴走の続きで、再びアクセルを、
これでもかと、両足で、踏みまくった!!
音楽ができない、そして人前で何かやるなんて、とんでもなかった私がなぜ、こんなに、バンド活動を暴走する事になったのか?
しつこく、前の繰り返し(連載35と36)になりますが、読んでいらっしゃらない方のために、ちょっと巻き戻して、ご説明させてください。
まず、1990年代の中頃、在米5年あたりから、ロサンゼルスに住んでいる日本人の友達が増え、みんなで集まり、カラオケの個室で、想像を絶した馬鹿騒ぎ!をするようになった。
これがもともとの、すべての発端です。
仲間はほとんどが服飾関係だったので、そのうち、ハロウィンなどには関係なくコスプレして、カラオケ大会をやるようになった。(理由=ただ、盛り上がるから)
この行為がエスカレートし、普通のお食事会、人のパーティーでさえも、非日常的な舞台衣装のような服で出かけるのが当たり前となり、結果、どこにいっても話題になり、友達も増え、、、、
チャラい パーティー・ピーポーになった。
ある日、友人のパーティーで踊ってたら、バンドのゴーゴー・ガールとしてスカウトされ、それをライブで見て、他のバンドも、また他のバンドも、、、と、あっという間に3つのローカル・バンドの掛け持ちの踊り子になり、
そのうちの一つが。。。。。
この暴走する事になった、「セックスロバ」というバンドでありました。
これでもわかるように。。。。
つまり、ですよ。
いってみれば、とても自然な流れ!
これを仏教的な流れと言っても
差し支えないと思います!
「セックスロバ」というのは、バンドといっても、コリアン系アメリカ人のケビン・スッコ・リーが、ひとりで音楽を作っていたので、ソロといえば、ソロなんですが、彼はテルミン奏者でもありました。
なのでライブをやる時は、シンセのバックトラックにテルミンの生演奏となるので、実際に自分が一人で、ステージに立ってるよりも、となりにチャラい踊り子でもいれば。。。という、軽いノリで、私に声をかけてくれたんだろうと思います。
彼としては、軽いノリで言ったこの「いっしょにバンドやらない?」が、今、振り返ると、私の人生をとんでもなく
大きく塗り替える事になってしまったのでした!
もちろん、この時点では、私は楽器はまったくできませんでしたので、「いっしょにバンド」というのは、ケビンが音楽担当。私はビジアル担当。という、明確な役割分担。 私も「なんか面白そうだからやってみようかなー」っと、軽〜くオッケーしたのも事実です。もともと目の前の事しか考えないので、、。汗
ケビン自身も音楽を演奏するだけのミュージシャンじゃなく、アートやマルチメディア的な事にも興味があったから、バンドのビジュアル的なイメージを作るためにも、私に声をかけてくれたのでしょう。
と も か く
まさか自分がバンドをやるなんて思いもしなかったのに、それからの4年間はもう、このバンド活動にどっぷりとハマる事になってしまったんです。
セックスロバに話をもどしますと。(名前の由来などは連載36に)
はじめのうちは、彼の横でただ、派手なコスチュームで、ヒラヒラ踊ってるだけで、音出しは禁止でした。
まあそれでも、例のカラオケ個室で酔っ払って踊ってたノリで、手足をぐるぐる動かしたり、舞台で寝転んだり、飛び跳ねたりしてたら、それを見てみんなが喜んでくれる!!
これ以上、地球にやさしくて、楽しい事があるでしょうか?
その確信はどんどん深まってゆき、
もっと調子にのって、いろいろな事をやるようになったんです。
そのうち、ケビンの主導で、ライブでシンセドラムを叩いたり、ボーカル=喋り、セリフのような事もするようになり、自分のパフォーマンスの幅も少しですが、広がりました。苦笑
なんせ、私の専門の音楽ジャンルは「カラオケ馬鹿騒ぎ系」
なので
なんでも、盛り上がれば、オッケー!!!
毎回、違うコスチュームや、変わった事を、ステージでやって、人を驚かすのが、だんだん自分の「生きがい」にすらになってきた。
まず、ケビンが舞台でひとりで、テルミンを弾きはじめ、しっとりはじまります。
本当に彼の演奏は素晴らしい!!!
テルミンという楽器は、ちゃんと演奏するのは、すごく演奏が難しいのです。
静かな空間に響くケビンの奏でるテルミンの音。その独特の音に、観客はじっと耳をすまして、そしてやがて、うっとり陶酔してゆくのであった。。。。
それが終わって、私が2曲目から、ガラっと雰囲気が様変わり!
このアタイがぶりぶりしながら登場します。
つまり、昭和で言えば、
ハイクラスなクラッシックの音楽のコンサート会場
から、いきなり庶民的なキャバレーに一変!
ケビンは、大抵は、ただ、テルミンに集中しているので、私がなにをやろうと無関心なんで、私はやりたい放題。
私はひらひら踊るだけでなく、意味もなく、いきなりシャボン玉を吹いたり、突然、チアガールのバトンを取り出して、くるくる回したり、
衣装も、顔パックのまま、舞台にでたり、
スパイダーマンみたいなのとか。。
モヒカンとか。
ケビンとまったく同じ双子のようなそっくりさんの格好で、現れたり(これには、ケビンもびっくり!)
ともかく、見てる人が驚くんだったら、なんだってやる!
これが毎回の目標になった。
そうしてるうちに、
ある日、ステージで、ヌンチャクを? やったら? 面白いかも?と、
思いついたんですよ!!
はい。皆様がご存知の。。。。
私が高校の頃、クラスの男子が全員、ホチョーーーーーっと、ハマった
あの方のやった、アレですよ!!
ケビンのノリノリのシンセのグルーブににあわせて、
ヌンチャクを振り回す!
ぐるぐる回しながら踊ったら??どうだろ?
わ〜〜!!もう、考えただけでも、ぞくぞくした!!
だって、どのバンドも、
歴史上、そんな事、やったの見た事なかったから。。。
自分にしかできない事を追求するのは、アタイのお得意分野!
私の脳内モードは幕末となった!
私がやらねば、だれがやる?
おいどんしか、おらん。(なぜか、薩摩藩!!)
そして、思いついたらすぐ行動する自分。すぐにチャイナタウンに駆けつけ、まずヌンチャクを買った。
ま、所詮、アメリカで売ってるお土産用の、ちゃっち〜いヤツですがね、
なんせ、ビギナーなんで、こんくらいでいいかな?って。笑
そして、ヌンチャクを教えてくれる先生がいないか?と、探してみた。
本場のハリウッドだから、アクション映画のエキスパートで、そのテクニックを教えてる人が、誰かいるだろうと思って、色々な人にきいたりリサーチしてみたのですが、空手、テコンドー、格闘技、武術家などのコーチは、いるのですが、ヌンチャクの先生はいなかったのです。。。。。
がっがり!
しかし、こんなことでは、あきらめらん!!
「幕末のおいどんが、やらねば!スイッチ」はいってますから。
目盛りの針は、かなりヤバい方に触れてますから!!!
、、、そこで考えた、、、、、そういや、。。。。。
ヤバい、そして、アクション映画といえば、もう この人。。。
例の映画秘宝の町山智浩さんですわ。
丁度、その頃、雑誌のお手伝いをしていて、彼がロサンゼルスにいたので、「ヌンチャクを習いたくて、ハリウッドで探したんだけどいなくて。。なんか、技術習得のアイデアありますかね?」と、たずねてみた。
そしたら、
「やっぱ、ブルー・スリーから、学ぶしかないっしょ?」
映画批評家らしい王道の、きっぱり迷いのないお答え!!
早速、ヌンチャクの武器としての歴史を詳しく語りはじめたのだった。。。。歴史からはいるとこなどは、さすがです。。。
そして、それがひとしきり終わると、今度はその場ですぐに、ブルース・リーの、どの映画のどのシーンの、どのポーズがおすすめで、ヌンチャクの持つ角度、ポーズのバランス、動きはこうすると流動感が出る。アクションつながりの効果などなど、、、。
その道の「超極エキスパート」ならではの
手取り足取りのヌンチャク講義 (無料)!!
まるで、ヌンチャクの師が弟子に教えるように、えんえんと伝授してくれたのです。
(町山さん、ありがとう!!)
そして、私は、師のおっしゃる通り、ブルース・リーのビデオ(当時はVHS)を、 何度も何度も、停めて戻して、止めてもどして、繰り返し見て、
学び、そして、鏡の前で実際に振り回してみた。
それでわかったのは、チャイナタウンで売っているヌンチャクだと、脇にパシっとキマらない!
なぜかというと、メンズ・サイズ。。。。
微妙に鎖の部分が長いんですよー。
ヌンチャクのレディスは売ってないしなー。。。。汗
なので、自分で作る事にした。
自分の肘から脇にはまるぴったりのサイズ。重さも少し軽くして、女のパワーでも回しやすいようにした。
重いと回る速度が遅くなって、くるくる感が出ないし。。。。
ついでに持ち手のところもディスコボールみたいにキラキラにしてみた。
そして、めでたくディスコ・ヌンチャクの誕生!
じゃ〜ん!!
もう、今となっては、使いこんで、ボロボロになってますけど。苦笑
そしてこれで、毎日、音楽に合わせて、何度も繰り返し、練習しました。
リズムに合わせて回すのは、結構ムズいんです。
これはブルース・リーからは学べないので、自分でメソッドを開発しました。
いや〜〜〜、もう、この時にギターをこのくらい練習してたら、立派なギタリストになれてたかも、、、っていうくらい、練習した。
そして、ついには、ある程度、できるようになったんです。
これを披露した時は、もう見てる人の反応はすごかったです。
たまたま、エルレイシアターという、我々にしたらデカ箱、といっても700人くらいのシアターでやったのですが、
その時はもう、見てる人の顔が一斉に、
お〜〜〜〜となって、自分に何かおりてきたかんじでした!!
これは、もう今でも忘れられない経験ですよ。
このヌンチャクは、民放のテレビ出演した時にもやりました。
車を改造する番組だったので、バイクや車が好きなマッチョな兄ちゃんたちの前でのイキナリのヌンチャク!!さすがに、みんな釘付けでしたよ。
上のはビデオを写メしたものですが、
映像を探してみたら、ここにありました。
ただ、これはセックスロバのプロモ用のビデオなので、ヌンチャク以外のもはいってます。ヌンチャンクは4:30くらいからです。
もし興味のある方がいらっしゃれば、是非ご覧ください。
私の文字どおり「血と汗の結晶」であります!!
セックスロバの話は、まだ続きますが、長くなりそうなので、今回はこのくらいにしときます。
では、次回、またよろしくお願いします。
L*
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