- 運営しているクリエイター
#読書感想文
サミュエル・ベケット著『ゴドーを待ちながら』読書感想文
時代も国籍も明かされないまま二人の浮浪者がゴドーと呼ばれる何者かを待ち続ける話。二人の他に数人の人物が登場するが、さして事件らしい事件も起こらず、結局ゴドーなる者は現れないまま物語は一貫して独特な浮遊感を醸しながら幕を閉じる。シュールで不思議な物語だ。
シュールで不思議な物語、私は何故そう思ったのか?
それは小説や物語に、私は無意識的に"いわゆる物語的な起承転結"や、共感を見出すことを求めてい
ドストエフスキー著『罪と罰』下巻 読書感想文
(引用始め)
ラズミーヒンは生涯この瞬間を忘れなかった。ぎらぎら燃えたひたむきなラスコーリニコフの視線が、刻一刻鋭さをまし、彼の心と意識につきささってくるようだった。ふいにラズミーヒンはギクッとした。(中略)ある考えが、暗示のように、すべりぬけた。おそろしい、醜悪なあるもの、そして二人はとっさにそれをさとった…ラズミーヒンは死人のように真っ青になった。
(引用終わり)p.67
壊れていくラス