【ビジョナリーカンパニー編2:最高の中の最高】
前回までの投稿を上記に入れています。
ある日、入社20年になる健は工場長の哲也に呼ばれ工場長室に行く。健はここ数年、全社が注目する新規事業の計画・プロセス立ち上げをこの工場で行ってきた。立ち上げが終わり、そのまま課長をするよう内示を受ける。それと同時に工場長からビジョナリーカンパニーについての解説・指導を受けるものがたりです。今回は第1章に沿って解釈を入れながら解説していきます。
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🧒:おはようございます。
👨🦳:おはよう。これから、第一章を2回に分けて解説をする。第一章はまだ導入といったところなのでちょっと先を急ぎたくなるだろうが我慢して聞いてくれ。ただ、ビジョナリーカンパニーの定義、特徴、さらに彼らの調査結果の神話の崩壊について記載している。そして、調査方法等も記載している。それ自体が本当に素晴らしいんだ。その手法を単純に眺めるだけでも勉強になるぞ。ただ、私の解説では、調査方法については、ただただ、内容なぞるだけになるので、説明は省く。ぜひ自分で読んでみてくれ。(そこも知りたいということであればぜひコメントください追加します。)
🧒;はい。よろしくお願いいたします。
◆最高の中の最高
👨🦳:では、早速進めていこう。もう一度この本の意味なんだけども、この本は、ビジョンを持ったカリスマ的指導者についての本ではないし、会社としてのビジョンを持つことを説いた本でさえない。この本のテーマは、それよりもはるかに重要で、本質にかかわるものと言っている。
🧒;ビジョナリーカンパニーの調査、成り立ち、共通項を説明したものですよね。でも、ビジョナリーカンパニーの定義はいったい何なのですか?
👨🦳:確かに、それが最初ちょっとわかりにくいんだよね。本の中にはこう書いてある。
ビジョナリーカンパニーとは
ビジョンを持っている企業、未来志向の企業、先見的な企業であり、業界で卓越した企業、同業他社の間で広く尊敬を集め、大きなインパクトを世界に与え続けてきた企業である。
とね。重要な点は、ビジョナリー・カンパニーが組織であることで、個人の話ではないということだね。
🧒;なるほど、100年卓越し続けるなんて個人では不可能ですもんね。
👨🦳:そして、ビジョナリーカンパニーは下記の基準を満たす企業といっているよ。君が思う次の基準を満たす会社を数社程度あげてみよう。
・業界で卓越した企業である。
・見識のある経営者や企業幹部の間で、広く尊敬されている。
・わたしたちが暮らす社会に、消えることのない足跡を残している。
・最高経営責任者(CEO)が世代交代している。当初の主力商品(またはサービス)のライフ・サイクルを超えて繁栄している。
・一九五〇年以前に設立されている。
君はどんな企業を思い浮べるかい?どのような点がとくに印象深いか。共通点があるだろうか。一流であり続け、繁栄し続けているのはなぜなのか。同じような機会がありながら、同じようには成長できなかったほかの企業と、どこが違うのか。いえる?
🧒:いや、モヤっと、、トヨタ、ソニー、富士フィルム、そのあたりかなーっと思ったりしますが、 その具体的理由やデータといわれると、、困ります。
👨🦳;そう。この本は、そんなみんながモヤっと思っていることを体系的に調べて、ビジョナリー・カンパニーを選び出し、比較対象企業と、どう違うのかを検討し、なぜそこん何長く卓越した地位にあるか明らかにしたんだ。
🧒;なるほど。でも、比較対象企業ってどんな企業なんですか?
👨🦳:大事なところだね。比較対象企業は、だめな企業というわけではなくて、いずれも優良企業であり、ほとんどがビジョナリー・カンパニーにひけをとらない歴史を持ち、株式総合利回りは市場平均を上回っている企業だ。
🧒;それでも、基準から漏れてしまったものということですね。しかし、それやられた企業はある意味、たまらないですね(苦笑)
👨🦳:まあ、そうだが、比較対象企業だって賞賛されているんだよ。オリンピックで言ったら、ビジョナリー・カンパニーは金メダリストであり、比較対象企業は銀メダリストか銅メダリストってところだ。金の方が確かにすごいが、銀だって銅だってすごいことだからね。
下記の表は、調査対象となった企業のリストだ。ビジョナリーカンパニーは調査対象の企業以外にもあるといっているけどね。
🧒;なるほど、それこそ最高の中の最高といったところですね。
◆ビジョナリーカンパニーの苦難
👨🦳:そうだ、ビジョナリー・カンパニーは特別な企業だが、それでも、完全無欠であったわけではない。さっき思い浮べた企業はどうだろうか?そして、今私たちがいる会社はどうだ?
🧒;確かにトヨタだって、戦後大リストラをしていたし、ソニーだって2000年代はだいぶ危機があった。富士フィルムもフィルムカメラからデジカメに変わったときはだいぶ苦戦していた。
👨🦳;そうだね。今最高だといわれているグーグルだって、アマゾンだってこの先危機は必ず迎えるはずだ。本の中でも、多くのビジョナリーカンパニーに言及していて、例えば、ディズニーは、1939年に資金繰りが苦しくなって、株式を公開せざるを得なくなり、そののち、1980年代初めには、株価が低迷して企業買収家に目をつけられ、あやうく乗っ取られそうになった。ボーイングは、一九三〇年代半ば、一九四〇年代後半に続いて、一九七〇年代初めにも深刻な経営難に陥り、このときは、六万人を超える従業員を解雇した。などが書かれている。
そして、今回の調査の対象となったビジョナリー・カンパニーのすべてが、過去のどこかの時点で、逆風にぶつかったり、過ちを犯したことがあり、この本を執筆している時点で、問題を抱えている会社もある。
🧒;ビジョナリーカンパニーでさえ、危機はあると。では、何が違うかですね。
👨🦳;そうだ。ここがポイントだが、ビジョナリー・カンパニーには、ずば抜けた回復力がある。つまり、逆境から立ち直る力があるんだ。その証拠として、ビジョナリー・カンパニーは、株式総合利回りが長期的に見て非常に高いんだ。
🧒;なるほど。
👨🦳:そして、それだけではない。ビジョナリー・カンパニーは、長期的に優れた投資収益を生み出しているだけではなく、わたしたちの社会になくてはならない存在になっているんだ。3Mのポストイット、ボーイング707と747、ジョンソン&ジョンソンのバンドエイド、ソニーのトリニトロン・テレビとウォークマンなど。
🧒:本のままというのは解るのですが、圧倒的に古いですね。さすが25年前の本です。。今でいえば、アイフォン、プリウス、グーグルマップ、キンドルなどですよね。
👨🦳;すまない、すまない。俺の中では青春なんだが。でも、ディズニーなんかは、今も変わらないよな。情報が古い、新しいはあるが、言いたいことは、こうした製品やサービスがなかったら、この世界はどんなに違ったものになっていただろうか。ディズニーランド、ミッキーマウス、ドナルドダック、白雪姫とともに大きくなった子供(そして大人)がどれだけいることか。
🧒:ちょっと私と工場長でディズニーを語ると気持ち悪いですが、、確かに、善きにつけ悪しきにつけ、こうした企業は、この世界に消えることのない足跡を残していますね。
👨🦳:ここまでで、ビジョナリーカンパニーの定義、特徴については何となくわかったかな。そして、この本ではなぜそうなったのか、なにが肝だったのかということを解き明かしていっていったね。さっき言った比較企業と対照しながら解説していくんだよ。それが2章以降だ。
🧒;なるほど、どんどん気になってきますね。
👨🦳;そうだろう。やはり、長くなってしまうな。この後、覆される神話のまとめに行きたいのだが、すでに大分話してしまった。次の12の神話に行けばこの倍かかってしまう。次回話そう。
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今回は、ビジョナリーカンパニーの定義、特徴について1章に沿って話しました。やはり、、色々伝えようとすると多くなってしまいますね。12の神話まで話をしたかったのですがだいぶ長くなってしまうので、明日とします。すでに長丁場になるのが見えてきますが、隙間時間でちょっとづつ読んでいってもらえれば幸いです。フォロー、スキお願いします!!
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