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【ビジョナリーカンパニー編8:維持と進歩(前半)】

前回までの投稿を上記に入れています。

ある日、入社20年になる健は工場長の哲也に呼ばれ工場長室に行く。健はここ数年、全社が注目する新規事業の計画・プロセス立ち上げをこの工場で行ってきた。立ち上げが終わり、そのまま課長をするよう内示を受ける。それと同時に工場長からビジョナリーカンパニーについての解説・指導を受けます。1章でビジョナリーカンパニーの定義、2章で時計を作ることの大事さ、第3章で時計のための理念の重要性、AND思考重要性、さらに理念を作る際の基本思考について話をしてきました。今回は第4章でその理念をどう維持、進歩させていくか解説します。(4章も2回に分けます。)

・・・・・・・

◆理念の維持と進歩

🧒‍;おはようございます。

👨‍🦳;おはよう。今日は4章の理念の維持と進歩を進めていこう。第3章で述べたとおり、基本理念がビジョナリー・カンパニーに不可欠な要素なのはわかるよな。

🧒‍;はい。時計を作ること、そのためには理念が必要だということがわかりました。

👨‍🦳;しかし、基本理念がどれほど大切にされていても、どれほど意義のあるものであっても、同じところに止まり、常に変化・成長しようとしなければ、いつも間にか、市場や社会においていかれるんだ

🧒‍;はい。理念を軸に変化が必要ということですね。

👨‍🦳;ただ、その中で、重要なことは基本理念と、基本理念ではない慣行を混同してはいけないということなんだ。このふたつを混同すると、基本理念ではない部分にしがみつくことになってしまう。企業が環境に適応して前進するために変えるべき部分を、いつまでも保ってしまうことになる。このことで市場や社会から遅れてしまうということが起こるんだ。

🧒‍;基本理念ではない慣行?具体的にどんな例があるのでしょうか?

👨‍🦳;例を挙げてみよう。

「従業員個人を尊重し、配慮する」HPの方針は基本理念の一部であり、ずっと変わらないが、毎日午前十時に果物とドーナツを従業員に配るのは、基本理念ではない慣行であり、変わることもある。
「顧客の期待以上のことをする」ウォルマートの方針は基本理念の一部であり、ずっと変わらないが、入口にあいさつ係が立っているのは、基本理念ではない慣行であり、変わることもある。

🧒‍;うーん。よくわからないです。やりすぎはいけないということでしょうか?

👨‍🦳;うん。著者から見ると、すでにドーナツを配るのは、過去は良かったが現在は、理念に沿っていない慣行。挨拶係が立っているのも過去はよいサービスであったが今はただ惰性でやっているので理念に合わない慣行ということを言いたいのだと受け取った。ただ、いいとか悪いではなく、そこで立ち止まって考えれるかっていことを問われているのだと思う。これは続けていくことなのか、変化させる慣行ではないのか?とね。


🧒‍;そうか、この立ち止まって考えること自体が理念の維持につながるそして解釈をその時代時代に合わせようとして変化させていくことが理念を維持していくことってことになるのですねもちろんそこで理念は変えてはいけないです。ここがうまく表現しにくいですが、理念を常に時代や社会の変化に適応するように解釈、変化していくことを考え続けるってことですね。きっと正解なんてないが、立ち止まって考えて適応していくという行為自体が大事なのですね。

👨‍🦳;いいね。だから、それでこの章では、「基本理念を維持しながら、進歩を促す」というテーマにし、その概念を説明しているんだ。そしてこれがビジョナリーカンパニーの真髄だって著者は言っているんだ。この後”進歩”について以下で話していくよ。

🧒‍;なるほど。

◆進歩への意欲

👨‍🦳;ビジョナリー・カンパニーの基本理念の維持は、“進歩への飽くなき意欲”と密接に関係しているんだ。この意欲っていうのは、すごく重要で、内に秘めた、抑えることのできない、ほとんど本能に近い衝動によるのであるんだ。


🧒‍;○○しなければならないというような、感情ではなく自然に“こうしたい”というものということですね。わかります。理念の進歩においてやらされ感がでているようじゃ、、話になりませんもんね。でも、それは一種の才能というか、そういうものを持った人が組織にいないといけませんね。


👨‍🦳;そう。この意欲があったからこそ、サム・ウォルトンは人生最後の貴重な数日間を、病室に立ち寄った地方店の店長とその週の売上高について話し合ってすごしたし、ウォルト・ディズニーは需要があるかどうかもわからないディズニーランドという未知数の夢に賭けたんだ。そして、ボーイングが需要があるかどうかまったくわからなかったB747を開発する決断を下し、経営の歴史に残る大胆な賭けをしたのもそうだ。ウィリアム・E・ボーイングは、ボーイングの草創期にこう語っている。

新しいアイデアを「不可能だ」という理由でつぶしてはならない。われわれの仕事は、研究と実験を永遠に続け、研究の成果をできるかぎり早く製品に活かし、航空と航空機の新技術が当社と無関係に開発されていくことが決してないようにすることである。進歩への意欲があれば、いまがどんなに順調であっても、決して満足しない。

🧒‍;とんでもないモチベーションだな・・。でもそれが理念の維持に、重要なんですね。。こりゃすごいな・・・。


👨‍🦳;ビジョナリー・カンパニーが大胆な目標を掲げ、思いきった冒険をし、ときには業界の常識を無視したり、無謀とも言える戦略を打ち出すんだ。これは自信と意欲があふれ出ていることを表している。だが、その一方で、冷静に自己批判をし、外部の世界から変化や改善を迫られる前に、ら変化し改善するんだ。


🧒‍;ちょっと概念的ですが、何か例ありますか?

👨‍🦳;例えば、本に記載されているのは、ヒューレット・パッカードのあるマーケティング部長の話だ。彼は、成功に安んじることを部下に強くいましめ、内に秘めた意欲をこういう。

われわれは当社の成功を誇りにし、祝っている。しかし、本当に興奮させられるのは、当社が将来、どこまで前進していけるのかを考えるときだ。当社がどこまで発展していくのか、それを見きわめる過程に終わりはない。われわれに終着点はないからだ。現在の成功に決して満足してほしくない。それは衰退のはじまりだからだ。

🧒‍:なるほど。常に高みを目指せと。

👨‍🦳;おっとすまん。こんな時間だ、今日はいつもより短いが急用があってこれで終わらせてくれ。明日、4章の後半、理念の維持と進歩の同時進行についてもう少し話そう。

🧒‍:そ、そうなのですか。承知しました。また明日お願いします。

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◆最後に

 今回は、第4章の序盤を記載させていただきました。(ちょっと事情で時間が取れず、今回と次回は短い投稿になります。)次回は、この続き、理念と進歩がどんな関係になっているのかを記載します。ぜひ、フォロー、スキよろしくお願いします。

次の投稿は下記です。


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