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木のぼり男爵
2024年4月27日 08:54
4月◯日 あらやだ!新宿のSOMPO美術館で『北欧の神秘』展を観た。 あまりなじみのないノルウェーやスウェーデン、それにフィンランドの画家たちの作品ばかりあつめた展覧会だが、自然や神話といったテーマごとにまとめて展示されているので予備知識がなくても十分楽しめる。個人的に楽しみにしていたのは、スウェーデンのアウグスト・ストリンドバリの《街》という作品。 去年の夏、国立西洋美術館の
2024年4月19日 07:33
日曜日。東京駅からぶらぶらと、日本橋方面を散歩してすごした。常盤橋を渡って、街路にソメイヨシノの植わった日本銀行の脇道へ。初夏の陽気。桜はもうすっかり葉桜だ。葉桜、か。あまりかんがえたことがなかったけれど、あらためて「葉桜」とはよく言ったものだなあ。辞書的に言えば、さしずめ花が散って若葉が出始める頃といったところだろうが、それとはべつに、花が散ってなおそこに満開の桜の残像を見て
2024年4月4日 21:43
3月〇日 「異人たちとの夏」とすき焼き屋の晩餐遅読にしてはめずらしく、図書館で借りてきた文庫本を一気読みした。山田太一の『異人たちの夏』という小説である。ところで、浅草に行った話はこのあいだ書いた。浅草は「塔の町」であり、「塔の町」というのはなにかしらひとを過去へと連れ戻すようなところがある、とそこには書いたのだった。その浅草が、この『異人たちとの夏』の舞台である。しかも、主人公の