変なおじさんが遅刻の危機から少年を救った話
毎朝バスを待ちながら、見るとはなしに向かい側の停留所を観察するのが日課のようになっている。
そのバス停から発車するのは、特別支援学校の方面に行く路線である。ちょうど通学時間帯にあたるため、いつも7、8人の生徒たちがこのバスを利用する。
毎朝のことだから、最近ではすっかり彼らの顔を覚えてしまった。顔ばかりか、この頃はそれぞれのキャラクターまでなんとなくわかってきた気がする。
この子は好奇心が旺盛でいつもキョロキョロしているぞ、とか、あの子はマイペースでおっとりしているな、