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この世界の果てしなさを測りに行く

めおとへんろのすすめ ~夫(わたし)のへんろエッセイ~


2015年1月9日 放送の
NHK新日本風土記 四国遍路
ポスターには
このようなキャッチコピーが
書かれています。

この世界の果てしなさを
てくてく こつこつ
ちっちゃい自分で 測ってく
なんだか とても自由だ

 へんろ歩きをしている時の 心の機微と解放感をみごとに表現していて、目にするたびに 秀逸なコピーだなぁと思います。おへんろをする中で体感したものすべてが、この三行に込められている、そんな感じです。

 お大師様と同行二人で、長いへんろ道、大自然、様々な動植物、親切な人々、温かなお接待、迎えてくれる寺院や仏像、長い歴史などに触れる中で、自分の存在のちっちゃさを実感します。そして「ちっちゃい自分」を発見した時、なぜかいつも 苦笑してしまい、ふっと肩の力が抜け、自由な感覚に包まれる気がします。

 一方で、そんなちっちゃい自分でも できるのは、自分の身体や体感を通じて、世界のあり様を てくてく こつこつ 測っていくこと。自分の歩幅、速度、歩き方で、果てしない世界を測っていく。それは自分にしかできない主体的な行為であり、そこにも自由を感じます。

 また、一説によると「自由とは、不自由が苦にならないこと」だそう。ちっちゃい自分を自覚すると、人生の道中に現れる様々な不自由も、苦にならなくなるのかもしれません。

この世界の果てしなさを測りに、おへんろに出かけてみませんか?

高知県 大岐の浜の遍路道
(タイトル写真も)

【後記】
 この、記事を書いてから、普段の生活や仕事の中でも、世界の果てしなさを感じることが多くなりました。
 まだまだまだまだ………ちっちゃい自分の知らない世界が果てしなく広がっている、明るいワクワク感に胸が開く、そんな感じがしています。

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