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長崎県佐世保市が原爆写真展の後援を断った件について憲法的に考察してみる

今日、8/9は日本人が忘れてはならない4つの日の一つです。

(残りの3つについてはこちらをご覧ください)

原爆犠牲者に謹んで哀悼の意を捧げますとともに、今なお、後遺症で苦しんでおられる被爆者やご遺族の方々に、心からお見舞い申し上げます。

今日は、ぜひ8/9に皆さまと一緒に考えたい問題があり筆を執っております。そうです、長崎県佐世保市と市教育委員会が、「原爆写真展」の後援依頼を「政治的中立性を保つため」という理由で断っていた問題です。

☆憲法の三大原則をおさらい

いまさらで恐縮ですが、憲法の三大原則を確認しておきます。

✅国民主権

✅基本的人権の尊重

✅戦争放棄(平和主義)

そして、憲法99条にはこのように書かれています。

「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」

市や市教委は公務員ではありませんが行政機関ですから、憲法を尊重し擁護すべきであることは言うまでもありません。

☆「政治的中立性」とは何か

憲法に沿った国づくりを推進するにあたり、意見の分かれる問題というものは当然あります。例えば「消費税を廃止すべきかどうか」や「レジ袋を有料にすべきかどうか」などは、絶対的な正解というものを私たちは知りませんし、どちらの意見を採用しても憲法に反するとまでは言い難いでしょう。ですから、このような点については「政治的中立性」を考慮して、マスコミであれば両論併記したり、行政機関であれば意見が偏らないように配慮したりすることはあり得ると思います。

しかし、「多様な意見があってよい」という大義名分のもと、以下のような主張は許されるべきでしょうか。

✅〇〇人は日本から出ていけ

✅男女差別はやむを得ない

✅領土問題は戦争を仕掛けてでも解決すべき

これらはいずれも、憲法に明確に違反しています。戦争の放棄は9条、あらゆる差別の禁止は14条がそれぞれ定めています。

ですので、このような問題において「政治的中立性」を理由にこれらの主張を容認することがあってはいけないのです。

「原爆写真展」は戦争のネガティブな側面を示し後世に伝えることで、以って憲法の理念である戦争放棄に資するものです。被爆体験を持つ長崎県の自治体であれば、むしろ率先して後援して然るべきでしょう。

言論の多様性は、国際規約や憲法の枠内でのみ認められるべきで、例えば下記のような言論は公的に認められるべきではないでしょう。

❌戦争、ナチズム、教育勅語の肯定
❌あらゆる差別、いじめ、ハラスメントやヘイトスピーチの肯定や助長
❌国民主権の否定
❌基本的人権の否定
❌批判ではない、事実に基づかない単なる誹謗中傷

☆問題の背景

実は、佐世保市教委が原爆写真展の後援を断ったのは今回が初めてではありません。昨年も同様の態度をとっています。

2019年の朝長則男佐世保市長による記者会見によれば、「写真展の開催自体は問題ないが、会場でのヒバクシャ国際署名への署名活動を後援することが好ましくない」というのが市の言い分であるようです。

ヒバクシャ国際署名は、「後世の人びとが生き地獄を体験しないように、生きているうちに何としても核兵器のない世界を実現したい」という想いから、2016年4月に被爆者たちによってはじめられました。詳細は公式ページをご覧ください。

長崎県内の自治体で、ヒバクシャ国際署名に応じていないのは佐世保市だけです。朝長市長は「本市の方針に合致しない」「署名するつもりはない」と明言して署名を拒否しています。

朝長市長は核兵器廃絶について「理想は全くその通りだと思う」としながらも「国はそこまで踏み込んでいない。国の立場を基本的に尊重していく」「現実は核の傘に入って、抑止力を行わないといけない」と発言しています。要するに、核兵器禁止条約に賛成していない日本政府に忖度しているのです。

※日本が核兵器禁止条約を批准していないことに関しては、8/6に公開した記事も併せてご覧ください。

https://note.com/girls_study_com/n/n5fafca844736

また佐世保市は、核兵器廃絶を求める国内外の都市でつくる「平和首長会議」(会長都市は広島市)に九州で唯一参加していない自治体です(日本国内の99%以上の自治体が加盟しています)。理由を問われると「核抑止力は避け得ないもの」と言って憚りません。

東京在住の私が佐世保市の市長について適格性を論ずるのは筋違いかもしれませんが、長崎県内にこのような考え方の首長が存在することを私は非常に残念に思います。厚生労働省のホームページによれば、約136000人の方が今なお被爆者手帳を持っていらっしゃいます。

☆まとめ

「政治的中立性」と言うと尤もらしく聞こえますが、結局は現政権に忖度するための口実に過ぎず、佐世保市の後援拒否はむしろ憲法の趣旨に反するものと言わざるを得ません。

この理屈を認めてしまえば、あらゆる差別の撤廃や貧困の撲滅などに対しても、行政は何も協力しなくてよいことになってしまいます。行政はむしろ、憲法に沿った国や街を作る旗振り役でなければいけないと強く思います。

最後までお読みいただき真にありがとうございます。長崎への原爆投下は、広島より約3時間遅い11時2分でした。よろしければ、ともに黙祷を捧げましょう。


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