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あらびき桃太郎

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#超ショートショート

あらびき桃太郎 - 6 「やっと登場」

あらびき桃太郎 - 6 「やっと登場」

青年 : 「うるせえなぁ!! アンタら」

ばあ : 「それはこっちのセリフさ! なにひとさまの飼いブタに手ぇ出そうとしてんだ!」

青年 : 「飼い豚? もしかして、ブタを木につないでたのはお前らか? 言っておくがな、このブタ、オオカミに襲われそうになってたんだぞ。そこをおれが助けてやったんだよ。むしろ感謝してほしいくらいだ」

じい : 「いや助けてないやん。思いっきり吊し上げてましたやん」

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あらびき桃太郎 - 3 「智辯大付属中京商業学園広島第一」

あらびき桃太郎 - 3 「智辯大付属中京商業学園広島第一」

 ばあさんは川で拾ったそのブタを家に持ち帰りました。

「おい、クソジジイ! ちょっと外出てきてみろよ! とんでもねぇもん手に入れてきたで!! 」

 居間のテレビで甲子園を見ていたじいさんは、返事をせず代わりにテレビの音量を大きくしました。

「おいジジイてめぇ!家内の声を聞きたくねぇってか!……はぁーん分かったよ。アンタの返事は受けとった。じゃあ桃井はアタシ一人でいただくことにするからね!!後

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あらびき桃太郎 - 2 「ドンブラコ」

あらびき桃太郎 - 2 「ドンブラコ」

 ちょうどあの頃、あるところに、じいさんとばあさんが住んでいました。じいさんは週に1回ほど山に柴刈りに、対してばあさんは毎日川へ洗濯に出かけていたので、まぁまぁフラストレーションがたまっていました。

 そんなある日の朝。ばあさんは、いつものように川へ向かい洗濯をしていました。

「あーもう、あんのクソジジイ。早いとこくたばらねぇかな。毎日蒙古タンメン食ってやがんのに、なんで倒れねぇんだよあのヒゲ

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