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【発達障害児の親】こんなことで悩んでいませんか?#2~揺れ動く気持ちをどう処理したらいいの?~

はじめに
 
こんにちは、皆さん。今日は、小学生になってから初めて発達障害の診断を受けたお子さんを持つ親御さんに向けて、お話ししたいと思います。お子さんの「困っていること」は、年齢によって大きく異なります。そして、その困りごとに対する対処法も異なります。しかし、どの年齢においても親御さんのサポートが必要です。


1.年齢別の「困っていること」

 まず、低学年のお子さんの場合、例えば教室に入るのを嫌がって廊下で泣いてしまったり、授業中にじっと席についていられずに教室内を歩き回ってしまったりします。また、簡単な数の概念を理解するのに苦労し、数字を書こうとしても逆さまに書いてしまったり、文字を書く際に手が震えてなかなか書けなかったりすることがあります。

 中学年になると、例えば授業中に集中力が続かず、何度も周りを見渡したり、鉛筆をカチカチと鳴らしたりしてしまいます。また、忘れ物が多く、連絡帳や宿題を頻繁に家に忘れてしまうことがあります。さらに、友達とのトラブルが増え、自分の思い通りにならないとすぐに怒ってしまったり、計算は得意なのに、文章題になると問題の意味が理解できず、全く手が動かなくなることがあります。

 高学年になると、例えばクラスメートからいじめを受けたり、仲の良かった友達と突然仲たがいしてしまったりします。また、こうした対人関係のトラブルから、学校に行くのが怖くなり、朝になると腹痛や頭痛を訴えて登校を拒否することもあります。

2.発達障害の特性と診断

 発達障害の特性は小学校に入ってから初めて現れるものではありません。例えば、幼児期に他の子どもと一緒に遊べず、ひとりで黙々と遊び続けることや、音に過敏で大きな音がすると泣き出してしまうことがあったかもしれません。また、言葉の発達が遅く、簡単な言葉を話すのにも時間がかかったなど、多くの親御さんは「何か気になる」と感じていたことでしょう。しかし、乳幼児健診では「もう少し様子を見ましょう」と言われ、特にフォローが必要と判断されなかったため、そのままになっていたということもあるでしょう。

 そのため、発達障害と診断されると、「やっぱり」と合点がいく一方で、「どうして今さら」と感じることもあるかもしれません。それは、夜中に泣き続ける子どもに手を焼いたり、何度教えても同じことを繰り返す子どもに苛立ちを感じたりした経験が背景にあります。「発達障害ともっと早くわかっていれば、子どものことをもっと理解して、適切な対応ができたのではないか」「あんなに感情的に怒らなければよかったのに」といった思いがよぎることもあるでしょう。

3.診断後のサポート

 でも、ここで悩んでいる時間はもったいないのではないでしょうか。例えば、小学生になってから授業中に集中できず困っていることが明らかになった場合、それはその時点で必要なサポートが分かったということです。診断が遅れたとしても、今から適切な対応をすることに問題はありません。親御さんがこれまで感じてきた多くの不安や疑問が、診断という形で明確になっただけで、新たな真実が突然現れたわけではないのです。

 また、親御さんはこれまでの子育ての中でたくさんの工夫をしてきました。例えば、子どもが嫌がる音を避けるために静かな環境を作ったり、絵本を使って言葉の発達を助けたりと、様々な努力を重ねてきたことでしょう。これから行うサポートは、その工夫をさらに発展させていくことです。小さな箱をイメージして、その中に揺れ動く気持ちをしまって横に置いておきましょう。現実的な問題に向き合いながら、専門家と一緒に考えていくことで、揺れ動く気持ちは次第に落ち着いていくはずです。別記事では、それぞれの特性に対するサポートの仕方について紹介しています。いくつか記載しておきますので参考にしてみてください。

【発達障害】こんなときどうしたらいいの?#7~人がたくさんいる場所が苦手~
【発達障害】こんなときどうしたらいいの?#12~思い通りにいかないとかんしゃくを起こす~
【発達障害】こんなときどうしたらいいの?#18~学校に行きたくないと言う~
【発達障害】こんなときどうしたらいいの?#19~座ったまま落ち着いて勉強することが難しい~
【発達障害】こんなときどうしたらいいの?#20~文字をうまく書くことができない~
【発達障害】こんなときどうしたらいいの?#22~計算が苦手~

4.専門家との連携

 小学生になってから診断されるお子さんは、実際にさまざまな問題を抱えています。例えば、授業中に集中できず宿題を忘れてしまう、友達とトラブルが多く教室で孤立してしまうなどです。これらの問題を発達障害の特性と照らし合わせながら、専門家と一緒に対策を考えていきましょう。例えば、集中力を高めるための環境調整や、忘れ物を減らすためのルーティーンを取り入れるといった具体的なサポートが考えられます。いくつかの問題が解決したら、もう一度心の中の「箱」を開けてみてくださいきっと、揺れ動く気持ちはどこかに消えてなくなっているはずです。

最後に
 
親御さんのサポートがあれば、お子さんも安心して成長していけます。共に手を取り合い、前向きに進んでいきましょう。

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