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【発達障害】こんなときどうしたらいいの?#7~人がたくさんいる場所が苦手~

はじめに
 
こんにちは、皆さん。

 今回は、発達障害の子どもを持つ親御さんに向けて、人が多い場所での対処方法についてお話しします。人がたくさんいる場所が苦手なお子さんにとって、外出は大きなストレスとなることがあります。しかし、工夫次第でその負担を軽減することが可能です。お子さんの特性を理解し、少しでも快適に過ごせるようサポートしてあげましょう。


1.感覚過敏のお子さんと外出するときの工夫と対策

 電車やデパート、動物園など、多くの人が集まる場所は、感覚過敏のお子さんにとっては大きな苦痛となります。例えば、電車の中で他の乗客の話し声やアナウンスの音が一度に耳に入ってきて、何も聞き分けられずに混乱してしまうことがあります。また、デパートでは、明るい照明や多くの商品のディスプレイが視覚的に圧倒され、目が疲れてしまうこともあります。動物園では、周囲の子どもたちの声や動物の鳴き声が響き渡り、その音が全て同じ音量で耳に飛び込んでくるため、非常に疲れやすくなります。このように、視覚や聴覚が敏感な子どもは、騒音や人混みの刺激を過剰に感じてしまうため、これらの場所で過ごすことが大変難しいのです。

〈対策方法〉
①空いている時間帯を選ぶ

 混雑を避けるために、例えば平日の昼間や早朝など比較的空いている時間帯や、電車では、通勤ラッシュを避けて各駅停車の電車や空いている車両を選ぶようにしましょう。

②途中で休憩する
 
無理をせず、例えばショッピングモールに行った際にはカフェで休憩を取る、動物園ではベンチに座って一息つくなど、途中で休憩を挟むことで、お子さんのストレスを軽減できます。

③お気に入りのグッズを持参する
 
お子さんが落ち着けるアイテムとして、好きなゲーム機やお気に入りのぬいぐるみを持って行き、例えば電車の中でゲームに集中させたり、動物園でぬいぐるみを抱かせたりするなどして、気を紛らわせる工夫をしましょう。

④イヤーマフの活用
 騒音をカットするイヤーマフ
を利用するのも効果的です。例えば、電車の中やショッピングモールのような安全な場所では、イヤーマフを使うことで周囲の雑音を遮断し、お子さんが落ち着いて過ごせるようにしましょう。

2.公共の場で静かにするのが難しい子どもの場合

 例えば、レストランでじっと座っているのが難しくて立ち歩いてしまったり、バスの中で大声で話してしまったりするお子さんもいます。これは、自分の感情や言動をコントロールするのが苦手なためです。

〈対策方法〉
①広めの席がある店を選ぶ
 
例えば、レストランでは、ボックス席や長椅子があるお店を選び、両親で子どもを挟むように座ると良いでしょう。これにより、お子さんが席を立ちにくくなり、落ち着いて過ごせるようになります。

②柔軟な対応が可能なお店を探す
 
例えば、ファミリーレストランやカジュアルな雰囲気のカフェなどは、少しくらい騒いでも周りの理解が得られる場合があります。子どもたちが元気に会話を楽しんでいる様子を受け入れてくれるため、親御さんも気持ちに余裕が持てます。

③事前説明と約束
 静かにしなければならない場所(葬式や結婚式など)
に行く前に、例えば葬儀の場合は故人の家族や友人が集まり、悲しみに包まれていることを説明しましょう。結婚式では、新郎新婦が大切な誓いを交わす場であり、祝福の気持ちが大切です。そして、「みんな静かにしている場所だから、○○君も静かにしようね」と約束しておき、お子さんに静かに振る舞うことの重要性を伝えましょう。

3.病院や検査の際の対策

 病院は、例えば待ち時間が長く、不安定な状況や匂いが気になる場合があります。また、医師や看護師が様々な検査や治療を行うため、子どもにとっては緊張を強いる場所となります。しかし、事前にどのようなことが起こるかを伝えることで、お子さんの不安を和らげることができます。

〈対策方法〉
①道のりを説明する
 
病院に行く前に、例えば家から出発して病院までの道のりを一緒に歩きながら、道路の標識や建物を見せながら説明します。また、Google マップや地図アプリを利用して、ルートを確認しながら行く道筋を具体的に示すことも有効です。さらに、病院の外観や入り口、受付カウンターなどの写真を見せながら、どのような建物でどこに行けばいいかを丁寧に説明します。

②事前に手順を伝える
 
診察や検査の際には、例えば医師に協力してもらい、具体的にどのようなことが行われるかを事前に説明してもらいます。例えば、血圧を測る、聴診器で心臓を聞く、または血液検査をするなどの手順を、医師がお子さんに優しく説明します。また、お母さんがお子さんに見本を示すことも有効です。例えば、医師が診察時にどのように胸を聴診するのかを、お母さんが自分の胸を触って見せることで、お子さんにイメージしやすくなります。さらに、絵カードや写真を使って、手順を分かりやすく示すことも効果的です。

最後に
 
お子さんが少しでも安心して外出できるよう、これらの対策を参考にしてみてください。親御さんもお子さんも無理をせず、少しずつ慣れていくことが大切です。皆さんのサポートで、お子さんが安心して過ごせる環境を整えてあげましょう。

 お読みいただき、ありがとうございました。これからもお子さんと一緒に、少しずつ成長していきましょう。

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