新世紀マーベラスnovel episode1(52)
そもそも、今さらそれを知ってどうなると言うのか。
ルミナは捨て鉢に考える。
だから、エマが「渡したい物があります」と行った時も、表面上はともかく、内心では興味を持つことができなかった。
エマは託されたそれをポケットから取り出したそれ。
「――ぁ」
鈍く頭を持ちあげたルミナは釘付けになる。
「これ、は……」
震える手を伸ばす。
「アイナちゃんの部屋にあったものです。箱に入れてあってきっと大切な物なんだろうなと思ったので、ルーミンに」
差し出されたのはひとつの髪飾りだった。
高価