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東野圭吾「雪煙チェイス」の感想と、批評の仕方のアレコレについて。


おもろ~~!

「合う・合わない」ってのは当然あるでしょうが、私は東野圭吾さんの文体が好きで、スラスラ、サラサラ読めます。

私の中での東野圭吾さんに対する評は、

「スラスラ・グイグイと飽きずに読ませる文体、文章力があり、多くの作品の底に私達が考えるべき社会的な問題が佇んでいるものの、それが極めてわかりやすい構成・構造で示されていて、その全てが圧倒的なエンタメ性に満ちていつつ、面白く読んだ後にその全部を綺麗サッパリ忘れる」

というものですw

もちろん、「片思い」(同性愛者のアレコレ)とか、「天空の蜂」(原発問題のアレコレ)とか、っていう、読後も色々と考えさせられる作品もあれば、「ミヤネ雑貨店」とか、「時生」とか、「流星の絆」とかっていう、心あたたまるハートフル作品もありますが、とにかくね、「極めてわかりやすいエンタメ」っていう評価にはかわりがありません。

じゃなければ、ガリレオシリーズ始め、これだけ多くの作品が、ドラマ化、映画化されるわけもない。


今回読んだ「雪煙チェイス」という作品は、「白銀ジャック」、「疾風ロンド」に連なる、スキー・スノボ・雪山シリーズですが、このシリーズは結構特殊で、「白銀」がシリアスサスペンスだったのに、「疾風」がいきなりコミカルトンチンカン話になり、「雪煙」は、「殺人犯扱いされた若者が、警察に追われつつ、自分でアリバイを証明する」っていう極めてシンプルな構図。

ただね、「読ませる感」は変わらないし、登場人物の、特に「女将さん」の言動には心を打たれるものがあり、それを読めただけでも大満足過ぎるくらいに良いことを言って、良い生き方をしていました。

「この人がやっている飲み屋だったら、マジで行きたい!」ってくらいの。


で、いつもどおり、4、5時間くらいで一気に読んで、最後は見事に美しくまとまった物語であったわけですが、Amazonなんかの書評を見ると、「リアリティがない」って感じのことを言っている人が多いわけですが、一体、どういうタイプのリアリティを求めているんでしょうかねえ?

例えばねえ、私はアダルト動画の導入シーンなんかで、「女優が小奇麗な格好をして街を歩いているのに、バッグを持っていない」なんていうシーンを見ると、それだけでドン引きします。

いや、近所の店にランチに出るOLですら、財布とハンカチくらいは持っていくし、コンビニに行く姉ちゃんだって、財布とスマホくらいは持っていくわけで、小綺麗な格好をした女性が街を歩く時に、「完全に手ぶらである」なんて、まず、99%ありえないでしょ?

街に手ぶらの女子っている?

いないって。マジでいないって。

外に出ているのに手ぶらな女子って、子供か、犬の散歩やジョギング、ウォーキングをしている女性くらいしか浮かばない。

でもね、そこのリアリティって、「アダルト動画の作品が持つ目的」とは、ほぼほぼ関係がないので、どうでもいいって言ったらどうでもいい話です。


批判も批評も自由なわけですが、アダルト作品に細かいリアリティを求めてもしょうがないし、エンタメ作品に重さとか深さとかって意味でのリアリティを求めてもしょうがない。

もちろん、東野作品にも、徹頭徹尾クソ真面目な作品から、硬軟織り交ぜた作品から、最初から最後まで全部ふざけている作品もあるわけで、それぞれに求められるリアリティは変わるのでしょうが、大衆に受け入れられるリアリティを当たり前に備えているからこそ、当代随一の人気作家であることは間違いがないところです。


そしてもう1つ、私が、いつも大事にしたいと思っているのは、「面白くない・つまらない」っていうだけの批評や批判をしない、ってことです。

批評や批判も意見でありアウトプットである以上、「誰かに読んでもらうためにあるもの」であると考えるわけですが、「リアリティがない。面白くなかった。」っていうだけの批評を読んで、誰が面白いと思います?

「面白くないって言っているけど、お前のコメントのほうが1万倍面白くねえよ!」って話じゃないですか?

「ここはよくなかった・こうであったらよかった」っていう部分は確かにあることも多いですが、100%全部が悪い作品なんていうのはないし、そうだとしたら、それは見た人の感性に問題がある可能性が高い。

で、批判や批評を第三者に読んでもらうことを前提に書くのであれば、その批判や批評すら「面白い・役に立った・勉強になった」っていうメリットをもたらすべきだと思うんですね。

っていう意味で、罵詈雑言やつまらない悪口というのは、それを目にした第三者に何1つのプラスも与えません。イヤな気分にさせるだけ。無意味。


批判も批評も自由です。

「全然、面白くねえ!カネ返せ!」って言うのも書くのも自由。

でも、それを言うんだったら、自分の批判や批評も、他者から「面白くねえよ!」って言わせないだけのモノを書きましょうよ♪ っていうお話でした。

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15年で4600件以上の記事を書いてきました。中学の頃から「人生」を考え始め、人生論、恋愛論、モテ論、教育論、コミュニケーショ論を研究してきた1人の男の考えをわかりやすく書き記した文章です。当たり前の意見ではなく人生を通して経験したものを思考のフィルターを通してお伝えしています。
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