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思考整理

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社会や人間などについて、自分で深く考察したものを抜粋して紹介
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記事一覧

理性の神話

理性の神話

最近、メディアにあふれる論理性の無さに絶望する機会が多かった。論理性や合理性といったものは物騒な兵器のように思われており、大きな影響力を持つ人の言葉ほど共感や同調をベースとし、結果として立場の違う者同士の議論がまるで成り立っていない。論理性の持つ真の力、すなわち、普遍性を大切にすることで共感ができない人にも理解を促すという力が活かされず、そのような言説はほとんど塵のようにしか扱われない。

世界が

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「月曜日のたわわ」広告をめぐる対立についての私見

「月曜日のたわわ」広告をめぐる対立についての私見

「月曜日のたわわ」をめぐる以下の記事を発端として、Twitter上ではフェミニストとオタク(と大雑把に分類しますが)の対立が起こりました。

私も月曜日のたわわの読者の一人として、これが社会からどのような判定が下されるのか、興味深く見守っていました。賛否ともにできる範囲でいろんな意見に目を通して、大きく違和感を抱いたことがあります。それは、

なぜ、共通の敵である「性犯罪者」という存在を脇目に、「

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何もしないでお金をもらう事が辛い理由

何もしないでお金をもらう事が辛い理由

子供の頃は、世界はとても公正で、価値のある競争に溢れているように見えていた。

テストの点数を競ったり、人と協力して生産的な活動をしていれば、それがいつか社会に価値を生み出すことに利用されるはずだという、無邪気な期待があった。

少なくとも新卒で初任給を得る時点まではこれは正しかった。しかしなぜか、社会人を経験していくごとに、この世界はどこかがおかしい、何なら完全に狂っているような気がしてくる。

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ブースター接種を終えて、これからの世界を考える

ブースター接種を終えて、これからの世界を考える

こんな記事を書いたのも、もう8ヶ月前です。私はちょうどこの時に1回目の接種をして、昨日3回目の接種を終えました。

世間の空気は完全に様変わりしたように思います。実際に、状況も大きく違います。多くの方がワクチンの少なくとも2回接種を終えたことで、ピーク時の感染者数が以前の波の5倍近く(8月の五輪が開かれていた時に全国で2万5千人の感染確認、2月には全国で10万人の感染確認)なのに、死者数は2倍程度

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ワクチンに不安を持つ方へ

ワクチンに不安を持つ方へ

先日、こんなツイートを目にしました。

この方は「科学的に見て」「ワクチン打てと言われるのが怖い」と申しております。読んでみた所、この方は少なくとも確信犯的あるいは短絡的な反ワクチンというわけではなく、自分なりに色々調べた上で、「反ワクチンの方が科学的に正しそう」という感触を得ているようでした。

本稿はそうした「ワクチンを打とうかどうか自分で考えて、どちらの情報を信じてよいかわからず悩んでいる」

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「五輪が原因で感染拡大してないから良かった」ではない

既に「五輪が直接感染拡大には寄与してないから良かったじゃないか」と「五輪開催は間接的に感染拡大に寄与したから悪かったじゃないか」がぶつかりあっているが、論点はそこじゃないと思っている。

感染リスクを最小限にするためのリソースを平等に与えずに五輪にだけ与えることを、政府が勝手に決めたことをこそ問題にすべきだ、と主張する。

実際に今回の五輪から直接出た感染者は、国内の感染爆発状況に比して悪いもので

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アドラー心理学の本「嫌われる勇気」をオススメできる人とできない人の違い

アドラー心理学の本「嫌われる勇気」をオススメできる人とできない人の違い

仕事がうまくいかず、抑うつ状態で苦しんでいるときに、先輩からこの本をオススメされました。

読みながらリアルタイムの感想はこちらのTogetterにまとめてあるので、既に読んだことのある方はこちらを見ていただくのが良いかもしれません。

この記事では、この本をまだ読んだことがない方に向けて、何が得られるのか、誰に向けられたものなのか、を要約したいと思います。

感情から抜け出したい人へこの本を読ん

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