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『しらなみのかげ』

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こは、日々つらつらと念ひしことのとみに濫れてはすぎゆくに、浦によする沖つ白波の八重をりて、ささなみの下にあまたうたかたの浮かぶがごとく、そのかたちの成りては千々に消ゆるさまを、よ…
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#宗教

【しらなみのかげ】エイプリルフールの翌日に #35

【しらなみのかげ】エイプリルフールの翌日に #35

昨日は一年で一回嘘を吐いても良いエイプリルフールであったが、結局、一日の殆どを勉強に費やしていたら、一つたりとも嘘を吐かずに一日を過ごしてしまった。何よりもまず、勉強は必ず自分の血肉になるので、決して自分に嘘を吐かないのである。





「「近代」の本質は「宗教」への問いである」という記事には、note上の「スキ」やX上でのポストにおいて沢山の反響を頂いており、誠に有難いことに投げ銭をなさっ

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【しらなみのかげ】「絶対的なるもの」の帰趨とデカルトの神の存在証明 #34

【しらなみのかげ】「絶対的なるもの」の帰趨とデカルトの神の存在証明 #34

0.近代における「宗教」の諸相

前回の記事では、「宗教」への問いは「近代」への問いである、という私の根本的な学問的関心の核心を書いてみた。その概略を改めて記せば以下のようになる。



−自明の範疇であるかのように思われる「宗教」という概念は、それと対置される「世俗」という概念と共に、ルネサンス、宗教改革、そして近代国家と政教分離の成立と共に近代において歴史的に構成された範疇であり、近代の人々

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【しらなみのかげ】近代の本質とは「宗教」への問いである #33

【しらなみのかげ】近代の本質とは「宗教」への問いである #33

初めに述べておきますが、この記事は考えている問題の核心に一通り触れながら書いている内に大部となりました。





この「しらなみのかげ」を桃の節句に久々に更新してから、又暫く時間が経った。





前回書いた如く、一昨年より我が抱負を一事業とせんとして走り続けてきた私の人生は、一月の末から二月の頭に掛けての間に共同事業者の一人、しかも立場上の責任者の背信行為に遭い、唐突なカタストロフを

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【しらなみのかげ】日本近代の正統としてのキリスト教 #26

【しらなみのかげ】日本近代の正統としてのキリスト教 #26

河上徹太郎の『日本のアウトサイダー』(中公文庫、1978)を読んだ。何でこの書をもっと前に読まなかったのか、と後悔させられた。蓋し、魂を震わせてくれた本物の名著である。この書の周囲を巡って、再び様々なことを考える機会があるだろう。そう思わせられた。


併し今や、河上徹太郎という名前を識っている人も少なくなってしまったのではないか。今では読まれたり参照されたりすることも少なくなってしまったが、

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【しらなみのかげ】 神を救い出す南仏の宗教哲学者 #11

【しらなみのかげ】 神を救い出す南仏の宗教哲学者 #11

昨日の分を今日のお昼に出すことにする。

昨日はお昼ずっと、哲学の勉強に費やし、夜は飲みながら別の作業をやっていた。その後YouTubeで今日仕事に必要な映像を幾つか次々と観て、作業が終わりに差し掛かったのでそのままジャルジャルや中川家のチャンネルなどをテレビに映して観ていたら、そのまま書くのを忘れて又もやホットカーペットの上で就寝してしまった。

どうでも良いことだが、昨晩は地元福岡を中心に展開

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