お願いChoose Me
海と書いてまりんと読ませる名前があることを知りました。ヘッダ画像をお借りしています。
でそれ自体は別に良いと思うんだけど、つけられた側の気持ちはどんなんなんだろうとぼくらは想像するしかない。調べによると最低でも数百人はまりん(海)がいるらしい。
海と書いてマリン……その言語センスをぼくはすごいと思う。と同時に、ぼくがあまり好きじゃないIPから来てるんじゃなければいいなと思うんだけど(題名のことではありません)、ちょっと想像すると嫌な予感がするので辞めておこうと思います。
ぼくだったら真凛とかしか思いつかない。
そしてこのあまたあるマリンさんの所在について知ったのは戸籍法改正のニュースからだった。今度から戸籍に「よみがな」が加わる。いままでなかったんだ、と思わされる。
法制審議会は名前の読み方について※一般的に認められていなければならない ってしている。一見堅物そうに見えるけど、「ガチで正確にその漢字がその読み方以外できないと文法上定まっている」ものしか使っちゃいけないとは言っていないわけです。
一般的にっていうのは既に普及しちゃった読み方ならしょうがないな(法制審議会的には、「大目に見てやるよ」感を出しているようにぼくには思える)とする考え方のようだった。だからこれからもたぶん海(まりん)は通るのでしょう。
でも実は上で※をつけた案ともうひとつあった。これでぼくは大目に見てやるよ感を覚えてしまったんだと思うんだけど、名付け上の「どこまでなら許すかルール案」のもうひとつが「規定せず差別や卑猥や公序良俗に反しなければいい」だった。
そっちを選ばなかったってことはつまり他人様がお名付けになる行為に対して規定を設けちゃったんですよね。人の名前なんて他者に規定されるものじゃないと思うんだけど、でも確かに冒頭で述べたように名付けられた側はどう名付けられたいかが選べない。まだそれを判断できる脳が育っていないからです。
高(ひくし)・太郎(まいける)は社会を混乱させるからだめらしい。前者は解るかも知れないけど、なんかハーフの育ちの子かなんかがいて、志半ばにしてどうにかなってしまったマイケルという人の偉業をその友人である太郎が完成させ、したらその太郎も倒れてしまい、当該事業に関わった人がその恩恵を受けてまた何らかの事業を達成して出来た子だったみたいなバックストーリーがあったなら太郎(まいける)も成立すると思うんだけど、だめなんでしょうか……
もしそこまで法で縛られることになると、その名前が駄目だと跳ねられたら不服申立てをしないといけないらしい。誠実な根拠に基づいた(昨今、誠実な根拠に基づいた命名なんてどの程度実現しているのだろう?)名前ひとつつけるために裁判所に行く。人権とはなんだろう。
そもそも親の思いとか、国家が私的介入するべきじゃないとされていた命名文化という下地があって、上記で「※」をつけた論法には「その命名文化を踏まえた運用にする」みたいな注記がされたみたいだけど、見事に典型的な「周囲を一時的に黙らせるための」玉虫色だと思う。
しかも法改正から一年以内に、国民全員が改めて本籍地に読み方を届けないと出生届をもとにした住民票にしたがって自治体が勝手に登録しちゃうらしいからなんかすごいとしか言えない。裏にはマイナンバーカードの運用に伴ってみたいな背景もあるらしくて本当にこの有価証券がもたらす感受性の強要ってでかいんだなあと感じてしまった。
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