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記事一覧
[報告]緊急シンポジウム「表現の不自由展・その後」中止事件を考える
民主主義を守るための闘いは、民主主義的でなければならないのだろうか? 今回の中止事件をきっかけに生まれた議論のなかで、この不穏な問いがわたしの脳裏を何度もよぎった。明確な答えはない。だが、問いは不断に投げかけなければならないのだろう──。
さる8月22日、文京区民センターで「緊急シンポジウム『表現の不自由展・その後』中止事件を考える」が開催された。主催は、月刊「創」編集部を中心に構成された「8.
キセキノセイイ──「MOTアニュアル2016 キセイノセイキ」展レビュー
東京都現代美術館で「MOTアニュアル2016 キセイノセイキ」が開催されている(2016年5月29日まで。現在は終了)。昨今、美術界の内外で話題を集めている「表現規制」に焦点を当てた展覧会で、アーティストによる自主的な組織「ARTISTS’ GUILD(アーティスツ・ギルド)」と同館との協働企画である。「MOTアニュアル」は1999年より継続してきた同館恒例の企画展だが、とりわけ近年はテーマが軽佻
もっとみる民間企業による新たな検閲 ルイ・ヴィトンが引き起こした作品撤去事件
2010年5月、神戸ファッション美術館による企画展「ファッション奇譚」に出品された作品に一企業がクレームをつけ、会期途中に当該作品が展示会場から撤去させられるという事件が発生した。
クレームをつけたのは、ルイ・ヴィトン。撤去させられたのは、美術家の岡本光博による《バッタもん》。ホンモノかニセモノか明らかにしていないブランド・バッグの生地をもとに作ったバッタのオブジェである。
こうした介入が「表