木村勇介 TRIKNOT CLOTHING / トリノクロージング

木村勇介 TRIKNOT CLOTHING / トリノクロージング

最近の記事

十人十色、色とりどりの"1着"を

新年1回目の投稿から早いもので1ヶ月。 またまた投稿の間隔があいてしまいました。 月3回の投稿を目指して頑張りたいものです。 前回は自身の開業と決意表明をさせて頂きました。 今回は今現在、中心的に行っているサービスのご紹介をさせて下さい。 洋服作りの企画から生産までをトータルサポート "toridori" 前職で培った多種多様な生地背景や日本国内の縫製工場を活用することで、1着からの"超小ロット"や"受注生産"にも対応することを可能にし、企画やデザイン面の相談から生産

    • 遅ればせながら、新たなスタートのご報告。

      気付いたら前回から2ヶ月以上ぶりの更新。 本日は長い間、更新できていなかった言い訳を兼ねてご報告があります。 昨年の11月に個人事業主として開業しました。 それ自体は紙を1枚出せばすぐ済むことではあるのですが、屋号を考えるのに相当な時間を費やしてしまいました。 なにせ名前を考えるという経験がほとんど皆無だったので。 慣れないことは時間も労力もかかりますね。 これからまた週1ペースでも更新を続けていきたいと思います。 新たなスタート 昨年の4月末に前職を退職し、11月に

      • 1本のデニムに魅せられて "orslow"

        先週末頃から急激に冷え込みました。 衣替えが全くできておらず大慌て状態です。 秋冬の服に対する物欲は順調に高まってきています。 本来は衣替えをして手持ちの服を把握してから買い物するのが一番いいのだとは思いますが・・・。 さて、今回は今年購入したorslowのPWプルオーバージャケットについて紹介させて頂きます。 orslowとは2005年に兵庫県の西宮スタートした国産デニムブランドで、今ではデニムに限らずワーク・ミリタリーテイストの商品の取り扱いもあります。 以下の公

        • 読書を通した疑似体験を実体験へ

          ようやく気温が下がってきて肌寒いと感じる時間帯も出てきました。 本格的な秋冬シーズンの到来もすぐそこですね。それに伴い洋服に対する物欲が増してきました、恐ろしい程に・・・。 今回は洋服ではなく、読書の秋にちなんで「本を読む」ということについての僕が思うことを書いていこうと思います。 きっかけはコロナ禍僕が読書をはじめたのは去年の夏頃からです。 それまでは自己啓発/ビジネス書にはどちらかというと抵抗があり、本はマンガと小説しか読んだことがなく「マンガは心の教科書だ」と真剣に

          生地の学校 2 "後染めとは"

          織物についての紹介からスタートした生地の解説記事の第2弾です。 前回の生地を見ていない方はそちらからご覧頂くとより理解しやすいかと思います。 織物は染め工程で分類すると後染めと先染めに大別されます。 今回は後染めについて解説を行っていきます。 「後染め」 生地が製品(生機)になった段階で染色を行う。 ※製品染めは割愛します。 生機とは以下のような織りあがったばかりの染色/整理されていない生地のことです。 また、この後染めは以下の2つの手法に大別されます。 ■ベタ

          希少なコットン原料を履き比べ "SOUKI"

          先日楽しみにしていたくつしたが届きました。 クラウドファンディングのMakuakeで見つけた商品です。 くつしたの一大産地である奈良のファクトリーブランドということと、3種類の原料のくつしたの履き比べ体験という打ち出しに魅力を感じて購入しました。自分がよく使う白ソックスだったことも大きな理由です。 本日はこちらのブランドと商品について紹介させて頂きます。 SOUKIとはくつしたの産地である奈良県の広陵町で1927年に創業した創喜という工場。その名は「人に喜んでもらえる

          希少なコットン原料を履き比べ "SOUKI"

          選択することへの疲れ "2025年、人は「買い物」をしなくなる"

          誤解を招かないようはじめに触れさせて頂きますが、タイトルの「買い物をしなくなる」の表現は少し大げさです。 僕もはじめて書店で本書を目にした時には驚いて思わず手に取ってしまいました。「これから買い物という概念が大きく変化するのは想像してたけど、2025年って早すぎないか・・・?」というのが本書を読む前の感想でした。 実際に読んでみると割と現実的で想像しやすく参考になる内容でしたので、今回は本書の内容を解説させて頂きます。 買い物のあらゆる手間が無くなる本書の主なポイン

          選択することへの疲れ "2025年、人は「買い物」をしなくなる"

          温度のある服づくり "HATSKI"

          まだまだ日中は暑い日が続きますが、朝と夜はかなり涼しくなってきました。温度差がありすぎて服装に困ってしまいます。 季節の変わり目ということもあり、服好きとしての買い物欲が湧き出してきています。購入した商品を少しずつでも紹介していけたらと思います。 今回は購入したHATSKIというブランドのデニムの紹介です。 HATSKIとは2016年にスタートしたデニムを中心としたブランドで、ブランド名もインディゴブルーと"8月"の海や空の青さのイメージを重ねたところに由来しています。

          消費者理解の徹底追及 "USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?"

          2001年にオープンし、今や日本最大級のテーマパークとしての位置を確立したUSJ。 コロナ禍の中ではありますが、ここ最近も鬼滅の刃のアトラクションで話題を呼んでいます。限定の禰豆子のポップコーンケースが大人気で長蛇の列だとか。メルカリで調べてみるとものすごい金額で売られていました。 画像引用:メルカリ 様々なヒット企画やアトラクションを生み出しているUSJですが、実は人気が低迷していた時期がしばらくありました。 初年度には1,100万人にも達した来場者数が少しずつ減少

          消費者理解の徹底追及 "USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?"

          生地の学校 1 "織物とは"

          生地はデザインやシルエットと同じく重要な服を構成する要素です。 特にシャツやTシャツ等のシンプルなアイテムになる程、商品の完成度における生地の役割が大きくなります。 生地への理解が深まると服に対する理解もグッと深まります。 今回から繊維商社で生地と製品の開発に携わった経験から学んだ知識を少しずつ紹介させて頂きます。専門的すぎて難しい部分もあるかと思いますが、内容量を少しずつにしながら読みやすく工夫していきますのでぜひご覧ください。 織物とは糸をタテ(経糸)とヨコ(緯糸

          安いことは本当に良いことか? "安いニッポン"

          今は一昔前に比べて安いモノの品質も良くなりました。 それどころか、もはや当たり前のことになっているように思います。 「安くて品質の良いものが、いつでも買えるように常に品揃えされている」とても便利で素晴らしいことですよね。しかし、その全てを手放しで喜んで受け入れていいものでしょうか。 今回は安いことの負の側面を教えてくれる書籍を紹介させて頂きます。 世界最安水準の国日本を代表するテーマパーク、東京ディズニーランド。 その入園料は現在おおよそ8,200円です。これも去年

          安いことは本当に良いことか? "安いニッポン"

          ニューヨークのワークマン? "TRADESMAN"

          前回は日本のワークウェアを支えるワークマンについて紹介させて頂きました。 当然ですが、ワークウェアの原点ともいえるアメリカにも様々なワークウェア出身のブランドがあります。Levi'sやDickies、carhartなどがその代表例でしょうか。その丈夫さからストリートシーンでスケーター達が着ているのもよく目にします。 今回はそんなアメリカのワークウェアからおすすめ商品を紹介したいと思います。 TRADESMANとは 画像引用:ACE APPRAREL & PROMOTI

          ニューヨークのワークマン? "TRADESMAN"

          センスや経験則よりも優先すべきもの "ワークマン"

          前職の繊維繊維商社時代に僕が所属していたのはメンズの製品、主にスーツやジャケットやスラックスを扱う部隊でした。 その為、ユニフォーム業界であるワークマンについて詳しくはありませんでしたが、とある商品のリリースをきっかけに無視できない存在になりました。 「セットアップ上下で5,000円以下・・・」 たしかに衣料は年々安くなっていますが、これは流石に驚きました。とくにジャケットの2,900円はちょっと引いてしまう程でした。 商品も見に行きましたが、縫製面も一般的なカジュア

          センスや経験則よりも優先すべきもの "ワークマン"

          服がくれた、たくさんのきっかけ

          よく「なんでそんな服好きなん?」と聞かれることがあります。 不人気傾向にあり、少なくとも「今目指すべき業界TOP3」などのランキングがあれば確実にランキング圏外のアパレル業界を人生かけて突き進もうとしていることが不思議に見えるのかもしれません。 たしかに自分は"服が好き"ですが、特定のコレクションブランドの熱狂的なファンでも、ファッションのルーツなどの歴史に特別詳しいわけでもありません。 自分より色んなブランドや服を知っている人は数えきれない程いると思います。 今の自

          服がくれた、たくさんのきっかけ

          一人ひとりの消費行動の変化が、今を変える

          前回の中川政七商店の紹介記事の際に日本の工芸の現状についても触れさせて頂きました。 多くの方が想像してる通り、日本の繊維産業についても状況は同様です。今回は主に存続の危機に直面している日本の縫製業の現状について紹介させて頂きます。 輸入品の激増と国産の危機現在の日本の衣料品の年間流通量は約38億点です。約30年前と比べおよそ倍増しました。同期間の人口はいずれも約1.2億人と大きく変化していません。一方で、売上額はおよそ70%にまで落ち込んでいます。 「流通量は増加してい

          一人ひとりの消費行動の変化が、今を変える

          日本の工芸を元気にする "中川政七商店"

          日本の工芸を元気にする! これは約300年続く奈良の老舗"中川政七商店"の13代目が掲げている同社のヴィジョンです。中川氏は社内外でそのヴィジョンを明言していて、著書のタイトルにもなるほど。 個人的にとても共感ができ、応援したいと思えるヴィジョンです。実際、僕の繊維産業に対する考えも少なからずこの言葉を影響を受けています。 今回は本書の内容と同社の活動を紹介させて頂きます。 工芸大国日本を目指して日本の伝統工芸品の市場はこの40年間で激減しています。 1983年には

          日本の工芸を元気にする "中川政七商店"